神河資料 - 《静刃の鬼/Silent-Blade Oni》の物語
マローが、ウォルト・ディズニー・イマジニアリングで行った、スピーチについての記事です。テーマは「いかにして物語をゲーム・デザインに組み入れているのか」というものでした。

Making Magic -マジック開発秘話- 2014.7.29 物語の時間
https://mtg-jp.com/reading/mm/0010846/
解決策#1
トレーディングカードの全ての部品を使うこと
トレーディングカードゲームをメディアとして使うのなら、その使い方を極める必要がある。
カード名
(中略)
クリーチャー・タイプ
《静刃の鬼》
ここが舞台の上なら、私は「デーモン・忍者」とだけ言ってマイクを置くだろう。この2つの単語は強烈に物語を想像させるもので、そしてクリーチャー・タイプにどれだけ人に知りたいと思わせ振り向かせる力があるのかを示している。


ゲームに物語を取り入れる上での問題点・課題を語った後で、その解決策を語っています。その1つの例として、《静刃の鬼》が登場しました。

《静刃の鬼》は、『プレインチェイス2012』で新しく作られた忍者の1体です。能力はレアらしい派手さこそあれ、時折登場する効果なので特筆することはありません。

しかし、そのクリーチャー・タイプは明らかに異質なものです。神河では忍者は人間かネズミしかいませんでしたが、これはデーモン=鬼となっています。また、神河のデーモンは必ずスピリットでもありましたが、ここではスピリットではありません。

この異常なクリーチャー・タイプからは色々な物語が想像できるでしょう。これが「物語をゲーム・デザインに取り入れる」ことの一例という訳です。

また、物語が想像できるのは、これらのクリーチャー・タイプが、神河において明確な特徴を持っていたからこそでもあります。こうした点も、神河の良かった部分と言えるでしょう。
今回のオリジナルエキスパンションでは、忍者を青黒の2色から、緑を足した3色に拡張しました。

神河自作 - 忍者のメカニズム「忍術」とその拡張
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912052244502834/

神河自作 - 忍者の色の拡張とメカニズムの調整
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912062246473509/

緑で、忍者らしい効果のカードを作成できるようになりました。

一方で、(スピリット以外では)シャーマンとモンクと蛇とすでにあるところに忍者が加わったので、各種族の枚数がさらに少なくなってしまいました。特に、蛇の戦士は1枚もありません。仮にスピリットの枚数を減らしたところで、各種族の枚数はせいぜい1枚しか増やせないでしょう。

また、特別に多色を推奨する環境でもなく、強固なマナベースがある訳でもないのに、5色のスピリットと3色の侍と3色のシャーマンに加えて、また3色の部族を作るのはどうなのか、という点も疑問です。部族テーマで言うと、『イクサラン』では3色以上の部族は恐竜と海賊の2つのみです。『ローウィン』であれば、エレメンタルも多相の戦士も5色にある上に加えて、ツリーフォークが3色にあります。ただ、それら5色の部族は神河のスピリットほどの割合ではなく、多相の戦士は他の部族も兼任できるという特殊な部族です。神河でも同様のことが出来るとは言い難いでしょう。

総じてみると、色を拡張したことはメリットよりも、ややデメリットが上回っている印象です。

各部族に充分な枚数を確保することを優先するならば、忍者は青黒2色にしたまま、侍を赤白黒3色から黒をぬいた2色に縮小するというのも1つの手だったかもしれません。
神河資料 - 中国混じりの世界
神河資料 - 中国混じりの世界
神河は日本神話、和風ファンタジーの世界です。ただ、一部に中国の要素が混じっていることが指摘されています。

迷える探求者、梓/Azusa, Lost but Seeking
http://mtgwiki.com/wiki/%E8%BF%B7%E3%81%88%E3%82%8B%E6%8E%A2%E6%B1%82%E8%80%85%E3%80%81%E6%A2%93/Azusa,_Lost_but_Seeking
もと神主なのだが、衣服は古代中国風。


季節の導き、節貴/Sekki, Seasons’ Guide
http://mtgwiki.com/wiki/%E5%AD%A3%E7%AF%80%E3%81%AE%E5%B0%8E%E3%81%8D%E3%80%81%E7%AF%80%E8%B2%B4/Sekki%2C_Seasons%27_Guide
名前の由来は、一年を四季に応じて分けた歴法である節気(二十四節気)からだろう。
元々は古代中国の文化である。日本は長きに渡って中国から暦を輸入して使っていたため、日本にも定着してはいたものの、日本の季節とは微妙に噛み合わないところもあるとされる。
中国の影響が比較的薄い、日本独自の「季節の変わり目」を示す言葉を探すなら、「節会(せちえ)」や「節句(せっく)」のほうがふさわしかったかもしれない。


水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge
http://mtgwiki.com/wiki/%E6%B0%B4%E8%BE%BA%E3%81%AE%E5%AD%A6%E8%88%8E%E3%80%81%E6%B0%B4%E9%9D%A2%E9%99%A2/Minamo,_School_at_Water%27s_Edge
水面院関連のイラストを見ると解るが、日本の戦国時代を基にした神河のうちにあって、水面院だけはどう見ても中国の戦国時代である。


麒麟
http://mtgwiki.com/wiki/%E9%BA%92%E9%BA%9F
実際にアフリカなどに生息する首の長い哺乳類のことではなく、牛の尾と馬の蹄と鹿の角を持つ想像上の動物。
元々は古代中国の伝説上の聖獣で、龍などと共に日本に伝わった。頭に肉に包まれた一本の角があり、体の毛は黄色、背には五彩の毛がある。徳が高いため殺生を好まず、生草は踏まず生物は食わないという。乱世の終わりに聖人が王道を成すときに現れると言い伝えられる。このことから転じて、乱世を鎮めるほどの才気を持つ者を「麒麟児」と呼んだ。
ただ、あくまで「日本に伝わった」ものであって、日本の神道とは関係のない生き物である。神河/Kamigawaは日本の神話世界を基にしているのだが、中国由来のものと日本独自のものの区別をつけ切れていない部分があるようだ。
Global Series: Jiang Yanggu & Mu Yanlingの舞台となる次元/Planeにも麒麟が登場する。カード名やフレイバー・テキストでは、中国語の発音に合わせてQilinの表記が使われている(クリーチャー・タイプでは依然としてKirinである)。


反転カード/Flip Card(MTG)
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/39055.html
なに、「神河ブロック自体が不人気」?聞こえんな*3
*3 明らかに古代中国と混ざっている世界観、当の日本人でも読めない名前の当て字、禁止カードを連発するほどのインフレだった1つ前のミラディン・ブロックの反動からカードパワーが弱め、伝説や秘儀など他のテーマ・システムにも問題があったなど、反転カード以外にも反省点はたくさんあったブロックであった


以前の日記とそのコメント欄(※1)でも触れたことですが、中国由来のものは日本では少なからずあります。当の日本人である私自身、なにが中国由来でなにが日本独自かは、ハッキリと区別できない(あるいはそもそも気にしていない)ことも多いです。開発部がそこを混同してしまったことは、責める気になれません。

それに、中国由来のものでも、日本流にアレンジされた上で定着したようなものもあります。ラーメンやギョーザはその一例です。こうしたものは「日本発祥」ではなくても、「日本らしい」ものとしてイメージが定着していれば、和風世界の物語で採用することは考えられます。

以前の日記(※2)でも述べた通り、正確な由来がどうこうよりもプレイヤーのイメージに合うことの方が重要なのです。




余談
むしろ、こうした「日本っぽいけど日本じゃない」のが良い、という意見もあります。

岩SHOWの「デイリー・デッキ」 2018.9.18 ザ・ニンジャ(レガシー)
https://mtg-jp.com/reading/iwashowdeck/0031105/
海外の作品で出てくる、日本っぽいけど日本じゃない、違うアジアの文化とか混ざった変な日本。僕、これが結構好きで。侍なのに中国風の髪型だったり、見たこともない装束の忍者が出てきたり、日本の街の風景も意味不明なネオンサインが多数あったり……いいよね、謎のワクワク感がある。日本というかジャパンだね。絶妙なズレ加減がなんとも味わい深く、正しい侍はこうだ!なんて無粋なことは言わずに楽しもうと思っている。

マジックにおいても、あるじゃないか神河が。戦国時代、鎧兜に身を包んだ侍がいたころと古来より伝わる妖怪・八百万の神々が住まう日本をベースにしているものの、なんだかちょっと「違う」。完全な日本ではなく、多元宇宙のひとつである神河であるということだ。個人的にはこれほど再訪してほしい次元もない。

実は『神河物語』の時代というのは多元宇宙的にはとてもとても古い時代であり、となると今現在の神河はどうなっているのか?ネオンサインが輝く夜の街でサイバーパンクなニンジャが壁走りしているのか?妄想が膨らんでしょうがない。


※1
神河資料 - 元ネタに忠実なカード
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/202001081854568200/

※2
神河教訓 - トップダウン・デザインの手法
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912061829517801/
今回のオリジナルエキスパンションでは、顕現によって0/0のスピリット・クリーチャー・トークンが(+1/+1カウンターつきで)生成されます。八百万の神という表現はできましたが、何か物足りないという印象もありました。

そう思いつつカードを作るうち、色ごとに特徴的なスピリットトークンを生成するのも、1つのアイデアとしてありではないかと思いつきました。白は絆魂1/1、青は飛行1/1、黒は接死1/1、と言った具合です。各色のクリーチャーと、スピリットのあり方を表す1つの方法になるかもしれない、という発想です。

それを生成するのは、シャーマンやクレリックなどの宗教的なクリーチャーがメインですが、それ以外でも可能とします。

サイズが1/1ばかりだと、単調かつデザインの幅が狭いので、 0/3到達のようなものもありでしょう。

ただ、並ぶと強すぎるのもあります。先制攻撃や接死だと攻撃が停まってしまい、盤面の硬直してしまいます。防御的なのは1色だけにするのが妥当でしょうか。

また、各色で生成するトークンの強さを同じにする必要はありません。2マナ相当、3マナ相当などのトークンであれ、最終的にはそれと本体をまとめた上で調整することになります。大型を1つ出すか、小型をバラバラと並べるかでも個性が出せます。

「各色」としましたが、各色1つでなくても、2~3パターンを複数の色で使うのもありだと思います。複雑さを抑える観点から言えば、その方が良いぐらいです。そうして絞った上で、攻撃的、防御的(と、その中間)といったように役割を分ければ、リミテッドのアーキタイプのバランスも取れるでしょう。

あるいは、別の視点として、(出るトークンはどれでも共通のままでも良いとして)出すための条件で色の特徴を出す、というのもありかもしれません。タップアウトレット、スペルを唱えるたび、ETB、PIG、などです。

どちらかと言えばこの方が、スピリットとの関わり方というフレイバー付けをしやすいように見えます。儀式で呼び出すもの、言霊、守護霊のようなもの、死者の怨念が悪霊になったもの、などです。

また、ゲーム進行の点で言っても、トークンの種類を増やすより管理しやすいのが利点です。

後は、生成したトークンをどうするか、という部分でしょうか。強化する、生け贄に捧げる、数やパワーなどを参照する、と言った点も特徴づけになります。ただ、直接スピリットを参照すると孤立的なメカニズムになるのが難点でしょうか。

今回思いついたメカニズムを、そのまま次のオリジナルエキスパンションで採用するかは未定です。ただ、何にせよ、神河における神の多さだけでなく、神と住人との関わり方、という点も表現できるようなメカニズムを作ればと思います。
神河資料 - 黒歴史の《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》
開発部の黒歴史を扱ったデベロップの記事パート2からです。ただし、公式の翻訳記事はありません。

SKELETONS IN R&D’S CLOSET, PART 2 Posted in Latest Developments on March 25, 2011
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/latest-developments/skeletons-rds-closet-part-2-2011-03-25
《師範の占い独楽/Sensei’s Divining Top》

AF 10/24: A good tempting bad card.

Well, that was fun. I sure hope I never get skewered in an article like this one seven years from now, though. That would just be embarrassing.


師範の占い独楽についてのコメントです。と言っても、かなり短いものです。これまでの黒歴史カードと違ってアンコモンであり、派手な効果でもないためでしょうか。

実際、これ単体よりも、他のシャッフル手段やライブラリートップ参照カードとのシナジーの強さが問題でした。

また、占い独楽のライブラリー操作やシャッフルに時間を使うという点も、禁止カードになった理由の1つです。あまり類を見ない禁止理由なので、作った時点ではこれを予測しづらいでしょう。

余談
開発部の黒歴史を扱ったデベロップの記事パート1(英語)もありますが、『神河物語』ブロックのカードは入っていません。

SKELETONS IN R&D’S CLOSET Posted in Latest Developments on February 20, 2004
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/latest-developments/skeletons-rd%E2%80%99s-closet-2004-02-20

神河自作 - 考察:スピリットとの関わり方
『神河物語』ブロックでは、神と、住民たちは対立関係にありました。

今回のオリジナルエキスパンションでは、本来の関係であろう、友好関係にあります。それを、シャーマンやクレリックと、スピリットとのシナジーによって表現しました。

これは悪くないアイデアだと思っていました。しかし、その他の職業、侍や忍者などとは何の接点もありません。

宗教的な職業は当然としても、その他の住民にとっても神は信仰対象であるはずです。先述のアイデアでは、そこを描ききれませんでした。

特に、青は宗教的な職業がないため、スピリットと接点のあるクリーチャーがいません。呪文ではシナジーがあるのですが。

神との関わり方を描く方法については、もう少し考える余地がありそうです。

神との関わりと言えば、分かり易いのは『テーロス』でしょうか。「英雄的」を持つカードが、神の加護を「授与」によって受けます。また、神側にも「信心」というメカニズムで、人々からの信仰が表現されています。

また、同様に神話モチーフであり、神が信仰されている『アモンケット』では、人々は神々の「碑」において「試練」に挑み、クリアしたものは「カルトーシュ」を授けられます。このように、キーワード能力や能力語などのメカニズム以外に、個々のカード(のサイクル)で表現する方法もあります。自らに試練を課すことを、自らにデメリットを与えるようなギミック(督励、-1/-1カウンター、手札を捨てる)でも表してます。

『テーロス』においては信心、『アモンケット』においては試練が、神と住民との主な接点となっているようです。

では、神河における神と住民との関係はどうなのか。それはゲーム上、どのように表現されるのか。今のところ、これがベストという結論は出ていません。

そもそも論で言ってしまえば、八百万の神は日本神話(日本神道)であり、侍や忍者は和風ファンタジー(あるいは歴史もの)の要素なので、それらを混ぜること自体がどうなのか、という話になります。

スピリットを、八百万の神よりも妖怪の要素とするのも1つの手かもしれません。侍や忍者との対立構造ができます。現実の侍や忍者は妖怪と戦う訳ではありませんが、和風ファンタジーにおいては戦うことはあるので、違和感も薄れるでしょう。

また、妖怪は「信仰を失って落ちぶれた神」「祀られなくなった神の成れの果て」といった面もあります。そうして神(だった存在)と対立するのは、他の神話モチーフ次元との差別化になるでしょう。

「結局また神対住民になるのか」とも思われそうですが、『神河物語』のような全面戦争ではなく、あくまでスピリットの一部なので一応は違います。また、必ずしも妖怪と戦う(退治する)住民だけでなく、友好を結んで再び神として祀られるよう働きかける住民がいてもいいでしょう。こうした穏健派と過激派に分かれることもまた、創作物における定番の1つです。

神も住民も勢力が分かれており、神と住民の関わり方もそれぞれ異なるとあれば、それを神河の独自性とできるでしょう。
神河資料 - 黒歴史の《空虚自身/One with Nothing》
開発部の黒歴史を扱ったデベロップの記事パート4からです。

Latest Developments -デベロップ最先端- 2016.6.27 開発部の黒歴史・パート4
https://mtg-jp.com/reading/translated/ld/0017087/
時に我々は本当に素晴らしいカードを作ります。時に我々は評価のとても難しい変なカードを作ります。そして時に我々はただ単純にひどいカードを作ります。これはそのうちの1つです。

《空虚自身》

D1: ひどいカードだ。デザイン・チームは二派に分かれた。私の側はこのひどさはやり過ぎだと言った。加えてこれはこのセットのテーマに反した動きをする。他の奴らはリアニメイトやスレッショルドとクールなコンボになると言った。議論するためにここに置く。

D2: 「このひどさはやり過ぎだ」というのには共感するが、「このセットのテーマに反した動きをする」というのは『ミラディン』ブロックの《ラディックスの調べ》のようなカードを印刷するのと違いがない。今のところ、私はこのカードがこのセットにあることには満足だ。

D1: このカードは《ラディックスの調べ》とは似てなくて「{G}、インスタント、あなたのコントロールする全てのアーティファクトを生け贄に捧げる」に近い。しかし何にせよそれが主な議題ではない。これは自分だけに被害がある。これは《蒼ざめた月》より弱い!

D3: レア?

D4: レアにすべきだろう。

D5: 《蒼ざめた月》はスレッショルドを達成しない!

D1: 1箱から0枚出る新しいレベルのウルトラレアにするべきだ。

D1: コンボの可能性を高めるためにインスタントにした。

D6: レアかもしれない。

D6: レアに格上げ。おお、これはひどい(しかし緩い適用だ......)。

D1: もしこれがこのまま印刷されるようならたんこぶができるまで額を壁に打ち付ける。

D7: つまりこれが好きなのか嫌いなのか? 読み取るのに苦労する。

D8: この問題児を印刷する。

私は大量に《空虚自身》を作れるとは思いませんが、たまになら素晴らしいことです。


黒歴史とは言っても、これまでとは違い、壊れたカードでも禁止カードでもありません。むしろ、弱すぎるという対極的な評価がされるものです。

ただ、当時のスタンダードにおいてはごく一部のデッキに対するサイドボードとして使われた実績があります。

それが、ハウリング・オウルという低速コントロールです。このデッキは、バウンスカードによって相手の盤面に対処しつつ、それとお互いにドローするカードとを合わせて相手の手札を増やし、《黒檀の梟の根付》や《突然の衝撃》のような「手札が多いと大ダメージを与えるカード」で止めを刺します。

記事においては、「このセットのテーマに反した動きをする」、つまり「手札を増やすテーマとは逆行する」という評価がありました。

というのも、《空虚自身》が収録されたのは「手札を増やすテーマ」の『神河救済』です。そして、先述のデッキにおける《黒檀の梟の根付》も同じセットに収録されています。

《空虚自身》は「セットのテーマに反した動きをする」=「手札を減らす」です。

《黒檀の梟の根付》は、「手札が多いと大ダメージを与えるカード」カードです。これ自体も「このセットのテーマに反している」とも言えます。

どちらも「テーマに反したカード」でありながら、結果的には、片方がもう片方に対抗するサイドボードとして機能したのは面白いところです。

《空虚自身》は単純なカードパワーは最低レベルです。しかし、ニッチな用途とはいえ採用実績があるので、単なるカスレアとも言えません。また、突飛で大きな効果はレアらしいものです。

「私は大量に《空虚自身》を作れるとは思いませんが、たまになら素晴らしいことです。」とある通り、こうしたカードも必要ではあるのでしょう。黒歴史とありますが、「二度と作らない」というものではないようです。
今回、スピリットにおいて、天狗・鬼・河童の三大妖怪をある程度の枚数、作成しました。

和風ファンタジーの定番である妖怪を入れることは、悪くないと思います。ましてや、メジャーなものであれば尚更でしょう。

ただ、どの程度入れるか、という点については考え直す余地があると思います。

スピリットはクリーチャーの半分あります。しかし、その中でさらに妖怪の勢力を複数用意するとなると、それぞれの枚数は思ったよりも少ないです。ちょうど、侍や忍者の枚数が取りづらかったのと同様の事がスピリットでも起きてしまいました。

また、これまでの考察通り、スピリットの割合を減らすべきだと考えています。そうなれば、ますます勢力内の枚数は減るでしょう。

以上の事から、三大妖怪自体は入れるとしても、勢力の規模は大きくしない方がいいと考えます。せいぜい、垂直サイクル(同じ色で、レア・アンコモン・コモン1枚ずつ作るもの)ぐらいでしょうか。

あるいは、妖怪の内、1種類ぐらいであれば、スピリット内の主要勢力とすることもありかもしれません。

その場合、鬼が妥当でしょう。『神河物語』に存在しており、かつ部族要素もありました。他のセットにもデーモンはいるので、それと併用することもできます。『アヴァシンの帰還』などではコモンのデーモンもいたので、コモンに作るのも問題ありません。また、ある程度の規模の勢力である場合、物語においても無視できない存在になるでしょう。その点でも、鬼は(天狗や河童よりも)悪役としてのイメージがあるため、違和感はありません。
神河資料 - 黒歴史の《猛火の群れ/Blazing Shoal》
開発部の黒歴史を扱ったデベロップの記事パート4からです。

Latest Developments -デベロップ最先端- 2016.6.27 開発部の黒歴史・パート4
https://mtg-jp.com/reading/translated/ld/0017087/
《猛火の群れ》
D1: このクリーチャーを殺すバージョンは黒にもっといい効果があればいける。

D2: プレイヤーに打てるピッチスペル(《火炎破》)は不安だ。だが多分これは安定して大きなダメージを叩き出せるデッキがないための十分な条件が揃っている。

D3: いいデザインだ、理論的に一番いいのはウィニー・デッキに入れてXが点数で見たマナ・コストって書いてる行を読むまでだな。それでもかなりいいかもしれない。

D4: 《山》、《怒り狂うゴブリン》、これ2枚、《焼けつく肉体》2枚で1ターンキルだ。《焼けつく肉体》以外のカードも使えるけど問題はそこじゃない。基本的に極端に早い例を言うのは嫌いだが、このカードは極端に見える。簡単に狂った量の大ダメージを与えるポテンシャルを持ってる。

D5: 1ターン目のコンボはかなり難しいが、2ターン目だとかなり簡単に思える。

D6: このデッキの生み出す一貫性のなさがいいと思うが、きっちりテストしないといけない。

D7: プレイしてみた。私のデッキはクソだったが、いきなり不意打ちで殺すことができた。どこかの誰かがこれを徹底的に悪用して、悲しいことになるだろう。

D3: このカードを残すの外すの?

D5: 残す。

D5: 今日の会議で、D8はこのカードを「問題ない」だろうと言った。

D2: 「問題ない」のはタイプ2でだ。《うつろう爆発》/《ドラコ》がエクステンデッドのプロツアートップ32にある世界では、これはエクステンデッドでやらかすことができる。

ラバーンとシャーリーのテーマソングに乗って《猛火の群れ》と《大祖始》がやって来ました。これが感染と一緒に機能するなどとは知る由もなかったのは明らかですが、《ドラコ》/《うつろう爆発》と同じ方法でコンボになるという考えははっきりしていました。我々はこの当時このようなリスクをあえて受け入れました――これは10年の良い部分を壊したことや、まだ考え出されていないメカニズム、そして新しいフォーマットのことを考慮しても妥当な判断でした。


黒歴史、とは言ってもこれはそう責められるようなものではありません。発売から遠い未来において感染との瞬殺コンボデッキが組まれることなど、想像しようもないからです。

また、スタンダードでは実現しなかったようなカードの組み合わせを発見するのも、下環境の面白さの1つでもあります。それがスタンダード環境ではパッとしなかったカードなら、尚更です。そうした面白さを予め潰してしまうよりは、ゲーム全体のためになるでしょう。
昨日の日記では、スピリットの割合が大きすぎるのではないか、という点を考察しました。

これによって、特に問題だったのが他の部族のスペースが減ることです。

逆に言えば、スピリットとそれらの部族を両方持てば、問題はある程度解決できます。

『神河物語』ブロックでも、スピリットと他の部族を持つクリーチャーは少ないながらも存在しています。例えば、ずべら、麒麟、デーモン、ドラゴン、です。

ではその他の部族との複合、スピリット・侍や、スピリット・忍者、のようなクリーチャーとはどんなものでしょうか?

考えられるのは、『イニストラード』の《聖トラフトの霊》がスピリット・クレリックであるように、英雄の霊のようなものでしょう。『神河謀叛』には、スピリットでないクリーチャーがスピリットに反転する、《信心深い従者》《傷をつけるもの、切紗深》サイクルというものがあります。現実の日本でも、偉人の霊を祀ることはあります。ただ、設定から伝説である必要性が強いため、枚数は多く作れないかもしれません。

もう一つは、妖怪です。先述のずべらはずべらんぼう(のっぺらぼうの別名あるいはその亜種)ですし、デーモンは鬼としています。和風ファンタジーで妖怪と言うのは定番です。また、先日の日記で紹介した記事でも「日本のセットがあるなら妖怪を入れたい」という声がありました(※1)。よって、妖怪を増やすのはありでしょう。

例えば、化け狐が狐・スピリット、ガシャどくろがスケルトン・スピリット、ダイダラボッチが巨人・スピリット、と言った具合です。

余談
スピリットと併用されている麒麟ですが、MTGwikiでは、日本神話とは関係ないことが指摘されています。そうした点を考えると、再録したいクリーチャー・タイプとは言い難いでしょう。

http://mtgwiki.com/wiki/%E9%BA%92%E9%BA%9F
ストーリー
実際にアフリカなどに生息する首の長い哺乳類のことではなく、牛の尾と馬の蹄と鹿の角を持つ想像上の動物。

元々は古代中国の伝説上の聖獣で、龍などと共に日本に伝わった。頭に肉に包まれた一本の角があり、体の毛は黄色、背には五彩の毛がある。徳が高いため殺生を好まず、生草は踏まず生物は食わないという。乱世の終わりに聖人が王道を成すときに現れると言い伝えられる。このことから転じて、乱世を鎮めるほどの才気を持つ者を「麒麟児」と呼んだ。

* ただ、あくまで「日本に伝わった」ものであって、日本の神道とは関係のない生き物である。神河/Kamigawaは日本の神話世界を基にしているのだが、中国由来のものと日本独自のものの区別をつけ切れていない部分があるようだ。

* Global Series: Jiang Yanggu & Mu Yanlingの舞台となる次元/Planeにも麒麟が登場する。カード名やフレイバー・テキストでは、中国語の発音に合わせてQilinの表記が使われている(クリーチャー・タイプでは依然としてKirinである)。


※1
神河資料 - マローにインタビュー
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/202003111937183415/
神河資料 - 黒歴史の《梅澤の十手/Umezawa’s Jitte》
開発部の黒歴史を扱ったデベロップの記事パート3からです。

Latest Developments -デベロップ最先端- 2014.8.25 開発部の黒歴史・パート3
https://mtg-jp.com/reading/translated/ld/0011025/
《梅澤の十手》
D1 3/25:こいつは相当出鱈目だな。物語に関係あるカードか?
D2 3/31:梅澤は主人公だよ。
D3 4/2:光と煙と巨大化の剣ですね分かります。
D4 4/20:この儀式の雰囲気は黒としてはちょっと面倒だな。どういうフレーバー上の理由があるんだ?
D5 4/28:考えれば考えるほどこれが弱く見えてきた。4マナで最初の攻撃では何もないのは《バンシーの刃》とよく似てて、あれは時間をかければイカれたことになるけどこれはそうじゃない。多分これを強くする必要はないけど、一応言っておこう。
D6 4/30:このカードがヘボいのには同意するし、数字を変更してもっと良くしたほうがいいだろう。儀式をして{R}{R}とか{B}{R}を加えたらどうなる? 蓄積カウンターは他のカウンターよりも『ミラディン』ともっと良い相互作用ができるだろう。
D2:蓄積カウンターにするのは賛成する。さらに一発ごとに2個乗るように。
D1 5/11:これでカードパワー的に全然使えないようには見えなくなった。まだ使えなさそうに見えるが完全に、というわけではない。これを《山賊の頭、伍堂》に使う理由が欲しい。{B}{B}を加えるのはおかしいと思う......
D7 6/30:HSのリクエストで2番目をマナを出す能力から-1/-1に変更。あと装備の注意書きを入れる余地がなくなった。

6月30日までに、このカードはほとんどデベロップの手を離れてテンプレート処理に入っていました。-1/-1修正を与える能力と、人々がこのカードを倒せないことはちょっと問題であることが分かりました。そしてこの一件以来、我々はテンプレート処理の間に大きな変更をしなくなりました。


《梅澤の十手》はスタンダード環境でこそ禁止になりませんでしたが、その他の環境(モダンやトライバル・ウォーズ)ではしばしば禁止になっています。リミテッドでの「十手ゲー」は言うまでもありません。

そんな十手ですが、最初は蓄積カウンターが乗るのは1個ごとで、-1/-1修整もありませんでした。そのままでは「ヘボい」と言われるのも仕方ないでしょう。

ただ、上方調整をしてすぐデベロップの手を離れてしまいました。おそらくはロクにテストされていなかったのでしょう。これで壊れたカードができたとあっては擁護しようがありません。

また、この記事にはかの《精神を刻む者、ジェイス》も登場しているのですが、そこで「ギリギリでの変更は上手く機能しません。」とあります。全くもってその通りです。
以前、各セットにおける主要部族の割合について考察しました。

神河自作 - 主要部族の扱い
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/202001102227331816/

『神河物語』におけるスピリットは全クリーチャーのほぼ半数(46%)で、『戦乱のゼンディカー』のエルドラージの割合38%を超えて、単一部族の割合としては最大級です。

今回のオリジナルエキスパンションでは、この割合を踏襲しました。全クリーチャー156枚中、47%にあたる74枚がスピリットです。

エキスパンションを一通り作った今となっては、多すぎたのではないか?という疑問があります。というのも、他の部族を入れる枚数が少なくなったからです。

単色カードは各39枚です。仮に生物はその半数として20枚とすると、スピリット10枚、それ以外が10枚となります。こうなると、多くの種族を入れるスペースはありません。

特に苦しいのは、部族の種類が多い色です。例えば黒だと、忍者、シャーマン、侍と3種類いれると、それぞれ3枚ずつ、ということになってしまいます。

実際は生物の比率がもっと高いのですが。仮にすべてをクリーチャーカードとしても、各部族は6枚です。『エルドレインの王権』の白・黒・赤単色の騎士がそれぞれ8・10・9枚なので、それ以下となります。

人気部族である忍者や侍の枚数があまり取れないのは残念なことです。また、できればこのセットのカードだけでも部族デッキが組めるように、と思ったこともあるのですが諦めました。

上述した日記にも書いた通り、スピリットとその他が半々なのは、対立していたからこそ、というのも理由です。普段の神河においては、神と人間のすむところは「世界の帳」で分けられており、そうそう人間たちの世界に顕現するものではないように思います。

こうしたことを考えると、スピリットの割合は減らしていいのかもしれません。

もっとも、今回のオリジナルエキスパンションをここから調整するのは大変なので、次のオリジナルエキスパンションを作る機会があれば、の話です。
神河資料 - 警戒
神河資料 - 警戒
ウェザーライト・サーガの乗組員全員のカードデザインについての記事です。

カードの登場 その2 更新日 Making Magic on 2018年 12月 3日
https://mtg-jp.com/reading/mm/0031525/
『プレーンシフト』
ターンガース
しかし、これは『プレーンシフト』であり、物語は終盤を迎えていた。ついにターンガースをカード化するときが来たのだ。いくつか満たすべき条件があった。第1に、ターンガースは偉大な戦士である。我々は、彼のカードが戦闘で有用であるようにしたいと考えた。第2に、彼の衝動性をいくらか再現したいと考えた。戦闘以外でも、ターンガースが誰かと戦えるとしたらどうだろうか。この時点ではまだ格闘は存在していないことを思い出してほしい。(キーワードになったのは何年もあとの『イニストラード』のときである。)

そして我々は、この、ターンガースが攻撃していないときにも戦闘できるという発想に魅せられた。問題は、この能力をターンに何回も使えるようにはしたくなかったので、タップが必要なようにする必要があったということである。それはつまり、攻撃するときにタップする必要がなくしなければならないということであった。警戒はまだキーワード化されていなかったが(キーワード化されたのは『神河物語』のときである)、その能力は白のものだった。数枚の特殊なカードを覗いて(本についていたプロモカードのクリーチャー1枚と、『レジェンド』のオーラ1枚)を除いて、警戒は赤には存在しなかった。このカードにはまさにふさわしかったので、我々は特別な例外を認めることにした。(当時、色の違う能力を特別な伝説のクリーチャーに特例として認めることが多かったのだ。)


この記事にある、特殊なカードの内の1枚、『レジェンド』のオーラが《永遠の戦士》です。イラストは見ての通り、ちょんまげの侍という和風なものになっています。

レジェンド当時は警戒がキーワード能力になっていませんでした。それが、『神河物語』でキーワード能力となり、同名のカード《警戒》も作られました。《永遠の戦士》の色を変えたものになっています。

また、《永遠の戦士》のフレイバーテキストに出てくる「津波二刀流」ですが、これは《Tetsuo Umezawa》が修めたものであることが小説で語られています。彼は神河ブロックのストーリーの主人公、《梅澤俊郎》の子孫です。

そして、『レジェンド』はエキスパンション名の通り伝説がテーマのセットであり、『神河物語』ブロックと同じです。

不思議な縁を感じます。
神河自作 - 考察:書式
カードの内容ではなく、書き方の問題です。

オリジナルエキスパンションを作るにあたっては、特に書式を決めていませんでした。

カードを思いつくたび、参考になるようなカードを検索したりMTGwikiを見たりして、前例となるカードをコピーし、それを改変する形でカードテキストを書いていました。

最終的にカードリストを日記に書こうとした際、記号や全角半角などの細かい部分で書き方にバラつきがあり、見栄えが悪いことに気づきました。

明確な正解はない問題です。今回は、Wisdom GuildのHTML形式カードリストを参考にしました。以下の通りです。

括弧
マナコスト、タップは半角。
エンチャント(○○)は全角。

数字
パワータフネスは半角、修整のプラスマイナス記号も半角。
その他(個数や回数など)は全角。

コロン
起動型能力は全角。

マナコスト
括弧はすべて半角
有色は(白)(青)(黒)(赤)(緑)
無色は(◇)
不特定は(3) 数字やXは全角。

カード名行
日本語 + 半角スラッシュ/ + 英語 + 半角スペース + 全角括弧の読み仮名 + 半角スペース + 半角括弧のマナコスト

カードタイプ行
カードタイプ(複合するときは「・」を付けて列記) + 半角スペース + ―(ホリゾンタルバー) + 半角スペース
+ タイプ名日本語(複合するときは「・」を付けて列記) + 半角括弧
+ タイプ名英語(複合するときはそれぞれの日本語名の後につける) + 半角括弧
+ 全角スペース + エキスパンション略称 + コンマ + 半角スペース + レアリティ

ハイフン、ダッシュ、長音符
カードタイプとタイプの間、能力語の後、一部のキーワード能力(補強、脱出、予見など)の後は、すべて―(ホリゾンタルバー)。前後に半角スペースが入る。


おおむねこれに従って、書きなおしました。英語名や、読み仮名、エキスパンションの略称などは、省略しています。
メカニズムがスタンダード環境に再登場する難しさを表す値である、ストーム値というものがあります。神河のメカニズムのストーム値については、以前の日記でも触れました。

神河資料 - ストーム値
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/202001032122145936/

公式記事では、各ブロック・エキスパンションのメカニズムのストーム値について、何本も記事が書かれています。その中で、ストーム値6の例として忍術が出ています。

ストーム値:『タルキール覇王譚』ブロック
更新日 Making Magic on 2016年 2月 29日
https://mtg-jp.com/reading/mm/0016574/
レベル6:再録する場所を必要としているものだが、あまり楽観視してはいない。
例:貪食、忍術、生体武器
この分類には、プレイヤーが好きだったがふさわしい場所を探すのが難しいメカニズムが含まれる。その理由は、たとえば特定のフレイバーに紐付けられていたり、特定のメカニズム的サポートが必要だったりするからなどがある。


ストーム値:『ラヴニカ』と『ラヴニカへの回帰』
更新日 Making Magic on 2016年 5月 2日
https://mtg-jp.com/reading/mm/0016858/
レベル6:再録する場所を必要としているものだが、あまり楽観視してはいない。
例:貪食、忍術、生体武器


ストーム値:『ゼンディカー』『戦乱のゼンディカー』ブロック
更新日 Making Magic on 2016年 11月 21日
https://mtg-jp.com/reading/mm/0018047/

再録する場所を探す必要があるが、私は可能性が高いとは思っていない
例:貪食、忍術、生体武器


ストーム値:『イニストラード』『イニストラードを覆う影』
更新日 Making Magic on 2017年 3月 27日
https://mtg-jp.com/reading/mm/0018619/

再録する場所を探す必要があるが、私は可能性が高いとは思っていない
例:貪食、忍術、生体武器


ストーム値:『ミラディン』『ミラディンの傷跡』ブロック
更新日 Making Magic on 2018年 6月 11日
https://mtg-jp.com/reading/mm/0030689/

再録するのにふさわしい場所を探す必要があるが、私は可能性が高いとはあまり思っていない。
例:貪食、忍術、生体武器


ストーム値:『カラデシュ』と『アモンケット』
更新日 Making Magic on 2019年 3月 25日
https://mtg-jp.com/reading/mm/0032250/
6 再録するのにふさわしい場所を探す必要があるが、私は可能性が高いとはあまり思っていない。
例:貪食、忍術、生体武器


同じくストーム値6のメカニズムとして、貪食と生体武器の名前もあります。

ストーム値6の意味するところは、「人気があって再録したいが、ふさわしい場所がない」のようです。

忍術はスタンダード環境でこそ再登場していないものの、特殊セットにおいて何度も登場しています。それだけ人気が高いということです。もし神河に再訪すれば再録は間違いないでしょう。

一方で、スタンダード環境での再録が難しいからこそ、せめて特殊セットで、という一面もあることは否めません。

良くも悪くもストーム値6の典型と言えます。
神河自作 - 考察:カードリスト管理
先日の日記で書いた通り、デザイン骨格は作っていません。カードを作ったら、その都度テキストファイルに追記するだけでした。最低限、レアリティと色で分けて、作った枚数をカウントする程度の管理でした。

最終的に枚数調整する段階になって、これは少し雑だったなと思いました。クリーチャーと非クリーチャーの割合、スピリットと非スピリットの割合、伝説と非伝説の割合、マナカーブなどを把握する作業に時間を使いました。

少なくとも、色 → レアリティ → クリーチャーか非クリーチャーか → 点数で見たマナ・コストの4段階で並べておくべきだったように思います。これはどのセットであっても共通するでしょう。

伝説やスピリットは神河のセットだったからこそ、特別に気をつけるものです。こうしたものは、リストにカードを追加するたび、カウントしておけばよかったかもしれません。

もっとも、こうしたものはデザイン骨格を予め決める場合には当てはまらないことですが。

あとは、テキストファイルで管理するよりも、最初にカードリストの日記を作成しておいて、それを更新するスタイルもありかもしれないと思いました。
神河資料 - マローにインタビュー
ユースアンバサダープログラム(※1)において、子供達がウィザーズスタッフに、インタビューした記事です。

企画記事 2018.8.22 ユースアンバサダープログラム2018・レポート:第3回 マローにインタビュー
https://mtg-jp.com/reading/special/0031000/
日本にもっとフォーカスを当ててほしい

Q: 海くん「日本の世界はやらないのですか?」

マロー「日本の世界は君が生まれる前に実はやっているんだよ。(神河ブロックの最後である『神河救済』は2005年6月に発売されていて、13歳の海くんが産まれるより前です)でも、『神河』はストーリーでは7000年以上前の話なので、現代の生まれ変わった神河をやるのは面白いかなと思っているんだ。神河の人物やストーリーは今もマジックに関わっているよ。《実地研究者、タミヨウ》は神河の人物で、ゲートウォッチとともに戦っているね。また、神河とニコル・ボーラスには深い関わりもあるんだ」

ガヴィン「私は神河の大ファンなので、自分の作るセットには必ず密かに神河のカードを忍ばせているんだ。『統率者(2018年版)』には《虎の影、百合子》とかね」

マロー「私も『Unstable』(※2)に《Masterful Ninja》を入れたんだ」
※2 『Unstable』はマジックのジョークエキスパンションの3個目のセット。通常のトーナメントでは使用できませんが、ユニークなカードの多いセットです。日本でも英語版のみが発売されました。

マロー「このカードのイラストには忍者が隠れているが、まだ誰にも見つかっていないんだ」

このカード、発表されてから、現物でもかなり見たのですが、どこに忍者がいるのか私にも全く分かりません。

ここで、マロー氏から、質問です。

Q: マロー「もし、諸君がカードを作るなら、日本のセットに何を入れたいかな?」

アンバサダーたちからは「妖怪」や「たぬき」「桜」「蚊」なんて答えが出ました。他にも「なまはげ」や「寿司」なんかも。「寿司」がカード化されたらどんな感じなんでしょうかね?

ガヴィン「『神河』(ブロック)にはたくさんの伝説のクリーチャーが入っていた。それまでは、あれほど伝説のクリーチャーが入っているセットはなかった。そこから学んだことを生かして、『ドミナリア』で反映させたんだ」


子供たちにとっては、和風セットの『神河物語』があったことをそもそも知らないようです。無理もありませんが。

各種セットに、神河のカード(特に忍者)が入っていることや、神河をやり直したいと思っていることなどが語られています。

また、「日本のセットに何を入れたいか?」という逆質問に対して、子供たちからは色々な答えが返ってきました。

「日本のセットと言ったらこういうものが入っている」というイメージは重要です。

以前、日記に書いた通り、神河の教訓として「元ネタではなく、プレイヤーのイメージに忠実であるべき」というものがあります。

神河教訓 - トップダウン・デザインの手法
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912061829517801/

そうした点を考えると、神河に再訪した場合に、ここに上がったものがカード化したとしても、なんら不思議ではないでしょう。




※1 ユースアンバサダープログラムについては以下の通りです。
企画記事 2018.8.17 ユースアンバサダープログラム2018・レポート:第1回 マジック25周年記念プロツアー見学
https://mtg-jp.com/reading/special/0030956/
そもそも、「ユースアンバサダープログラム」ってなんやねんって方もいると思いますので、まずはそこから。

趣旨は、

世界有数のゲーム出版社ウィザーズ・オブ・ザ・コーストが手掛けた、世界最大級のプレイヤー数を誇る知的カードゲーム「マジック:ザ・ギャザリング」を通して、世界を舞台に活躍することを目指す子どもたちを育成・支援するプログラム。

※こちら(https://yap-wizards.com/)より抜粋

ざっくり言うと、私たちが大好きなマジックを子どもたちにももっと知ってもらいたい。そして、せっかくだから、それを通じて多様なことを学んでほしいって感じですね。

テーマは、「世界と遊び、世界を学ぶ」!!

しかも、このプログラム、参加者は無料で米国ツアーに行けちゃうのです。

わおっ、太っ腹!

神河自作 - 考察:デザイン骨格
公式記事には「基本根本」と呼ばれるシリーズがあります。これは、オリジナルエキスパンションを作る人向けに、実際にどのようにカードセットが作成されているかを解説したものです。

Making Magic -マジック開発秘話- 2014.3.12 基本根本:繰り返し
https://mtg-jp.com/reading/mm/0008632/
年に一度、私は「基本根本」と題した記事を書いている。この一連のコラムは、自分でセットを作りたいと思っているプレイヤー向けのものだ。


オリジナルエキスパンションを作るにあたっては、この記事を基本にする人も少なくないと思います。

例えば、最初に「カードコード」「デザイン骨格」を作成する、というものです。

カードコードはカードに割り当てた番号であり、デザイン骨格というのはカードに割り当てた役割のことです。以下の記事に、その例が載っています。

基本根本:デザインの骨格を埋めよう
https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/making-magic/%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E6%A0%B9%E6%9C%AC%EF%BC%9A%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%81%AE%E9%AA%A8%E6%A0%BC%E3%82%92%E5%9F%8B%E3%82%81%E3%82%88%E3%81%86-2011-02-28
CW01 - クリーチャー, 小型
CW02 - クリーチャー, 小型, 飛行, "墓地関連能力"
CW03 - クリーチャー, 小型, 先制攻撃
CW04 - クリーチャー, 小型, 瞬速, 入場 - ライフ回復
CW05 - クリーチャー, 中型, 警戒
CW06 - クリーチャー, 中型, 飛行
CW07 - ソーサリー - トークン生成, 飛行
CW08 - インスタント, パワー強化
CW09 - インスタント, エンチャント除去
CW10 - エンチャント, クリーチャー除去
CU01 - クリーチャー, 小型, 飛行
CU02 - クリーチャー, 小型, 被覆
CU03 - クリーチャー, 中型, 飛行
CU04 - クリーチャー, 大型
CU05 - インスタント, 確定打ち消し, "墓地関連能力"
CU06 - インスタント, 不確定打ち消し
CU07 - インスタント, "バウンス"
CU08 - ソーサリー, カードを引く
CU09 - ソーサリー
CU10 - エンチャント, オーラ, クリーチャー除去
CB01 - クリーチャー, 小型
CB02 - クリーチャー, 小型, 飛行
CB03 - クリーチャー, 小型, 接死, "墓地関連能力"
CB04 - クリーチャー, 中型, 威嚇
CB05 - クリーチャー, 中型, 入場 - 死者再生
CB06 - クリーチャー, 中型
CB07 - インスタント, クリーチャー除去, "墓地関連能力"
CB08 - ソーサリー, 手札破壊
CB09 - ソーサリー, クリーチャーからの吸収
CB10 - エンチャント, オーラ, 有利になる効果, "墓地関連能力"
CR01 - クリーチャー, 小型, 入場 - プレイヤーへの直接火力
CR02 - クリーチャー, 小型, 先制攻撃
CR03 - クリーチャー, 小型
CR04 - クリーチャー, 中型, 速攻
CR05 - クリーチャー, 中型, トランプル
CR06 - インスタント - クリーチャーへの直接火力
CR07 - インスタント - 好きな方への直接火力
CR08 - インスタント - パワーのパンプ
CR09 - ソーサリー - 恐慌, "墓地関連能力"
CR10 - エンチャント, オーラ, 有利になる効果
CG01 - クリーチャー, 小型, "墓地関連能力", 入場 - アーティファクト/エンチャント除去
CG02 - クリーチャー, 小型, 再生
CG03 - クリーチャー, 小型, 接死
CG04 - クリーチャー, 中型, 到達, "墓地関連能力"
CG05 - クリーチャー, 中型
CG06 - クリーチャー, 中型
CG07 - クリーチャー, 大型, トランプル
CG08 - インスタント, パワー/タフネス強化
CG09 - ソーサリー, ライフ回復
CG10 - エンチャント, オーラ, 有利になる効果
CA01 - クリーチャー, 中型
CA02 - 生け贄系効果, マナ関連
CA03 - タップ能力, マナ関連
CA04 - 装備品, パワー/タフネスのパンプ
CA05 - 装備品, 回避
CL01 - {W}を出す
CL02 - {U}を出す
CL03 - {B}を出す
CL04 - {R}を出す
CL05 - {G}を出す


まず、最初にこのようなリストを作って、それに当てはまるようにカードを作っていく方法が推奨されています。

ただ、今回の作成にあたっては、あまり参考にしていません。記事を知らなかったのではなく、知ってた上で敢えてそうしています。

思いついたカードを一通りリストに入れていき、後から全体を眺めて足りない役割のカードを作成し、過剰なカードを削除する、という方針で作成しました。

その方が作りやすそうに感じたからです。また、「カードコード、デザイン骨格なしで作った場合どうなるか」を知りたかったことも理由の1つです。

このやり方でやってみると、とりあえず思いついたカードや作りたいカードをリスト入れて、完成に近づく感触を得やすいので、モチベーションは保ちやすかったのが利点だったと思います。

一方で、最後の枚数調整はかなりの作業量になりました。どの役割のカードがどれぐらいあるべきなのかを調べるのが苦労しました。何をどれだけ入れるかは曖昧かつ、時代によっても変わるので、確証が得にくかったです。

もっとも、最初にデザイン骨格を作る場合も、同様の作業が必要なので、トータルの作業量はあまり変わらないのかもしれません。むしろ、最初にやりやすい作業から始めて、慣れたところで大がかりな作業に取り掛かる方が、楽に感じる可能性もあります。

総じて思うのは、自分にとってモチベーションを維持しやすいやり方だった、と言うことです。

結局は、「やってみよう」という興味本位でやったことであり、完成度は二の次です。「質の低い物は発表しない」「完全に非の打ち所がなくなるまで何年かけてでも練り直す」という気概はありません。そういう意味では、目的に沿った適切な手段だったのでしょう。

『新たなるファイレクシア』のデベロップ記事、の最後にあるアンケート結果です。

翻訳記事その他 2011.5.12 完璧化の展望
https://mtg-jp.com/reading/translated/0003956/
あなたがある程度のカードを持っている、最新のブロックは何ですか?(ある程度というのがどれだけかはお任せします)

ミラディンの傷跡・ブロック1104 35.6%
ゼンディカー・ブロック576 18.6%
アラーラの断片・ブロック298 9.6%
ラヴニカ・ブロック219 7.1%
時のらせん・ブロック157 5.1%
ミラディン・ブロック113 3.6%
ローウィン・ブロック110 3.5%
オンスロート・ブロック83 2.7%
シャドウムーア・ブロック82 2.6%
神河・ブロック72 2.3%
それほどのカードは持っていません.71 2.3%
ウルザ・ブロック59 1.9%
インベイジョン・ブロック43 1.4%
オデッセイ・ブロック37 1.2%
ミラージュ以前36 1.2%
ミラージュ・ブロック26 0.8%
マスクス・ブロック18 0.6%
合計3104 100.0%


単純に考えれば、新しいセット程所持数が多いでしょう。実際、『ミラディンの傷跡』『ゼンディカー』『アラーラの断片』がトップ3です。

ただ、その次は『ローウィン』『シャドウムーア』ではありません。『ラヴニカ』『時のらせん』に加えて、一気に古い『ミラディン』が入っています。相当の人気があったことが伺えます。

『神河物語』はそれよりも新しいセットより上位に来ていません。残念ながらそれほどの人気がなかったと言うことです。これまでの記事からも分かっていたことではありますが。
神河自作 - 考察:製作期間
神河物語のオリジナルエキスパンションver.1.0.が完成しました。去年の12月の1日から始めて、2月末に完成したので、製作期間は約3カ月ということになります。

まず思ったのが、想定以上に時間がかかった、ということです。毎日数枚ずつ作っていけば、最速で1ヵ月ぐらいでも出来そうだと思っていたためです。作り始めてすぐに無理だと分かりました。それでも2カ月ぐらいでならどうにかなりそうだとも思っていましたが。実際はこの通りです。

神河自作 - 方針
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912011905326654/
3.短期決戦
オリジナルカードを作っていき、ゆくゆくは1つのエキスパンションとしてまとめることを考えています。できる限り完成したいのは当然ですが、完成できなかった場合は明確に打ち切りを宣言するようにします。モチベーションのあるうちに作れるだけ作る予定です。


最初に短期間での決着(完成も断念も含む)を予定していました。思ったよりも時間がかかったとはいえ、3か月での完成なら私としては短期と言える範囲です。

と言うよりも、実際にオリジナルエキスパンションを作ってみたらどれくらい時間がかかるのかを知りたい、というのも作る動機の1つにありました。そのため「短期」として、具体的な数字は掲げませんでした。

今後、新しくオリジナルエキスパンションを作る場合も3か月を目安にすると思います。必ずしも3か月以内に完成する、という訳ではありません。3か月経った頃には完成か断念かを判断する、という目安です。

ちなみに、Astral Guildという掲示板では、清純なるミラディンというオリジナルエキスパンションが作成されました。『新たなるファイレクシア』か『清純なるミラディン』が発売される、と事前に発表されていました。そのうち、実際には発売されなかった『清純なるミラディン』をつくろう、という企画です。

【オリエキ作成】清純なるミラディン
http://forum.astral-guild.net/board/21/1531/1-
【オリエキ作成】清純なるミラディン 2スレ目...
http://forum.astral-guild.net/board/21/1538/1-
【オリエキ作成】清純なるミラディン 3スレ目...
http://forum.astral-guild.net/board/21/1544/1-

その場合は、約8カ月半でした。ちなみに、奇しくも拙作と同様に12月01日に開始したものです。

この掲示板では度々オリジナルエキスパンションの制作スレッドが立ち上がるのですが、ほとんどの場合が途中で断念しています。掲示板という形で、多数の匿名を含んでの共同作業は難しい物なのかもしれません。そんな中での貴重な完成例です。

これらのスレッドが立ち上がる前に、別のスレッドで話題に上がった際、短期でやるのがいい、という意見がありました。

Astral人物名鑑
http://forum.astral-guild.net/board/21/287/1-
849 :名も無き者
・新能力語、メカニズムを募集してそれが決まった後飽きちゃう人、気に入らなくて抜ける人が出てくる
・コモン、アンコのつまらないカードを充分枚数作る必要がある
・ボトムアップだから世界観がまとまらない。トップダウンだと人が集まらない

等々オリエキは結構課題が多いからなあ…
ミラディン・ピュアという構想なら世界観の問題は無いけど、コモン・アンコは上の手法だと気長だし皆付いてくるか怪しい。

飽きさせないためにも、1週で全色3枚づつの大体2ヶ月で終わらせるぐらいの短期構想の方が良いかなとは思う。
例えば「各レアリティ各色のクソカード枠」というお題で茶含めれば一度に24枚ピックできる。あとは○○サイクルを募集しつつ同時にコモンアンコ枠も役割決めて募集するとか。


また、オリジナルエキスパンション作成の3スレ目における完成後の議論でも、短期決戦を支持する声はありました。

【オリエキ作成】清純なるミラディン 3スレ目...
http://forum.astral-guild.net/board/21/1544/1-
406 : 塾講師
>>393様
総評というかなんというかですが、間延びしすぎたと感じましたね。
私の生活サイクルに合わせた結果ですが・・・。

もしも次にオリエキ作成主催者になろうという方がいらっしゃる場合には、《鉄は熱い内に打て》と言わんばかりに二ヶ月ぐらいの《短期集中型》でやるといいかもしれません。

最初の方で、短期決戦にすべきとおっしゃっていた方がいましたが、まさに慧眼、と今になって思います。

議論禁止か否か、投稿形式か否か、というのは新主催者さんの判断でいいかと。



460 : 塾講師
あ、>>406に書いたように、次のオリエキ作成を主催される方は、ぜひとも《短期決戦》をお試しになるのがいいと思います。
間延びすると作業感が強まる気がしますので。



539 :名も無き者
>世界設定のみを決めて大型セット1つを作ることが最初の目標。
>それが良ければ続編のストーリーを考える。

大型で300枚は時間がかかるから短期(3〜4ヶ月)で終了する小型パックで一回やってみるのが良いかもな
事前にリストを作るのも300枚は厳しい気がする


こうしたことから言っても、3か月を目安とするのは悪くないと考えます。

< 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 >

 

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

この日記について

日記内を検索