神河資料 - 《実地研究者、タミヨウ/Tamiyo, Field Researcher》が3色になった理由
『異界月』のQ&Aについての記事です。

Making Magic -マジック開発秘話- 2016.7.26 こぼれ話:『異界月』 その1
https://mtg-jp.com/reading/mm/0017172/
Q.青単だったタミヨウがなんでバント3色になったんですか?
A.先週説明したとおり、青単色からバント(緑白青)へのこの変化は物語や人物性によるものではなくデベロップ的な理由からのものだ。我々がブロックごとに登場させるプレインズウォーカー・カードを5枚に絞っているのは、デベロップが強調しやすいようにするためである。タミヨウには物語上の役割はあっても、このブロックでプレインズウォーカー・カードになる予定はなかった。他のプレインズウォーカー・カードになっている面々に比べて役割は小さかったのだ(そして《アーリン・コード》は、色のバランス上赤緑のプレインズウォーカーが必要だったから存在していたのであり、この枠はどうやってもタミヨウの枠にはならないということにも要注意である)。
我々はタミヨウをどうしてもプレインズウォーカー・カードにしたかったので、そのためにできることを探した。そして得た答えが、充分狭くすればスタンダードにおけるプレインズウォーカーのバランスを複雑化することなく推すことができる、というものだった。タミヨウを3色にすることがその最適な方法だったのだ。「なぜ3色になったのか」の答えは、そうしなければタミヨウをプレインズウォーカー・カードにできなかったから、である。3色のプレインズウォーカー・カードにするかカードにしないかという選択を受けて、どの色がフレイバー的にもっとも相応しいかを考えたのはストーリー・チームだった。なぜなら、ストーリーを語る上でもタミヨウがカード化されていたほうがよかったからである。
それよりも重要だったのは、マジックはまず第一にゲームだということである。いかに物語やフレイバーが重要になったとは言っても、そして我々がどれほど時間をかけてメカニズムをフレイバーにそぐうものにしているとは言っても、ゲーム内でカード化されることによる制限が存在する。なぜそうしているのかを理解する助けになるよう、私はこうして舞台裏でのあらゆる選択の理由を語っているわけである。
これらすべてを踏まえて、質問に答えよう。そうすることで最高のマジックを作ることができるから、である。


タミヨウが3色になった理由について語られています。最初の登場が青単色だったのに対し、いきなり3色になるのは大きな変化です。

同一ブロック内で、単色から3色になったのは、『タルキール覇王譚』での赤単色《龍語りのサルカン》と『タルキール龍紀伝』の緑青赤3色《揺るぎないサルカン》という例はあります。この場合はストーリー上、サルカンに大きな変化があったからこその色変化です。

タミヨウの場合、先日の日記で紹介した記事にもある通り、デベロップつまりカードパワーの調整が主な理由です。

この記事によると、そもそもプレインズウォーカー・カードになる予定はありませんでした。主要キャラクターではあっても、その重要性は他のプレインズウォーカーに比べて少し低かったようです。カードをそもそも作らないのであれば、カードパワーや色のバランスの問題も発生しようがありません。

ただ、そうした問題を抱えながらも、タミヨウをカード化したかった、ということでもあります。それは喜ばしいことと言えるでしょう。
神河自作 - 赤白の神話レア
神河自作 - 赤白の神話レア
神河自作 - 赤白の神話レア
今回は赤白の神話レアです。

燃え盛る刃、ナヒリ  (1)(赤)(白)
伝説のプレインズウォーカー ― ナヒリ  神話レア
[+1]:刀剣・トークン1個を生成し、それをあなたがコントロールするクリーチャー1体につける。そのクリーチャーはターン終了時まで先制攻撃を得る。
[-3]:土地でないパーマネント1つを対象とする。無色の《面晶体》という名前のアーティファクト・トークンを1つ生成し、それが戦場を離れるまで、そのパーマネントを追放する。
[-7]:あなたは「あなたかあなたがコントロールするパーマネントにダメージが与えられるたび、クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。これはそれに同じ点数のダメージを与える。」を持つ紋章を得る。
3


侍の刀剣トークンによって、装備品が良く出る環境なので、ナヒリが相応しいだろうと考えました。

ナヒリといえば装備品というのが中心的テーマです。

ただ、《石術師、ナヒリ》の忠誠度能力が「装備コスト踏み倒し」「装備品のマナコスト踏み倒し」「装備品トークン生成」とすべて装備品絡みだったのに比べると、他はややテーマが弱いと思います。《先駆ける者、ナヒリ》は奥義でサーチ&踏み倒しこそできるものの、「装備品」の単語が消えました。《石の嵐、ナヒリ》は、装備コストを下げるものの、自分で装備品が出せなくなりました。しかも収録セットには装備品が1枚もありません。

とはいえ、仕方ない面もあります。トークン生成する場合、クリーチャーに比べて装備品はどうしてもテキストが長くなるため、避けられがちです。参照するにしても、アーティファクトに比べて狭いですし、そもそも装備品は大量に入れるようなカードでもありません。《先駆ける者、ナヒリ》のようにサーチするなら別ですが、それでも装備品だけ、というのは狭すぎます。

今回は、刀剣トークンを定義したことで短く記述できるため、トークン生成の能力が作りやすくなります。

また、活躍度で言えば《先駆ける者、ナヒリ》が一番ですが、装備品よりはもっぱらエムラクールを呼び出していました。これはこれでフレイバー通りで悪くありませんが、やはり装備品がらみの能力で活躍してほしいと思います。

こうしたことを踏まえて、上記のようなデザインになりました。

小プラス能力が赤白共通のテーマである装備品と、先制攻撃付与。小さいマイナスが白の一時的追放。奥義が赤白混成の《怨馬》《ボロスの反攻者》などに作られる能力です。それぞれ、「装備品テーマ」「面晶体の製作者」「復讐者」というナヒリの側面を表しています。

今回のオリジナルエキスパンションにストーリーはないので、いつどんな理由で彼女が神河に来たか、という設定は特にありません。

神河資料 - 《実地研究者、タミヨウ/Tamiyo, Field Researcher》のデベロップメント
『異界月』の個別カードのデザインについての記事です。

Making Magic -マジック開発秘話- 2016.7.19 異界の完成 その2
https://mtg-jp.com/reading/mm/0017152/
《実地研究者、タミヨウ》
『アヴァシンの帰還』で、我々は神河出身のムーンフォークの科学者で、月の研究をしているプレインズウォーカーを登場させた。彼女は次元を渡る能力を使って様々な世界を見つけ、月について可能な限りのことを学んでいるのだ。特に、イニストラードには非常に珍しい、銀でできた月があった。

イニストラードを再訪するにあたって問題になったのは、タミヨウがどうなっているかだった。彼女は今もイニストラードにいるのか、それとも他の世界の月を調べに旅立っているのか。タミヨウの人気は高まっていたので、クリエイティブ・チームは彼女を物語に登場させることにした。彼女がイニストラードの月を調査していることは、物語上でこの上なく都合が良かったのだ。

しかし、ちょっとした問題があった。プレインズウォーカーの枠5枚のうち4枚は決まっていて、5枚目の色はタミヨウにふさわしくなかったのだ(これについては後述する)。一方、彼女をプレインズウォーカーとしてカード化しないのも問題だと思われた。ゲートウォッチは活動しているので、ある世界でプレインズウォーカー・カードを出さなくても次の世界で登場させることができる。しかし、タミヨウの場合は現在の物語でここにいるだけだった。今回彼女をカード化しなければ、次の機会は何年も先になってしまうことだろう。

クリエイティブ・チームはエリック・ラウアー/Erik Lauer(主席デベロッパーにして最もプレインズウォーカーのバランスを考えている人物)のもとを訪れ、現状を説明した。エリックは、ブロックのプレインズウォーカーの枚数を5枚に制限しているのはスタンダードに存在するプレインズウォーカーの総数を適正に保つためだと説明した。しかし、方法はないわけではない。プレインズウォーカーを狭くすれば、スタンダードで問題が起こることは減るのだ。では、タミヨウを3色のプレインズウォーカーにすることはできるだろうか。そうすればタミヨウが入るデッキは非常に狭くなり、彼女をうまくデベロップできてカードパワーを制御できるようになるのだ。

3色タミヨウでもないよりはマシなので、クリエイティブ・チームは取り組み始めた。もちろん彼女は青でなければならない。科学者なので、シミック(青緑)寄りになる。また、物語上の彼女の役割は、この世界を救うために世界の問題を見つけようとするというものだ。つまり、彼女には白の部分がある。ということで、このセットではタミヨウはバント・カラー(緑白青)なのだ。

3色のプレインズウォーカーをデザインする上で重要なのは、その能力が3色すべてにそぐうものだと感じられるようにすることである。今回のタミヨウは緑や白でもあるが、彼女の核となる色はやはり青なので、青がもっとも強く出ていなければならない。

1つ目の能力は、開発部で「好奇心」と呼ばれている能力(戦闘ダメージでカードを引く)を与える。好奇心は青と緑のものである。2つ目の能力は、「霜」能力と呼ばれているものだ。これはクリーチャーをタップし、次のターンにアンタップできなくするものである。この能力は主に青に存在するが、白にも少し存在する(ただし白は普通タップするだけである。興味深いことに、タミヨウの出身次元である神河では、この能力は緑の蛇が持っていた)。最後の能力は主に青のものだが、緑や白もある種のカードに対して持つことがあるものだ。

全体として、このタミヨウは(彼女らしく)緑や白というよりも青であるが、他の色の性質も能力から見ることができるものになっている。


以前紹介した記事では、「再訪できない次元出身のプレインズウォーカーが今後も作られるかは、《月の賢者タミヨウ》の評価にかかっている」という話がありました。この記事を見ると、幸いなことに、タミヨウは人気を獲得できたようです。

しかも、単なる再登場ではありません。彼女の「月の研究」がストーリー上で重要な意味を持つことから、メインキャラクターとしての登場となりました。

ただ、プレインズウォーカーのバランスの問題があったようです。

(詳しくは記事後半にある通り)ジェイス、リリアナ、ソリン、ナヒリを入れると、残りのプレインズウォーカーとして入れるのが赤緑のプレインズウォーカーとするのがちょうどいいバランスになります。

ここから、さらにタミヨウを入れるとなると、プレインズウォーカーを有するカラーリングのバランスが崩れてしまいます。そこで、3色にすることで、採用できるデッキを制限することで保険をかけることで、セットに入れることができました。

能力は、青単色でもできるけれど、白や緑でもやることがある、と言ったものです。こういった効果を多色でやると、単色よりも強力なものにすることができます。

そうした調整の結果もあってか、強すぎることも弱すぎることもなく、活躍できたようです。
今回は白青の神話レアです。

世界の帳を司る神、肉体と精神の姉妹  (3)(白)(青)
伝説のクリーチャー - スピリット・神  神話レア
破壊不能
スピリットでないクリーチャーがあなたにダメージを与えるたび、それをオーナーのライブラリーの一番上に置く。
あなたがコントロールしているスピリットである攻撃クリーチャーが1体死亡するたび、それをオーナーの手札に戻す。
3/6


『神河物語』ブロックでは、最高神である「大口縄」がカード化されませんでした。その力と存在の巨大さゆえ、とのことです。

ただ、後の『統率者2017』で《復讐の神、大口縄》としてカード化されました。同様の理由でカード化されなかった、旧世代プレインズウォーカーもカード化されたように、方針が変わったのかもしれません。

そのため、「大口縄」の後釜として世界の帳(隠り世と現し世を隔てるもの)を司る神である、「肉体と精神の姉妹(Sisters of Flesh and Spirit)」をカード化することにしました。

先日の日記で書いた「多色神話レアにふさわしい格をもった別のカード」とは、これのことです。明神サイクルと同様、これは神話レアこそが相応しいでしょう。同じ理由で、神のクリーチャータイプを持たせました。

スピリットでないものが「隠り世」にやって来れば(攻撃して来れば)追い返します。一方で、スピリットが「現し世」へ行って(攻撃に行って)死亡しても復活することが出来ます。これらの能力で、2つの世界を表現しました。

また、前者の能力は、「肉体と精神の姉妹」の片方である《真実を求める者、今田魅知子》の能力に類似したものとなっています。もう片方の「香醍(きょうだい)」こと《奪われし御物》の能力は破壊不能に現れています。破壊不能については、神・クリーチャーだから、というのも理由ですが。
神河資料 - タミヨウの《月への封印/Imprisoned in the Moon》
『異界月』の個別カードのデザインについての記事です。

Making Magic -マジック開発秘話- 2016.7.12 異界の完成 その1
https://mtg-jp.com/reading/mm/0017131/
《月への封印》
セットごとに、「重要なシーン」のカードと呼んでいるものがある。物語上の重要な瞬間を描いたカードのことだ。『異界月』の物語の最後を飾るのは、タミヨウがエムラクールをイニストラードの月(《獄庫》は月の欠片であり、月は牢獄として充分使えるのだ)に封印するシーンだ。タミヨウは基本的に青の魔術師(これについてはまたタミヨウのカードの時に触れよう)で、このカードはタミヨウがその魔法を使ってエムラクールを封印するところなので、青のカードである。しかしこの効果は青というわけではない。
何かを無力化するオーラについて議論したが、それでは当たり前すぎるように思えた。これは一大イベントだ。何かもう少し大きくて魅力的なものが必要だった。それでは、何かを月に封印するということをメカニズム的に一体どう再現できるだろうか。青は破壊はしないし、封印は破壊ではない。クリーチャーを追放することはできるが、それはカラー・パイ的に青ではない。青はクリーチャーを盗んだり手札に戻したりはできるが、それはこのシーンに相応しくない。
青はクリーチャーを変化させることができる。変化させて何とかできるだろうか。クリーチャーを何か他のことをするものに変化させて無力化するというのはどうか。他のことをするもの、というのは、何なら月の一部らしいだろうか。我々は様々なアイデアを試し、そしてクリーチャーをマナ発生源に変化させるという結論に到った。クリーチャーがすべての能力を失い、タップして無色マナを出すだけのものになるとしたらどうだろうか。これはカラー・パイ的にはかなりの冒険だが、違反ではない。このカードにもう少し柔軟性を与えるため、我々は最終的に、クリーチャーだけでなく土地やプレインズウォーカーにもエンチャントできるようにした。
こうして、このセットでもっとも奇妙なカードの1枚が出来上がったのだった。


《月への封印》は、『異界月』のストーリーの結末「タミヨウがエムラクールを月に封印する」シーンを描いたカードです。

タミヨウが基本的には青であることから、青単色にできる効果でこれを再現しようと試行錯誤した様子が分かります。

「対象を無力化する代わりに土地を与える」という点で見ると、白単色の《流刑への道》に近いです。あるいは、対象の広さを考えると、黒緑の《暗殺者の戦利品》の方が近いでしょうか。

「青は破壊はしない」とあります。しかし、一方で言われている「青はクリーチャーを変化させることができる」場合に限っては、破壊することもあります。《猿術》や《急速混成》などがそうです。そのものズバリの名前である《変身》というカードもあります。

そう考えると、《猿術》のように、破壊して土地トークンを生成するのでも、「月に封印する」部分は再現できるでしょう。

ただ、相手が「プロテクション(インスタント)」を持つ《約束された終末、エムラクール》であるため、そうしたカードではストーリーを再現できません。

《月への封印》をオーラにしたのは、そういった理由もあったのかもしれない、と考えています。もっとも、変身というフレイバーであっても、青に「破壊する」効果はあまり持たせたくなかったのかもしれませんが。
今回は黒緑の呪文を作成しました。

温故知新  (3)(黒)(緑)
ソーサリー  レア
以下から1つまたは両方を選ぶ。
・あなたの墓地にあるカード1枚を対象とし、それをあなたの手札に戻す。
・あなたのライブラリーからカード1枚を探し、それをあなたの手札に加え、その後あなたのライブラリーを切り直す。


《喚起》と《魔性の教示者》を足したものです。それゆえ、目新しさはないかもしれません。

ただ、このカード名《温故知新》の考えが、神河をリメイクしたオリジナルエキスパンションにふさわしいと思って収録することしました。また、黒緑という色の思想にも合致していると思います。

当初は、多色神話レア3枚をプレインズウォーカーとして、多色レア7枚と合わせて10枚作る予定でした。

しかし、3枚目のプレインズウォーカーとして納得いくものが作りにくかったです。一方で、プレインズウォーカーを作る予定だった黒緑の色でしっくり来る《温故知新》ができた上に、多色神話レアにふさわしい格をもった別のカードができました。

これらの理由から、多色神話レア3枚はプレインズウォーカー2枚と伝説のクリーチャー1枚とすることにしました。
神河資料 - 『イニストラードを覆う影』におけるタミヨウ
『異界月』のエルドラージについてのプレビュー記事です。

Making Magic -マジック開発秘話- 2016.7.5 月を超えて その2
https://mtg-jp.com/reading/mm/0017112/
『イニストラードを覆う影』で、我らの主役であるジェイスがイニストラードにソリンを探しにやって来た。彼はイニストラードで何か異常が起こっており、人々の多くが、なにか見えざるものの影響によって、狂気に陥り、ゆっくりと変化していっていることにすぐに気がついた。そして、何が起こっているのかの謎に挑み始めた。タミヨウの日誌を頼りに、そして後にはタミヨウ自身の助けも得て、ジェイスは狂気の源が天使アヴァシンだと確信するに到った。ジェイスとタミヨウはアヴァシンを倒すことができなかったが、あわやというときにソリンが現れ、嘆きとともに彼の生み出した天使を滅ぼしたのだった。その結果、アヴァシンは問題ではなく、イニストラードを守っていた唯一の存在だったのだということがわかった。そして、アヴァシンが失われたことで、本当に恐ろしいものがこの次元に現れたのだった。

その恐ろしいものこそが、ソリンとソリンの次元に復讐するためにナヒリがイニストラードへと導いたエムラクールだった。『異界月』ではついにエムラクールが現れたときに起こる影響が描かれることになる。


『イニストラードを覆う影』のストーリーが簡単に紹介されています。

タミヨウの日誌がストーリー上での謎を解くカギとなっていることが分かります。

また、先日書いたように、ジェイスとタミヨウはアヴァシンに倒されそうになりました。この記事では、ソリンがやって来たことで危機を脱したことが分かります。もっとも、その後にもっと大きな危機がやって来ることになりますが。

今回は、白黒のカードを作りました。

半妖、墨之尾  (白)(黒)
伝説のクリーチャー - 狐・クレリック・スピリット  レア
瞬速
~が戦場に出たとき、あなたがコントロールする他の土地でないパーマネントを1つオーナーの手札に戻さないかぎり、これを生け贄に捧げる。
あなたがコントロールする白のスピリットは+1/+0の修整を受けるとともに先制攻撃を得る。
あなたがコントロールする黒のスピリットは+0/+1の修整を受けるとともに接死を得る。
2/2


妖狐と言われる、狐の妖怪も和風ファンタジーで登場します。『神河物語』では狐の妖怪(スピリット)がいなかったので、作ってみることにしました。

化け狐との別名の通り、他のものに化けていたことをETB能力で表しています。色々なものに化けた方がそれらしいですし、忍者とも差別化できると思い、クリーチャー以外にも変身できることにしました。
神河資料 - タミヨウと《アヴァシンの裁き/Avacyn’s Judgment》
『イニストラードを覆う影』の個別カードのデベロップメントの記事です。

Latest Developments -デベロップ最先端- 2016.4.16 Mファイル『イニストラードを覆う影』編・パート2
https://mtg-jp.com/reading/translated/ld/0016700/
《アヴァシンの裁き》
物語――重要イベントその4、アヴァシンがジェイスとタミヨウを攻撃する(そして倒す)。


『イニストラードを覆う影』時点ではタミヨウはカード化されていませんが、ストーリーにはメインキャラクターとして登場していることが分かります。

「物語――重要イベントその4」とあります。当時はまだ「注目のストーリー」がなかったのですが、もしあったとすれば、選ばれていたとしてもおかしくないでしょう。

「そして倒す」とありますが、ジェイスとタミヨウは別に死んだ訳ではありません。両者は今もカード化されていることからわかる通りです。では、その時どうなったかについては、後で触れます。

今回は多色のレアを2枚作りました。

駄目押し  (3)(赤)(緑)
ソーサリー  レア
ターン終了時まで、あなたがコントロールするクリーチャーは「これがクリーチャーに戦闘ダメージを与えるたび、そのクリーチャーをタップする。それはそれのコントローラーの次のアンタップ・ステップにアンタップしない。」と警戒を得る。このメイン・フェイズの後に追加の戦闘フェイズ1つと、それの後に追加のメイン・フェイズを1つ加える。


《連続突撃》の亜種です。『神河物語』では緑のメカニズムだった「アンタップ制限」と合わせることで、チャンプアタックにも意義が出るようにしました。

八百万の神  (X)(緑)(白)
インスタント  レア
無色である0/0のスピリット・クリーチャー・トークンをX体、生成する。それらの上に+1/+1カウンターをX個、望むように割り振って置いてもよい。


顕現で出るようなトークンを生成します。サイズと個数を自由にできるようにしました。
神河資料 - タミヨウの現状(2015年)
プレインズウォーカー達の、2015年時点での現状をまとめた記事です。

プレインズウォーカー達の現状2015 更新日 Feature on 2015年 8月 19日
https://mtg-jp.com/reading/ur/0015523/
タミヨウ
イニストラードの神秘を探究している。
神河生まれの空民の学者、タミヨウの研究はイニストラード次元へと彼女を導いた。そこで彼女はイニストラードの月が、その次元における多くの超自然的な種族、狼男から天使に至るまでに特徴的で強い影響を及ぼしていると記録している。長い研究の後、彼女はその稀な、魔法の封じられた銀鉱石から成る天上の存在の軌道パターンと影響を理解し始めている。


前回の記事から1年後です。研究に進展があった様子がうかがえます。

この記事の翌年に、タミヨウが再登場する『イニストラードを覆う影』ブロックが発売されます。

ストーリー上鍵となる「月」の研究が進んだことは興味深い所です。執筆時点で、そのストーリーがどこまで完成していたのでしょうか。
残りは多色のレア・神話レアだけとなりました。

10枚の枠のうち、青黒を河童、青赤を天狗で既に作ってあります。ということで、もう1つの主要妖怪枠である鬼を作りました。

大酒呑みの鬼、苦死  (2)(黒)(赤)
伝説のクリーチャー — デーモン・スピリット  レア
飛行
~が戦場に出たとき、4点のライフを支払ってもよい。そうした場合、飛行を持つ黒の4/4のデーモン・スピリット・クリーチャー・トークンを1体生成する。
X点のライフを支払う:パワーがXのクリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+X/+0の修整を受ける。それがデーモンでない場合、ターン終了時にそれを破壊する。
4/4


元ネタは酒呑童子です。名前は「くし」と読みます。

鬼の大将ということで、《若き群れのドラゴン》《大軍のワーム》のような、トークン生成を持たせています。

元ネタを活かす方法として、名前の通り酒好きであることを使うのが一番だと考えました。神河ブロックで登場した酒である《血と鉄の酒》の効果と、鬼のメカニズムであるライフ支払いを合わせた能力にしています。

血と鉄の酒 (3)
アーティファクト
(4):クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+X/+0の修整を受ける。Xはそのパワーである。次の終了ステップの開始時に、血と鉄の酒を生け贄に捧げる。


元ネタでは鬼たちは毒入りの酒を飲んでやられました。ここではむしろ逆に鬼以外が酒を飲むと耐えられないようになっています。元ネタはあくまでも元ネタであり、完全再現するだけが使い方ではないと思い、捻りを加えました。統率者にも使えるので、デーモンデッキを組めるような部族要素を持たせたかった、というのもあります。
神河資料 - タミヨウの現状(2014年)
プレインズウォーカー達の、2014年時点での現状をまとめた記事です。

翻訳記事その他 2014.6.26 プレインズウォーカー達の現状
https://mtg-jp.com/reading/translated/0010782/
タミヨウ
熱心に、神秘を研究している。
タミヨウは心を捕えられた物事を調査するために次元を旅している。特に、イニストラードの銀の月は彼女の注意を惹いた。彼女はそれがイニストラードの生物へと与える影響を研究するために、ネファリア州の天文学者ジェンリクと組んだ。獄庫の解放とアヴァシンの帰還の後、タミヨウの研究は新たな章に入った。ジェンリクの助力で、彼女はこの次元へのアヴァシンの影響について、そしてその月との関係についての理論を構築している。


初登場時点から変わっていない様子です。メインストーリーに深く関わっていないため、変化がなかったとしても無理からぬことと言えますが。
『ドミナリア』に倣った結果、レアについては伝説でないクリーチャーを作りました。神話レアについても倣うならば、神話レアのクリーチャーはすべて伝説、ということになります。神話レアの位置づけや伝説テーマであることを考えるとそうするのが妥当でしょう。

以上を元に、神話レアについて見ていきます。白と青はすでに2枚の枠は埋まっているので問題ありません。

残りは単色だと、黒・赤・緑がそれぞれ1枚枠が空いています。

ここで、新しく神話レアを作るよりは、多めに作ったレアを神話レア格上げする方が手っ取り早いですし、なるべくアイデアを拾うことができます。

そうした理由により、以下のようにレアリティを変更します。

赤 剛剣の万次郎  レア→神話レア

緑 四季の巡礼者、みよ子  レア→神話レア


ただ、黒については余剰がないので、新しく神話レアを作りました。

血時計の終焉  (1)(黒)(黒)
インスタント  神話レア
各プレイヤーは、ライフで競りを行ってもよい。あなたは好きな量のライフをつけて競りを始める。ターンの順序に従い、各プレイヤーは最高点数を超える点数をつけてもよい。最高点数が動かなくなった場合、競りは終了する。最大の点数をつけたプレイヤーは、その点数に等しい点数のライフを失う。あなたがこの競りに勝った場合、ターンを終了する。


《時間停止》のターン終了と《苦痛の報償》の競りを合わせた効果です。カード名は《血時計》からも取りました。

神河資料 - タミヨウが登場した理由
タミヨウが初登場した、『アヴァシンの帰還』の個別カードについての記事です。

Making Magic -マジック開発秘話- 2012.5.16 アヴァシングル・レディー その3
https://mtg-jp.com/reading/mm/0004179/
《月の賢者タミヨウ》
《月の賢者タミヨウ》に関するコメントの中で最多のものは「《月の賢者タミヨウ》はこのブロックに関係あるようには見えない」というものだ。実際に言いたいことは「《月の賢者タミヨウ》はこの世界の存在には見えない」ということだろう。そして私の返事は、「そうだとも。それがポイントなんだ」ということになる。

プレインズウォーカーが何なのかについて全ての説明はしていないので、それらしく言い逃れることは非常に簡単だ。ほとんどの諸君はプレインズウォーカーのカードを見るだけだろう。そう、プレインズウォーカーはここに――どこにでも――いるのだ。忘れられがちなのは、彼らはどうやってここにいるのか、である。

プレインズウォーカーをただの魔法使いの読み替えだと考えるのはよくあることだが、それは重要な定義を見落としている。「プレインズウォーカーがマジックの世界において何なのか」ということだ。プレインズウォーカーには1つだけ共通点があり、それは次元を渡る能力を持っているということだ。どうでもいいことに聞こえるかもしれないが、この考え方は非常に重要である。
多元宇宙に住むほとんどの存在は、多元宇宙の存在を知らない。彼らは自分の次元で生き、その次元についてしか知らない。プレインズウォーカーはそうではなく、(我々が「灯」と呼ぶところの)特別な能力を持っており、その力で次元と次元の間を旅することができるのだ。この能力だけでプレインズウォーカーはプレインズウォーカーたりえる。彼らは他の誰も知らない多元宇宙の存在を知っているという点で特別な存在なのだ。

ここでこの話を取り上げたのは、プレインズウォーカーが次元を渡るという事実について取り上げることがあまりないからである。「なぜ《月の賢者タミヨウ》がそぐわないところにいるのか」という質問は、「なぜプレインズウォーカーがそぐわないところにいないのか」という質問に置き換えられる。《月の賢者タミヨウ》はプレインズウォーカーのあり方に一石を投じている。たとえば、もう戻ることの叶わない多くの世界が存在するので、そういった世界からの存在としてプレインズウォーカーを使うことでさらなる何かが見いだせるだろう。
その多くは、《月の賢者タミヨウ》の評価にかかっている。プレイヤーがマジックの過去の次元からやってきたプレインズウォーカーを気に入れば、今後も姿を見せることになるかもしれない。私は、そういった雰囲気を纏ったプレインズウォーカーをもっと見たいと思っている。


タミヨウが登場した理由について語られています。

神河を知らない人でも、タミヨウがイニストラード次元にいることには違和感を覚えるでしょう。しかし、それこそが、プレインズウォーカー最大の特徴である「次元を移動できる」を表すことに成功した、ということでもあります。

また、再訪する予定のない次元というものがあります。そうした次元出身のプレインズウォーカーを登場させることで、セットでの再訪はなくても、その次元の要素を再登場させるなどの効果が期待できます。

逆に言えば、その次元に行く可能性が低い、と暗に言われている訳なので、そこは複雑な気分かもしれませんが。

「《月の賢者タミヨウ》の評価にかかっている」とのことですが、現在まで合計3回カード化されていることを考えると、十分に成功しているのでしょう。
白のレアクリーチャーが、伝説クリーチャーのみ、スピリット1体のみと偏っています。特に、伝説の侍は4体もいて明らかに供給過剰です。調整用に白のレアクリーチャーを作りました。

狐の思想家  (2)(白)(白)
クリーチャー ― 狐・ウィザード  レア
あなたの手札のカードの枚数がどの対戦相手よりも多いかぎり、~は絆魂と警戒を持つ。
あなたの手札のカードが7枚以上であるかぎり、~は飛行と呪禁を持つ。
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知恵カードの由来である、《ジェラードの知恵》が白なので、白にも知恵カードを作りました。
《初めて立ったもの、清麻呂》《清麻呂の末裔》が手札が多いとライフゲイン効果を持つので、それに倣いました。

職人の魂  (白)
クリーチャー ― スピリット レア
飛行
あなたが装備品をコントロールしていないとき、~を生け贄に捧げる。
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《つながれたグリフィン》の装備品版です。


百鬼夜行の先陣  (5)(白)(白)(白)
クリーチャー - スピリット  レア
すべての墓地にあるカードの総数に等しい数の、無色の1/1のスピリット・クリーチャー・トークンを生成する。すべての墓地にあるカードを追放する。
あなたがコントロールする他のスピリット・クリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
2/2

元ネタはぬらりひょんです。妖怪の総大将とされる、という点から百鬼夜行を率いるものとしてデザインしました。
神河資料 - タミヨウ初登場
『アヴァシンの帰還』において、タミヨウが初登場した時の記事です。

THE WORLD OF AVACYN RESTORED 更新日 Feature on 2012年 4月 25日
https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/feature/world-avacyn-restored-2012-04-25
月の賢者タミヨウ
ムーンフォーク、あるいは空民と呼ばれる神河次元の住人は、秘密主義でありながら探究心豊かな人種である。 自らの次元の形而上的な力に関する彼らの知識は群を抜いている。 実地研究を専門とする学者のタミヨウにとって、プレインズウォーカーとなって多元宇宙へとつながる道筋を発見したことは、どんな夢よりも素敵な出来事となった。 彼女の眼にはどの次元も、巻物にしたためて偉大なる朧宮の塔に納めるべき、未開拓の知の宝庫に見えた。

タミヨウにとってすべての次元は他とは異なる謎を有している。そしてイニストラードの場合、その謎とは銀色の月であった。 タミヨウはイニストラードの月周期を何回にもわたって観察してきた。プレインズウォーカーとしての技能を使い、その周期が世界に向けて発する力の本質を探ろうと試みてきたのだ。 彼女は月が獣人の呪いに及ぼす効果を熱心に観察し、吸血鬼の狂乱の波に月がどう影響するかについての長大な記録を残した。 そしてその好奇心はやがて、高名なネファリアの天文術士ジェンリクのもとへと彼女を導いた。 タミヨウは彼の月長石の塔に籠り、何ヶ月ものあいだ星図を食い入るように見たり、この次元の生物や住人に対して月が及ぼす奇妙な力について、彼の知識に彼女自身の見解を加えたりした。

アヴァシンが戻った今、タミヨウはこの天使がイニストラードの土地やクリーチャーや月に与える効果についての理論を夢中になって組み立てている。 獄庫の本質、ウルフィーの誕生、グリフの出現、最近になって強化された結界の出自……これらはすべて、回答よりも疑問ばかりが並ぶ彼女の巻物に、更なる不思議として書き加えられている。


ゴシックホラー世界からは浮いた外見、神河出身と分かるネーミング、何の前振りもない唐突な登場。そのインパクトは小さくなかったと思います。

初登場の時点で、実地研究の学者であるキャラクターは確立されていました。この後の登場でもその部分は貫かれています。

現在でも登場する、貴重な神河要素がタミヨウです。そのため、タミヨウについて触れている記事はいくつもあります。これから、しばらくはタミヨウについての記述を取り上げていく予定です。

緑のレアの、伝説でないクリーチャーを作りました。

桜族の秋の伝令  (緑)
クリーチャー — 蛇・シャーマン  レア
(T):(緑)を加える。このターン、土地があなたのコントロール下で戦場に出ている場合、代わりに好きな色のマナ1点を加える。
0/2
発芽の神  (1)(緑)
クリーチャー - スピリット  レア
警戒
(2)(緑)(緑),(T):あなたは、あなたの手札にあるクリーチャー・カードを1枚戦場に出してもよい。
2/2
農耕の神  (2)(緑)
クリーチャー - スピリット  レア
(1)(緑),(T):あなたのライブラリーから基本土地カードを1枚探す。それを公開し、あなたの手札に加える。その後あなたのライブラリーを切り直す。
土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたは2点のライフを得る。
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現出のデベロップに関する記事です。

Latest Developments -デベロップ最先端- 2016.7.25 あなたに役立つ小さな変更
https://mtg-jp.com/reading/translated/ld/0017170/
「エムラクールがイニストラードにやって来る」という見出しはエキサイティングで刺激的ですが、実際にそれを表すのは我々の想定よりも難しいということが判明しました。

もし我々が以前に両面カードをやったことがなかったなら、物事の変化を表す完璧な方法になっていたでしょう。しかしそれを以前やってしまっただけでなく、我々は『イニストラード』ブロックの全部で3つのセットでそれを使っているのです――なので単に無色の怪奇なものに変化するクリーチャーでは不十分なのです。

(中略)

クリエイティブのケリー・ディグズ/Kelly Diggesとジェイムズ・ワイアット/James Wyattと話して、彼らはこのブロックに欠色がないことを好むと、とてもはっきりと表明しました――そして幸運にも私も彼らと同意見でした。しかしながら、私はエルドラージにある種の色の傾向が欲しいことも分かっていたので、それらの全部でなくその一部で焦点を当てられるようにしました。つまり理想的なメカニズムは、これらのカードのどこかで色マナを使って唱えられ、しかしそのカードは無色であるということでした。

このような問題に取り組むとき、私は人と話をつけることが重要だと発見しました。私はこの問題を開発部内の何人かに伝え、彼らの考えを得て我々が過去に行ったことから目標を達成しようとしました。ただ古いメカニズムを使うだけでなく、このメカニズムが存在できるような空間を探すことは――少なくとも良い出発点を得ることになります。変異のようなものは機能しましたが、我々はそれをやったばかりです。エリック・ラウアー/Erik Lauerは両面カードでは表すのに適していない変化を表現する方法として忍術を提案しました。そこで私はそれをやることにしました。

現出の星々

最初期のバージョンの現出は、単に忍術の名前をつけ直しただけのものでした。忍術が「いつか名前を変えて再録したいリスト」のとても上位にあるといっても恐らく驚きには値しないでしょう――我々が神河に戻らないかぎりは忍術を使えないからです。私は色マナで忍術できる無色のエルドラージ・クリーチャーを少数作ることにしました。

これは楽しく(なぜなら忍者は楽しいので)、そして人々がターンごとに複数回誘発させることを心配することなく戦場に出たときの誘発型能力を持たせられる「普通の」忍者と比べて十分に高いマナ・コストを持っていました。もしくは可能なのであれば――コストが10マナという事実はそれを安全にするのに十分でした。

このメカニズムは忍術を思い出させて楽しいのですが、実際のクリーチャーは満足感に欠けました。忍術を持っているクリーチャーはそのほとんどどが小さく、つまりそれらが忍術で出てきただけでは負けません。我々がこれをエルドラージで試したとき、その戦場に出たときの誘発型能力は面白いのですが、問題はほとんどどのクリーチャーが密かに単なる《溶岩の斧》か《焼けつく肉体》だったことでした。面白い効果は面白そうかもしれませんが、対戦相手は面白いことが実際に起こる前に死んでしまいます。

我々がこれをテストしていたとき、クリエイティブ・チームはこれにある不安を抱いていました――特に問題はないが、クリーチャーが手札に戻るのは全く筋が通っていないということです。これはエルドラージがこの世界で行なっていることとは全く違います。そうするのではなく、そのクリーチャーが死ななければならないようにすればよりフレーバー的に筋が通ります。私はこれが現出クリーチャーをさらに強くすることができ、人々が戦場に出したときに常に2対1以上の交換を取られることを心配する場合よりも強力な誘発型能力を与えられるので問題ないと思いました。


「エムラクールによるクリーチャーの変化」を表す方法が探索されていました。

両面はすでにやっているので、新しいメカニズムとして打ち出すことはできません。過去のメカニズムに注目した時、変異は悪くない動きでしたが、近くのセットで再録したばかりだったので没になりました。

そこで、注目されたのが忍術でした。忍術はメカニズムとしては面白いものですが、この場合には不適切だったようです。

1つには、エルドラージは中~大型であることが多いので、単なる本体火力のようになってしまいます。

もう1つには、クリーチャーが手札に戻ることが、「クリーチャーがエルドラージに変化する」フレイバーにはそぐわないことです。

その結果、攻撃時から唱えるときのメカニズムになり、手札に戻すのではなく生け贄に捧げるメカニズムになりました。つまり、献身のようなものです。

神河のメカニズムから出発して、また神河のメカニズムの亜種へと着地したのは面白いところです。
今回は赤のレアの呪文です。枚数調整用に、呪文を多く作っておきました。

打ち直し  (2)(赤)
ソーサリー  レア
この呪文を唱えるための追加コストとして、装備品を1つ生け贄に捧げる。
あなたのライブラリーから装備品・カードを1枚探し、そのカードを戦場に出す。その生け贄に捧げた装備品がクリーチャーにつけられていた場合、戦場に出した装備品をそのクリーチャーにつける。その後あなたのライブラリーを切り直す。

《修繕》の亜種です。《山賊の頭、伍堂》を見るに、赤でも装備品サーチは可能な範囲だと判断しました。


内なる情熱  (X)(赤)
ソーサリー  レア
カードをX枚引き、その後カードをX枚捨てる。その後、これにより捨てた赤か山であるカードの数に等しい(赤)を加える。


ルーターとマナ生成の合わせ技です。多色推奨という訳でもないので、単色推奨カードも入れてみることにしました。

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