オーラはアドバンテージを失いやすいという欠点から、構築に採用されづらい傾向にあります。

そこで、オーラ強化計画として、様々なオーラが登場しました。神河に登場した、インスタントメント(瞬速をもったオーラ)もその一例です。

それに倣って、ここでもそのようなオーラを考えてみます。


継承される剣術 (1)(白)
エンチャント ― オーラ アンコモン
エンチャント(あなたがコントロールしているクリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーがブロックするかブロックされた状態になるたび、それはターン終了時まで+2/+2の修整を受ける。
エンチャントされているクリーチャーが死亡したとき、あなたはあなたの墓地にある継承される剣術を、そのクリーチャーと同じクリーチャー・タイプを持つクリーチャー1体につけた状態で戦場に戻してもよい。



継承される知識 (1)(青)
エンチャント ― オーラ アンコモン
エンチャント(あなたがコントロールしているクリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーが対戦相手にダメージを与えるたび、あなたはカードを1枚引いてもよい。
エンチャントされているクリーチャーが死亡したとき、あなたはあなたの墓地にある継承される知識を、そのクリーチャーと同じクリーチャー・タイプを持つクリーチャー1体につけた状態で戦場に戻してもよい。



継承される禁術 (1)(黒)
エンチャント ― オーラ アンコモン
エンチャント(あなたがコントロールしているクリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは+3/-1の修整を受ける。
エンチャントされているクリーチャーが死亡したとき、あなたはあなたの墓地にある継承される禁術を、そのクリーチャーと同じクリーチャー・タイプを持つクリーチャー1体につけた状態で戦場に戻してもよい。



継承される祈禱 (2)(赤)
エンチャント ― オーラ アンコモン
エンチャント(あなたがコントロールしているクリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは+2/+0の修整を受ける。
このターン、エンチャントされているクリーチャーによってダメージを与えられたクリーチャーが死亡する場合、代わりにそれを追放する。
エンチャントされているクリーチャーが死亡したとき、あなたはあなたの墓地にある継承される祈禱を、そのクリーチャーと同じクリーチャー・タイプを持つクリーチャー1体につけた状態で戦場に戻してもよい。



継承される武術 (3)(緑)
エンチャント ― オーラ アンコモン
エンチャント(あなたがコントロールしているクリーチャー)
エンチャントされているクリーチャーは+3/+3の修整を受ける。
エンチャントされているクリーチャーがいずれかのクリーチャーに戦闘ダメージを与えるたび、そのクリーチャーをタップする。そのクリーチャーはそれのコントローラーの次のアンタップ・ステップにアンタップしない。
エンチャントされているクリーチャーが死亡したとき、あなたはあなたの墓地にある継承される武術を、そのクリーチャーと同じクリーチャー・タイプを持つクリーチャー1体につけた状態で戦場に戻してもよい。


自動的に戻る効果で、オーラのディスアドバンテージをカバーしやすくしています。

オーラ強化計画以外にも、日本のイメージの1つ「長い伝統」を表すこと、神河は特徴のある部族が多いので部族で揃える動機を与えること、も目的の1つです。一部のオーラは、今回のオリジナルエキスパンションではメインにしなかったメカニズムを部分的に採用するためのデザインとなっています。
神河資料 - 魂力から生まれた出来事 その1
神河資料 - 魂力から生まれた出来事 その1
昨日の話では、魂力のような「クリーチャーとしても呪文としても使えるカード」として濫用の記事を引用しました。
今日も、魂力がベースになったメカニズムの記事について見ていきます。

Making Magic -マジック開発秘話- 2019.9.16 エルドレインに唄えば
https://mtg-jp.com/reading/mm/0033078/

チームは、まず、騎士を探索に活かせられるようなメカニズムを考えようとした。この掘り下げから、最終的には2つのメカニズムを生み出すことになる。そのうち1つは実際にセットに入り、もう1つはセットに入らなかった。まず、セットに入ったメカニズムの話をしよう。(ちなみに、マーク・ゴットリーブ/Mark Gottliebは出来事メカニズムの進化について非常に詳細な記事を書いているので、興味がある諸君はこの記事を読んだあとで読んでみるといいだろう。ここでは手短にまとめておく。)

初期のアイデアの1つが、魂力メカニズムを再録することだった。このメカニズムは『神河救済』で12枚のクリーチャー・カードが持っていたもので、マナを支払ってそのカードを捨てることで呪文効果を発生させることができるというものだった。魂力(あるいは名称変更したバージョン)が、探索中の騎士を表すとしたらどうだろうか。そして、アーロン/Aaronは、追放領域からそのクリーチャーを唱えることができるようにした、魂力的なメカニズムを試すよう提案した。

セットデザイン・チームはそのアイデアを気に入り、検討を始めたのだ。チームが出来事カードのデザインを始めると、マーク・ゴットリーブはそれが本質的に、騎士の探索だけでなくおとぎ話の素材としても上手く働くということに気がついた。実際、落ち着いてみると、出来事カードにはおとぎ話のフレイバーを持つもののほうが多くなっていたのだ。


魂力にせよ濫用にせよ、正確には呪文でなく、起動型・誘発型能力です。しかし、今回の記事にある「出来事カード」は、ちゃんと呪文として使うことができます。そして、その柔軟性とカードパワーから、現在の構築環境でもよく目にするメカニズムとなりました。
顕現カードを数枚作りました。


平穏無事の祈願 (1)(白)
インスタント コモン
このターン、与えられる戦闘ダメージをすべて軽減する。
顕現1 - (白)



学業成就の祈願 (2)(青)
ソーサリー コモン
カードを3枚引き、その後カードを2枚捨てる。
顕現2 - (3)(青)



立身出世の祈願 (1)(黒)
インスタント コモン
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+2/+0の修整を受けるとともに絆魂を得る。
顕現2 - (1)(黒)(黒)



恋愛成就の祈願 (3)(赤)
ソーサリー コモン
クリーチャー1体を対象とする。それをアンタップし、ターン終了時までそれのコントロールを得る。そのクリーチャーは、ターン終了時まで速攻を持つ。
顕現3 - (4)(赤)



健康長寿の祈願 (2)(緑)
インスタント コモン
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+4/+4の修整を受ける。
顕現4 - (3)(緑)(緑)



参拝道
土地 コモン
(T),参拝道を生け贄に捧げる:あなたのライブラリーから基本土地カード1枚を探してタップ状態で戦場に出し、その後あなたのライブラリーを切り直す。
顕現1 - (2)

神河資料 - 平行デザイン
平行デザインの記事を見てみます。
平行デザインというのは、「まったく違うところから始まったのに、結果的に同じデザインに至る」ことのようです。平行デザインが起こる状況の一例を説明する中で、神河の『魂力』を取り上げています。

Making Magic -マジック開発秘話- 2015.4.21 平行デザイン
https://mtg-jp.com/reading/mm/0014807/

平行デザイン#4-異なる手段
今週は濫用特集なので、濫用メカニズムの作られ方について語るのにはまさにもってこいだろう。まず、濫用の元になった2つの別々のデザインについて見ていこう。1つめが作られたのは2000年、我々が『オンスロート』に取り組んでいた時期のことだ。『オンスロート』ブロックのデザインにはかなりの紆余曲折があったが(このことについてはいつか記事にしたいと思っている。Podcastではすでに公開している(リンク先は英語・音声ファイル)ので、興味があれば聞いてみてくれたまえ)、今回重要なのは私がそのブロックで部族テーマを強く推していたことである。

部族がテーマとして成立するということが証明されるより前のことなので、プレイヤーが部族を楽しむだろうと信じている理由について説明しなければならなかった。その説明の中で、部族が成立すると示すのに十分な量のカードやメカニズムをデザインする必要があったのだ。私は最初に、既存の方法をすべて掘り下げていくことから始めた。クリーチャーのロードを作り、特定のクリーチャー・タイプを対象とするカードを作り、特定のクリーチャー・タイプが一定数必要なカードを作った。数多くのクールなデザインを作ったが、作っている効果が複雑になりすぎているということに気がついたのだ。

たとえば、呪文が特定のクリーチャー・タイプの枚数を数えるものであったり、特定のクリーチャー・タイプだけを対象にするものであったり、単純に文章が長いものだったりした。私は部族という環境下で、単純で基本的な効果をもたらせるようなメカニズムを必死で探した。そしてあるとき、私は新しい方法論に気づいたのだ。分割カードで、半分がインスタントやソーサリー、残り半分がそのクリーチャー・タイプのクリーチャー。これでゾンビかゾンビ系呪文、というものを作ることができる。あとの小さな問題は、分割カードではパーマネントを扱えないということだけだった。

ルール上不可能な発想が出てきたのだから、それをなんとかして実現できる方法を探すことになる。必要なのは、クリーチャーとしても呪文としても使えるようなカードだ。モードを持つ呪文で、そのモードの1つでトークンを作る、という方法もあるが、それではそのメカニズムのできることは大きく損なわれてしまう。私は、マナを支払って捨てることで効果を生み出せるクリーチャー・カードを掘り下げていった。この部分には『神河救済』の「魂力」メカニズムが存在していたが、私自身その出来に満足していなかったのだ。


「クリーチャーとしても呪文としても使えるカード」の一例として、魂力が引き合いに出されています。残念ながら評価は芳しくないようですが。

ここでは濫用というメカニズムに至っていますが、濫用は正確には呪文ではなく能力です。さらに後には、文句なく「クリーチャーとしても呪文としても使えるカード」と言えるカードが登場します。その時にも魂力について触れられていますが、後日に話します。

赤の侍カードを数枚作りました。
侍の戦闘の達人という面を表すことや、赤のアーティファクト・シナジーを意識しています。


野武士 (1)(赤)
クリーチャー - 人間・侍 コモン
野武士が戦場に出た時、刀剣・トークンを1つ生成する。
進撃
2/1



逆賊の先導、利部 (2)(赤)
伝説のクリーチャー - 人間・侍 アンコモン
逆賊の先導、利部が戦場に出た時、刀剣・トークンを1つ生成する。
逆賊の先導、利部が伝説のパーマネントに戦闘ダメージを与える場合、代わりにそのダメージに2を加えた点数のダメージを与える。
2/2



向こう見ずな浪人 (2)(赤)
クリーチャー - 人間・侍 コモン
向こう見ずな浪人が戦場に出た時、刀剣・トークンを1つ生成する。
速攻、進撃
2/2



紅刃二刀流、火村 (2)(赤)(赤)
伝説のクリーチャー - 人間・侍 レア
進撃
紅刃二刀流、火村が戦場に出たとき、刀剣・トークンを2つ生成する。
(1)(赤),アーティファクトを1つ生け贄に捧げる:クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。紅刃二刀流、火村はそれに2点のダメージを与える。
3/2



逆落としの浪人 (3)(赤)(赤)
クリーチャー - 人間・侍 アンコモン
逆落としの浪人が戦場に出たとき、刀剣・トークンを1つ生成する。
アーティファクトを1つ生け贄に捧げる:逆落としの浪人は各対戦相手とそのプレイヤーがコントロールしている各クリーチャーと各プレインズウォーカーにそれぞれ1点のダメージを与える。
3/3



剛剣の万次郎 (3)(赤)(赤)
伝説のクリーチャー - 人間・侍 レア
剛剣の万次郎が戦場に出たとき、刀剣・トークンを2つ生成する。
(1)(赤),アーティファクトを1つ生け贄に捧げる:ターン終了時まで、剛剣の万次郎が戦闘ダメージを与える場合、代わりにそれはその2倍のダメージを与える。
3/3



流浪人 (2)(赤)
クリーチャー - 人間・侍 アンコモン
流浪人が戦場に出たとき、刀剣・トークンを1つ生成する。
あなたのアップキープの開始時に、プレイヤー1人のライフが他の各プレイヤーよりも多い場合、その最も多いライフを持つプレイヤーは流浪人のコントロールを得る。
3/3



剣折りの武人 (4)(赤)
クリーチャー - オーガ・侍 コモン
剣折りの武人が戦場に出たとき、刀剣・トークンを1つ生成する。
アーティファクトを1つ生け贄に捧げる:剣折りの武人はターン終了時まで+3/+0の修整を受ける。
2/4



腕試しの浪人 (5)(赤)
クリーチャー - オーガ・侍 コモン
腕試しの浪人は可能ならブロックされなければならない。
4/4


神河資料 - メカニズムのレアリティ
エキスパンションのテーマに沿ったカードは、大量に含まれる傾向にあります。しかし、その複雑さなどからレアリティに留意すべきケースが出てきます。

Making Magic -マジック開発秘話- 2014.10.7 量の調整
https://mtg-jp.com/reading/mm/0011241/

量が増えたなら
さて、気に入ったメカニズムなりテーマなりができたら、次はそれがどれぐらい必要かを決める番だ。自問すべき質問はこうなる。
(中略)
#4 - そのメカニズムを入れるレアリティはどうするか
基本的に、そのカード群がコモンに多ければ開封比は大きくなるため、レアリティは開封比を定める上で鍵となる。メカニズムをどこに置くかを慎重に定めることで、開封比を調整することができるのだ。開発部は毎セットこれをおこなっている。問題の構成要素を見付け、それをそれぞれ配置しているのだ。

いよいよ新世界秩序が重要になる部分にさしかかったので、その話をしよう。新世界秩序の下では、コモンに存在する複雑さの量を制限することで初心者がマジックに入りやすくなるようにしている(一言では言い表せない部分もあるので、新世界秩序について知らない諸君は私の書いたこの記事を読んでもらいたい)。

新世界秩序は、コモンで使えるメカニズムを定めているので重要である。量を考える上で重要になる理由は、コモンにカードを作らなければ一定量のカードを入れることが難しいからである。最終的には、メカニズムの量を揃えるために新世界秩序を破らなければならないということがしばしば生じるのだ。

コモンに存在しないメカニズムで一定の開封比を持つメカニズムも存在するが、そのためにはアンコモンを相当それに寄せなければならない。一般に、テーマがほとんどレアでのみ生じる(『神河物語』ブロックでの伝説のクリーチャーというテーマがその一例だ)場合、そのテーマはプレイヤー、特に、それほど大量のカードを買わないプレイヤーの目に触れることもなく終わることになる。


神河ブロックのテーマは伝説でした。そこで、(当時は神話レアがないので)レアのクリーチャーはすべて伝説にする試みを行ったのです。しかし、コラムに書かれている通り、それではよほど大量に買わないと目にする機会は多くありません。

メカニズムを高いレアリティでやるのがダメ、という訳ではありません。そうするとプレイヤーの目に触れにくいことに注意するべき、ということです。神河ブロックは、それを中心的テーマの「伝説」でやってしまったことが大きな失敗でした。

黒の侍カードを数枚作りました。


鬼の家来 (1)(黒)
クリーチャー - ネズミ・侍 コモン
鬼の家来が戦場に出た時、刀剣・トークンを1つ生成する。
絆魂
1/1



黒刃の侍 (黒)(黒)
クリーチャー - 人間・侍 アンコモン
黒刃の侍が戦場に出た時、刀剣・トークンを1つ生成する。
黒刃の侍が1体以上の白のクリーチャーをブロックするか、1体以上の白のクリーチャーによってブロックされた状態になるたび、それはターン終了時まで+2/+2の修整を受ける。
2/2



竹沼の浮浪者 (2)(黒)
クリーチャー - ネズミ・侍 コモン
竹沼の浮浪者が戦場に出た時、刀剣・トークンを1つ生成する。
3/1



百人斬りの辻風 (1)(黒)(黒)
伝説のクリーチャー - 人間・侍 レア
これが戦場に出た時、刀剣・トークンを1つ生成する。
(黒),クリーチャー1体を生け贄に捧げる:クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは-X/-Xの修整を受ける。あなたはX点のライフを失う。Xは、生け贄に捧げられたクリーチャーのパワーである。
2/2



非道な追い剝ぎ (3)(黒)
クリーチャー - 人間・侍 コモン
非道な追い剝ぎが戦場に出た時、刀剣・トークンを2つ生成する。
進撃
2/2



沼居の物あさり (3)(黒)
クリーチャー - 人間・侍 アンコモン
(黒),(T):いずれかの墓地にある侍・クリーチャー・カード1枚を対象とし、それを追放する。刀剣・トークンを1つ生成する。
2/3



直前のミラディンブロックと、神河ブロックのシナジーについてです。

Latest Developments -デベロップ最先端- 2013.10.21 ブロック間シナジー――『テーロス』の場合
https://mtg-jp.com/reading/translated/ld/0004155/

昨今のデザインとデベロップにおいて最も重要な部分の1つは、ブロックを越えたシナジーを作って互いのセットがスタンダード内でよくプレイされるようにすることですが、それはまたスタンダードのローテーションのときに多くの変化をもたらします。多種多様に変化するメタゲームは健全なメタゲームと言えます。

過去何年かを振り返ってみると、これが破綻しているところはすぐに見つかります。なぜなら、我々は推したいデッキをそのブロックの中のカードだけで強力なものにしようと一生懸命取り組んでいたからで、よって多くの「ブロックの怪物」はそのブロックの外部からのカードを基本的に必要とすることなくスタンダードで競技レベルのデッキになってしまいました。そして、いったんそのブロック内の関連するカードを導入すると、圧倒的な差をつけてスタンダードの最強のデッキになってしまいました。

これの最も明白な例は「親和」で、これは隣接する『オンスロート』ブロックや『神河』ブロックのカードをほとんど使いませんでしたが、《電結の荒廃者》が印刷されてからデッキほぼそのものが禁止されるまでの間、常にスタンダード最強のデッキの座に君臨し続けました。このブロックがブロック内で機能するよう作られていたことは間違いありませんが、ローテーションすることでその問題を解決できるものは何もありませんでした。またスケジュールの関係上、我々が本当に強力な対策カードをスタンダードに投入できたのは『神河救済』で、実際に影響を与えるには余りにも遅すぎました。


ブロックごとにテーマがありますから、そのブロック内でシナジーがあるのは自然なことです。ブロック内のメカニズムを主軸にしたデッキが活躍することは、むしろそうであって欲しいと言えます。

しかし、その他のブロックとのシナジーも必要です。新セットを出してもデッキが代り映えしないとなれば硬直的過ぎます。かと言って、新しいデッキが旧デッキを駆逐してしまうのもやり過ぎです。

直前のブロックの強すぎたデッキへの対策カードや、弱いデッキを強化するカード、新しいデッキの核となるカードなどがバランスよく入ることが理想的ですが、中々そうはいかないのは、今も昔も変わっていないと言えます。

白の侍カードを数枚作りました。
侍の「忠義を重んじる」という面を表すことや、白の装備品シナジーを意識しています。


熟練の蛾乗り (1)(白)
クリーチャー - 人間・侍 コモン
熟練の蛾乗りが戦場に出た時、刀剣・トークンを1つ生成する。
飛行
1/1



新参の護衛 (1)(白)
クリーチャー - 人間・侍 アンコモン
新参の護衛が装備しているかぎり、それは+2/+2の修正を受けるとともに警戒を得る。
0/2



忠義の侍 (白)(白)
クリーチャー - 狐・侍 アンコモン
忠義の侍が戦場に出た時、刀剣・トークンを1つ生成する。
対戦相手が、あなたか、あなたがコントロールしている伝説のパーマネントを対象とする呪文を唱えるコストは(2)多くなる。
2/2



白刃の侍 (白)(白)
クリーチャー - 人間・侍 アンコモン
白刃の侍が戦場に出た時、刀剣・トークンを1つ生成する。
白刃の侍が1体以上の黒のクリーチャーをブロックするか、1体以上の黒のクリーチャーによってブロックされた状態になるたび、それはターン終了時まで+2/+2の修整を受ける。
2/2



永岩城の護衛 (1)(白)
クリーチャー - 人間・侍 アンコモン
防衛
永岩城の護衛が戦場に出た時、刀剣・トークンを1つ生成する。あなたが伝説のクリーチャーをコントロールしている場合、代わりに刀剣・トークンを2つ生成する。
0/4



師範代、銀次 (1)(白)
伝説のクリーチャー - 人間・侍 レア
師範代、銀次が戦場に出た時、刀剣・トークンを1つ生成し、これにつける。
他のクリーチャーがあなたのコントロール下で戦場に出るたび、あなたは(1)(白)を支払ってもよい。そうした場合、刀剣・トークンを1つ生成し、そのクリーチャーにつける。
2/1



盟友、九郎衛門 (1)(白)
伝説のクリーチャー - 人間・侍 レア
盟友、九郎衛門が戦場に出た時、刀剣・トークンを1つ生成する。
あなたが唱える侍・呪文は、それを唱えるためのコストが(1)少なくなる。
あなたが支払う刀剣・トークンの装備コストは(1)少なくなる。
1/1



先陣の狐 (2)(白)
クリーチャー - 狐・侍 コモン
先制攻撃
先陣の狐が戦場に出た時、刀剣・トークンを1つ生成する。
2/2



今田の懐刀、尾森 (1)(白)(白)
伝説のクリーチャー - 狐・侍 レア
今田の懐刀、尾森が戦場に出るか、クリーチャーをブロックするたび、刀剣・トークンを1つ生成する。
警戒
1/4



捨て身の侍 (3)(白)
クリーチャー - 人間・侍 コモン
(1)(白),捨て身の侍を生け贄に捧げる:攻撃クリーチャー1体かブロック・クリーチャー1体を対象とする。これはそれに自身のパワーに等しい点数のダメージを与える。
4/2



つむじ風の侍 (3)(白)
クリーチャー - 人間・侍 コモン
つむじ風の侍が装備しているかぎり、それは飛行を持つ。
3/3



正当な侍 (3)(白)
クリーチャー - 人間・侍 アンコモン
正当な侍か他の侍が死亡するたび、刀剣・トークンを1つ生成する。
2/3



恩義に報いる者、石田 (3)(白)
伝説のクリーチャー - 人間・侍 アンコモン
恩義に報いる者、石田が戦場に出た時、刀剣・トークンを2つ生成する。
恩義に報いる者、石田を生け贄に捧げる:あなたがコントロールする侍・クリーチャーは、ターン終了時まで破壊不能を得る。
3/3



殿部隊 (4)(白)
クリーチャー - 人間・侍 コモン
殿部隊を生け贄に捧げる:あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
4/4



輝刃の狐 (4)(白)
クリーチャー - 狐侍 コモン
輝刃の狐が戦場に出た時、刀剣・トークンを1つ生成する。
輝刃の狐が戦場に出た時、クリーチャー最大X体を対象とし、それらをタップする。Xはあなたがコントロールする刀剣・トークンの数に等しい。
2/3



大将軍、榊原 (3)(白)(白)
伝説のクリーチャー - 人間・侍 レア
大将軍、榊原が戦場に出た時、刀剣・トークンを1つ生成する。
大将軍、榊原が攻撃するたび、あなたがコントロールする装備している侍・クリーチャーはターン終了時まで二段攻撃を得る。
3/3



侍の後継者 (4)(白)(白)
クリーチャー - 人間・侍 アンコモン
あなたがコントロールするクリーチャーが死亡するたび、それにつけられていた装備品すべてをこれにつける。
4/4



当主、今田秀政 (4)(白)(白)
伝説のクリーチャー - 人間・侍 神話レア
この呪文を唱えるためのコストは、あなたがコントロールする侍・クリーチャー1体につき(1)少なくなる。
当主、今田秀政が戦場に出るか攻撃するたび、あなたがコントロールする侍・クリーチャー1体を対象とする。刀剣・トークンを1つ生成し、それにつける。
4/4


神河のモチーフについてです。

翻訳記事その他 2011.1.12 メールが繋ぐもの
https://mtg-jp.com/reading/translated/0003917/

神河は日本の民間伝承だけではなく、サムライについての研究や日本の歴史上の社会規範を元にした世界だ。


テーロスがギリシャ神話、アモンケットがエジプト神話をモチーフにしたように、神河は日本神話をモチーフにしています。それだと、和風ファンタジーでの定番である、侍や忍者は出せなくなってしまうので、他のものも混ぜたのでしょう。どちらかに割り切るとしたら、馴染み深さを考慮して後者ではないかと思います。

忍者カードを数枚作りました。


大凧の忍び (3)(青)
クリーチャー ― 人間・忍者 コモン
飛行
2/4

忍者ものでよくある、大凧にのる忍者です。



朧宮の侵入者 (2)(青)
クリーチャー ― 人間・忍者 コモン
忍術(1)(青)
朧宮の侵入者がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーは自分のライブラリーの一番上から4枚のカードを自分の墓地に置く。
2/2

リミテッドの横道戦略「ライブラリーアウト」用です。



深き夜の忍び (3)(黒)
クリーチャー ― ネズミ・忍者 アンコモン
忍術(1)(黒)
深き夜の忍びがプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーはカードを1枚捨てる。
2/2

《深き刻の忍者》の対になるものです。



屋根裏の忍び  (5)(黒)
クリーチャー — ネズミ・忍者 
接死
(3)(黒),このカードをあなたの手札から公開する:あなたがコントロールする、ブロック・クリーチャー1体を対象とする。そのクリーチャーを手札に戻し、そのクリーチャーがブロックしていたクリーチャーをブロックしている状態で屋根裏の忍びを戦場に出す。
4/5

ブロック時に使える忍術のようなものです。テキストがこれで機能するか自信はありません。



新緑の頭領、小太郎 (4)(緑)(緑)
伝説のクリーチャー - 人間・忍者
忍術(3)(緑)(緑)
新緑の頭領、小太郎がプレイヤーに戦闘ダメージを与えるたび、あなたは、あなたのライブラリーの一番上からカードを5枚見る。あなたはその中からクリーチャー・カード1枚を戦場に出してもよい。残りをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。
5/5

口寄せの術をイメージした忍者です。

今回は以上です。
神河資料 - 伝説のバニラ・クリーチャー
神河資料 - 伝説のバニラ・クリーチャー
伝説のバニラ(能力を持たないクリーチャー)についてです。

Making Magic -マジック開発秘話- 2018.5.1 『ドミナリア』での話 その3
https://mtg-jp.com/reading/mm/0030528/

《アーボーグの暴食、ヤーグル》
『神河物語』のあるデベロップ会議の間に(私は同セットのデザイン・チームには参加していなかったが、デベロップ・チームに参加していた)、我々はそのセットのすべてのレア・クリーチャーを伝説のクリーチャーにし、さらにアンコモンの一部もそうするということについて話していた。

誰が言ったかは忘れたが、そのとき誰かが伝説のバニラ・クリーチャーはデザインできない、と言ったのだ。私はできると答え、そして相手の主張が間違っていると証明するため、《今田家の猟犬、勇丸》をデザインした。

『ドミナリア』も伝説をテーマとしたセットなので、再び伝説のバニラ・クリーチャーという問題が浮上してきた。今回の解決策は、これまでバニラ・クリーチャーで存在したことがないだけでなく、マジック史上にも存在しなかった唯一のパワー/タフネスの組み合わせにするというものだった。最終的に、9/3に決まった。これが黒になったのは、(カラー・パイ的には赤でもあり得たが)黒がふさわしい場所だと感じられたからである。蛙・スピリットというフレイバーづけはあとで行なわれたものだと思う。


伝説のクリーチャーというと、派手な効果や、デッキの中核になる能力などがつくことがあります。あるいは、ストーリーのフレイバーを再現するような能力も目にするでしょう。それだけに、伝説のバニラ・クリーチャーをわざわざ作ることは普通ありません。

伝説をテーマにした神河やドミナリアでならではのカードと言えます。また、「伝説」が初登場した、レジェンドでは伝説のバニラが何枚も収録されました。残念ながら「2色6マナで5/5」の《Torsten Von Ursus》のように、割に合わないものが多かったのですが。
伝説のドラゴン・スピリットサイクルのリメイクを考えてみました。
ネーミングはいいのが思いついたら、修正する予定です。


超新星、陽星 (4)(白)(白)
伝説のクリーチャー ― ドラゴン・スピリット
飛行
超新星、陽星が死亡したとき、無色の1/1のスピリット・クリーチャー・トークンを5体生成する。あなたは5点のライフを得る。
5/5



超新星、京河 (4)(青)(青)
伝説のクリーチャー ― ドラゴン・スピリット
飛行
超新星、京河が死亡したとき、点数で見たマナ・コストが5以下のすべての土地でないパーマネントをオーナーの手札に戻す。
5/5



超新星、黒瘴 (4)(黒)(黒)
伝説のクリーチャー ― ドラゴン・スピリット
飛行
超新星、黒瘴が死亡したとき、各対戦相手は、カードを5枚無作為に選んで捨てる。
5/5



超新星、流星 (4)(赤)(赤)
伝説のクリーチャー ― ドラゴン・スピリット
飛行
超新星、流星が死亡したとき、あなたのライブラリーの一番上から5枚のカードを追放する。次のあなたのターンの終了時まで、あなたはそれらのカードをプレイしてもよい。
5/5



超新星、珠眼 (4)(緑)(緑)
伝説のクリーチャー ― ドラゴン・スピリット
飛行
超新星、珠眼が死亡したとき、あなたのライブラリーから点数で見たマナ・コストが5以下のクリーチャー・カードを1枚探し、それを戦場に出す。その後、あなたのライブラリーを切り直す。
5/5


以前のサイクルは《潮の星、京河》のみ能力に「5」が入らなかったので、今度は「5」絡みの能力で揃えました。
どのぐらいの強さがいいのか、調整が難しい所です。序盤の小型生物ならともかく、終盤で出てくる大型生物の死亡誘発はどこまで当てになるのか検討がつきません。

除去するかどうかは相手次第ですから、死亡誘発は「相手に選択権のあるカード」という側面もあります。一方で、生け贄に捧げるカードと組み合わせることで、能動的に誘発させることもできるのが面白いところですが。実際、その手のデッキは度々登場しており、旧サイクルの《明けの星、陽星》は《よりよい品物》などとのコンボで活躍しました。
こう考えると、生け贄に捧げるカードの調整にも影響するかもしれません。
神河資料 - 《空虚自身/One with Nothing》の複雑さ
今回は、『神河救済』の《空虚自身》についてです。


空虚自身 (黒)
インスタント
あなたの手札を捨てる。


Making Magic -マジック開発秘話- 2014.4.9 レンズ状のデザイン
https://mtg-jp.com/reading/mm/0008676/

理解上の複雑さ
4つめに、文章はわかるが求めていないことをするように見える場合。この場合にもプレイヤーは混乱することがある。この典型例が、『神河救済』の《空虚自身》だ。

《空虚自身》に書かれている文章自体は短いが、多くのプレイヤーを困惑させるものだった。なぜか? なぜなら、このカードに書かれている内容が、なぜそんなことをしなければならないのか理解できない類のものだったからである。プレイヤーは文章を読み、そしてその使い道が理解できず、自分が誤解しているに違いないと考え、完全に理解しているにもかかわらず理解できていないと思ったのだ。

このどの場合においても、経験の浅いプレイヤーはルール文章を読み、そしてそのカードの使い方がわからなくて立ち止まらされることになる。


タイトルの「レンズ状のデザイン」とは、「新規プレイヤーにとっては単純だが経験を積んだプレイヤーにとってはより複雑なに見えるデザイン」ということです。
そして、「複雑さとは?」という説明で《空虚自身》が引き合いに出されました。

このカードには、《混沌の掌握》や《生き写し》のような文章の難解さはありません。しかし、「そんなことしてどうするの?」という点が意味不明です。
単体では何もしないどころか自殺行為でしかありません。そこで、コンボやピンポイントな状況での対策カード、という使い方がある程度考えられ、実践されています。

「こういったカードの使い道を探すのも楽しい」というプレイヤーも皆無ではありません。そういった楽しみも許容するのがマジックの懐の広さだと思います。
伝説関連は中心テーマではありませんが、関係したカードは何枚か作成しようと考えています。例えば以下のようなものです。


幻滅 (青)
インスタント
伝説の呪文1つか伝説のパーマネント1つを対象とし、それをオーナーの手札に戻す。



英雄伝 (3)(青)(青)(青)
伝説のエンチャント
あなたは、あなたの手札から伝説の呪文を、それらのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。


統率者戦の人気により、伝説クリーチャーへの需要は神河の時代とは大きく変わっています。伝説クリーチャーの持つ能力も、その点を意識したものになるでしょう。
また、伝説をテーマとしたデッキが組みたくなるような伝説関連カードを考えたいところです。
神河資料 - 神河救済のテーマ
神河ブロックの第3セット『神河救済』についてです。

Making Magic -マジック開発秘話- 2013.5.8 3つ目には福がある
https://mtg-jp.com/reading/mm/0004227/

神河救済(神河ブロック)
神河救済もまた、大転換の流れに乗っていた。このセットには「手札のカード」という大テーマが存在し、いくつもの新メカニズムや能力語が導入された。それらはどれもブロックの中でそれまで意味を持っていたものではなかった。


第3セットにはデザイン上の難点があります。
第1・2セットと同じ次元である以上、テーマやメカニズムに一貫性が必要です。しかし、全く同じでは、詰まらないものになってしまいます。
神河救済では、思い切って大きく変化させる方向だったようです。ただ、この手の試みはあまり成功したとはいいがたいです。この「手札のカード」というテーマを扱ったカードは採用実績が芳しくありません。

それから時が経ち、ブロックのあり方自体が何度も大きく変化を経て、いまではブロックという概念自体が廃止されました。

Astral Guildのオリカスレ(※1)で、神河やスピリットがテーマの時に投稿したネタの再利用です。


過酷な祟り神 (1)(白)
クリーチャー - スピリット
発生源1つが過酷な祟り神にダメージを与えるたび、その発生源のコントローラーはこのターン、呪文を唱えられない。
1/3



無神経な祟り神  (4)(青)
クリーチャー - スピリット
発生源1つが無神経な祟り神にダメージを与えるたび、その発生源のコントローラーのパーマネント1つを対象とする。パーマネント1つを対象とし、それをタップする。それはそれのコントローラーの次のアンタップ・ステップの間にアンタップしない。
2/5



残酷な祟り神  (2)(黒)
クリーチャー - スピリット
発生源1つが残酷な祟り神にダメージを与えるたび、その発生源のコントローラーは手札を1枚捨てる。
2/2



粗暴な祟り神 (3)(赤)
クリーチャー - スピリット
発生源1つが無神経な祟り神にダメージを与えるたび、これはその発生源のコントローラーに3点のダメージを与える。
3/2



残忍な祟り神 (5)(緑)
クリーチャー - スピリット
発生源1つが残忍な祟り神にダメージを与えるたび、あなたは(緑)を支払ってもよい。そうした場合、その発生源のコントローラーがコントロールするアーティファクト1つを対象とし、それを破壊する。
4/4


スピリットクラフトの開発時の仮呼称が「たたり/Tatari」であることから発想した能力です。激昂とは似ていますが、微妙に異なります。自分でダメージを与えるような場合、自分にペナルティが発生します。また、ネーミングから、基本的にペナルティを与える能力にします。作るのは数枚程度の予定なので、能力語にはしません。


※1
【オリエキ】議論スレ【神河争乱】
http://forum.astral-guild.net/board/21/1550/1-
【オリエキ】神河争乱【投稿スレ】
http://forum.astral-guild.net/board/21/1551/1-
神河資料 - お休みランド
神河資料 - お休みランド
神河資料 - お休みランド
マジックは各セットに2色土地をサイクルで入れるのが通例になっています。神河での2色はお休みランドでした。

Making Magic -マジック開発秘話- 2017.2.28 2色への準備完了
https://mtg-jp.com/reading/mm/0018443/

修正版友好色お休みランド(『神河物語』)
このサイクルは『テンペスト』の修正版友好色お休みランドの新カード名での再録である。カード名は神河の世界に合わせて選ばれているが、クリエイティブ的に調整すれば他の世界でも再録できるようになっている。



頂雲の湖
土地
(T):(◇)を加える。
(T):(青)か(白)を加える。頂雲の湖は、あなたの次のアンタップ・ステップにアンタップしない。



再録できるとはありますが、再録されたことはありません。単純に使用実績がよくないためでしょう。タップインで一回だけ使えないのも大きなデメリットなのに、それが何度も起こるのが痛すぎます。神河ブロック構築のように、カードプールが狭いとさすがに使用されていましたが。
神河の緑には蛇が多数いました。蛇といっても、手足があるので、いわゆる亜人種族です。ただ、タルキールやアモンケットの蛇亜人種族「ナーガ」とは区別されているようです。

メカニズムとしては、マナ生成能力や土地に関する能力、戦闘ダメージ誘発でクリーチャーをタップ&アンタップ妨害など、あまり統一性はありませんが、似たような能力を持つものが多いです。
マナや土地に関しては、蛇固有の能力と言うより、緑でよくある能力を割り振ったものでしょう。
特徴的なのは、アンタップ妨害です。緑には《樹根》などの例が一応はありますが、緑の能力と言うよりは白や青のイメージが強いものです。過去の蛇カードにも類似したものはありません。

また、蛇と言うと、《大蛇の大魔導師、かせ斗》が統率者2015で新しく作られています。


大蛇の大魔導師、かせ斗 (1)(緑)(青)
伝説のクリーチャー — 蛇・ウィザード
(緑)(青):クリーチャー1体を対象とする。このターン、それはブロックされない。そのクリーチャーが蛇であるなら、ターン終了時までそれは+2/+2の修整を受ける。
2/2


かせ斗が緑青の蛇ということもあって、今回は蛇を青にも作ります。
メカニズムもシナジーを考えたいところですが、ちょっとした問題があります。
蛇のアンタップ妨害はクリーチャーにダメージを与えた時に誘発するものが多かったので、それとはシナジーしていません。サボタージュ能力でマナを生成する蛇もいるので、そちらとは相性がいいのですが……。
蛇のメカニズムについては、緑の基本的な能力はいいとして、アンタップ妨害の採用は一旦見送る方針です。採用するとしたら、少しひねった形にします。

あるいは、前回の記事にも書いた通り、種族よりも職業の方で、メカニズムをそろえることにするかもしれません(その場合、ムーンフォークのメカニズムも、ウィザードにシフトすることになるでしょう)。

例えば以下のようなカードです。


吹き矢の忍び  (1)(緑)(緑)
クリーチャー - 蛇・忍者
あなたがコントロールする忍者は「このクリーチャーは、それがブロックされなかったかのようにその戦闘ダメージを割り振られる」ことを選んでもよい。
2/2


今回は以上です。
神河資料 - 陣営のデザイン
神河資料 - 陣営のデザイン
神河では神との闘いが描かれました。
こういう場合、それぞれの陣営において、ある程度メカニズムを作るようです。

Making Magic -マジック開発秘話- 2014.5.7 きらきら星
https://mtg-jp.com/reading/mm/0008841/

マジックの、2陣営による戦争を描いたブロック(『インベイジョン』『神河物語』『ミラディンの傷跡』『テーロス』)では、それぞれの陣営ごとにまとまりをつけるようなメカニズムを作ろうとするものですか?

普通はそうする。メカニズムの主な目的の1つが、セットが作ろうとする感覚を補強するということである。セットに何らかの陣営が存在するなら、各陣営にはキーワードを与え、そしてデザインが構造を補強できるようにするのだ。戦争とは本質的に2つの陣営をデザインすることなので、そうしない理由がなければ、我々は戦争の各陣営にそれぞれのメカニズムを与えることになる。


神河でもそうされていましたが、その出来栄えは若干問題があったようです。

Making Magic -マジック開発秘話- 2018.10.16 陣営構築
https://mtg-jp.com/reading/mm/0031266/

『神河物語』ブロック
陣営:定命の者(全色)、神(全色)
『神河物語』ブロックは神河世界を舞台としており、(ほとんどの2陣営ブロックがそうであるように)対立を軸とした2陣営のブロックである。この対立は、物理世界の定命の者と、精神世界の神(クリーチャー・タイプで言うとスピリット)の間のものである。

陣営の評価:C
各陣営にはメカニズム的独自性があるが、それらのメカニズムはそれぞれの陣営、特に、クリーチャー・タイプでメカニズム的に区別されていた定命の者に濃い雰囲気を与えることはできていなかった。


確かに、神河の部族は、侍、忍者、ムーンフォーク、オーガとデーモン、蛇などそれぞれメカニズムを持つものがありました。侍や忍者は職業ですが、ムーンフォークや蛇などは種族なので、その点でも若干アンバランスな気がします。職業は日本の独自色が強いので、そちらを軸としてメカニズムを割り振る方がスッキリするかもしれません。

< 36 37 38 39 40 41 42 43

 

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

この日記について

日記内を検索