神河当時 - 土地と種族のコンセプトアート
2020年4月18日 Magic: The Gathering
昨日の記事の続きです。
他の画像は引用元の記事を参照してください。
神河の主要種族は狐、ムーンフォーク、ネズミ、ゴブリン、蛇です。この記事では、一徳氏が話した民間伝承がもとになって、それが決定されたように見えます。ただ、他の記事を読むとそれだけが理由ではないようですが。
ヒューはこの新しい世界に素晴らしいキャラクターやクリーチャーを生み出すのに大忙しでした。以下はその初期のアイデアのいくつかです。これは“蛮族の王”と彼の猟犬、それと初期のオーガのコンセプトスケッチです。
“蛮族の王”とオーガのコンセプト(画像1枚目)
私はロブの神河の土地のコンセプトを始めて見たときのヒューやアンソニーや一徳の顔をまだ覚えていますね。
我々はミラディンの素晴らしい金属の世界に続く素晴らしく瑞々しい風景を神河に与えるつもりだったのですが、その仕事にロブはぴったりでした。彼は奇妙な“クレーターだらけの平原”や、魔法の滝とそこに浮かぶ島々、暗く不気味な竹林の沼地、古代のシーダー杉に覆われた森や凍りついた遥かに高い山の頂などを生み出したのです。それは実に素晴らしいものでした。以下は最初のコンセプトスケッチです。
神河の平地のコンセプト(画像2枚目)
神河の島のコンセプト
神河の沼のコンセプト
神河の山のコンセプト
神河の森のコンセプト
その後、我々は神河に特有の新しい種族を生み出すことになりました。とある昼休み、我々のテーブルで一徳が我々に話してくれたのは、“月人”という月に住む種族にまつわる民俗伝承で、彼らが空を降りて地上へやってくるという物語でした。また彼は、小さくて悪戯好きな悪鬼や、賢くて魔法を使う狐の話を語ってくれました。私はその物語にはまり込み、その結果5種類の新しい種族が生まれました。白の狐人、青の月人(空民)、黒の鼠人、赤の悪忌、緑の大蛇人です。
狐人のコンセプト(画像3枚目)
月人のコンセプト
鼠人のコンセプト
悪忌のコンセプト
大蛇人のコンセプト
そして全員の努力の後、我々は神河のスケッチをすべて壁に張り、一歩下がってそれをみんなで眺めました。我々はやり遂げたのです! 我々は独自の、正真正銘の、それでいてマジック的ファンタジーである物を作り上げたのです。
神河物語のコンセプトイラストチーム
我々が作り上げた世界を、同じぐらいあなたたちが楽しんでくれることを願っています!
——ジェレミー・クランフォード
引用元
舞台裏から:神河世界の創造 更新日 Feature on 2004年 9月 6日
https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/feature/%E8%88%9E%E5%8F%B0%E8%A3%8F%E3%81%8B%E3%82%89%EF%BC%9A%E7%A5%9E%E6%B2%B3%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E5%89%B5%E9%80%A0-2004-09-06
他の画像は引用元の記事を参照してください。
神河の主要種族は狐、ムーンフォーク、ネズミ、ゴブリン、蛇です。この記事では、一徳氏が話した民間伝承がもとになって、それが決定されたように見えます。ただ、他の記事を読むとそれだけが理由ではないようですが。
神河自作 - 考察:カードの作り方
2020年4月17日 Magic: The Gathering『神河新生』のカードの作り方は、以下のようなものでした。
1.神河物語ブロックのカード(メカニズム)を元にする
例:明神、ドラゴンサイクル
2.神河物語ブロックで名前は出ているが、カード化されていないものを作る
例:すべてを呼び覚ますもの、父醍樹
3.トップダウンでデザインする
例:神授の三宝器
4.最近のセットで度々登場するカードの一種としてデザイン
例:リミテッド用の2色アンコモンサイクル
5.単純に思いついたカードを入れる
例:職人の魂、血時計の停止
6.作られていない役割を穴埋めする
例:リミテッド用のカード多数
色々な作り方が入り混じってしまったのは改めるべきかどうかを考えています。
トップダウンデザインのセットである以上、3.を外すことはないでしょう。
5.のようなカードは、出来る限り減らすべきでしょう。セットの統一感を損なう恐れもあります。
少なくともこの2点は確かと言えます。
1.についてですが、神河のオリジナルエキスパンションを作るたびに、毎回明神やドラゴンサイクルを作るとネタ切れになりそうな気がしています。今回作った時でも差別化に苦労したので。そう考えると、毎回出すのは控えるか、サイクルの統一性を別の方向にするか、というのも一つの手です。
2.はオリジナルエキスパンションならでは、という点ですが、必須と言うほどではないでしょう。
4.や6.ですが、そもそもリミテッドを考慮しないのであれば、それに必要なカードはいくらでも減らせます。構築のパーツ供給用セット、あるいは、そもそもオリジナルエキスパンションなのだから観賞用と割り切ってしまうかです。
1.神河物語ブロックのカード(メカニズム)を元にする
例:明神、ドラゴンサイクル
2.神河物語ブロックで名前は出ているが、カード化されていないものを作る
例:すべてを呼び覚ますもの、父醍樹
3.トップダウンでデザインする
例:神授の三宝器
4.最近のセットで度々登場するカードの一種としてデザイン
例:リミテッド用の2色アンコモンサイクル
5.単純に思いついたカードを入れる
例:職人の魂、血時計の停止
6.作られていない役割を穴埋めする
例:リミテッド用のカード多数
色々な作り方が入り混じってしまったのは改めるべきかどうかを考えています。
トップダウンデザインのセットである以上、3.を外すことはないでしょう。
5.のようなカードは、出来る限り減らすべきでしょう。セットの統一感を損なう恐れもあります。
少なくともこの2点は確かと言えます。
1.についてですが、神河のオリジナルエキスパンションを作るたびに、毎回明神やドラゴンサイクルを作るとネタ切れになりそうな気がしています。今回作った時でも差別化に苦労したので。そう考えると、毎回出すのは控えるか、サイクルの統一性を別の方向にするか、というのも一つの手です。
2.はオリジナルエキスパンションならでは、という点ですが、必須と言うほどではないでしょう。
4.や6.ですが、そもそもリミテッドを考慮しないのであれば、それに必要なカードはいくらでも減らせます。構築のパーツ供給用セット、あるいは、そもそもオリジナルエキスパンションなのだから観賞用と割り切ってしまうかです。
神河当時 - 神のイラスト
2020年4月17日 Magic: The Gathering
昨日の記事の続きです。
「奇妙なエネルギーの物体を周りに飛ばしている」と書いてあるのを読んで、改めて『神河物語』ブロックのカードギャラリーを眺めてみました。
明神やドラゴンサイクルから、さまようものやずべらに至るまで、確かに神クリーチャーの周りには何かしらの物体が浮いています。
こうしたイラスト上の特徴というと、テーロス次元における、神あるいはその使い達のイラストにニクスの星空が映し出されているのを思い出しました。
『神河物語』カードギャラリー
https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000009/
『神河謀叛』カードギャラリー
https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000007/
『神河救済』カードギャラリー
https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000060/
余談
以下の短い記事では、「奇妙なエネルギーの物体」について書かれているのですが、肝心のイラストが表示されません。
KAMI "ENERGY OBJECTS" Posted in Arcana on September 7, 2004
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/kami-energy-objects-2004-09-07
以下の短い記事では、「奇妙なエネルギーの物体」についてのクイズがあるのですが、一部イラストが表示されません。
NAME THOSE ENERGY OBJECTS Posted in Arcana on November 2, 2004
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/name-those-energy-objects-2004-11-02
ちなみに、正解は以下の記事です。
NINTH EDITION THREATEN ART Posted in Arcana on November 3, 2004
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/ninth-edition-threaten-art-2004-11-03
我々は素晴らしいストーリーのあらすじを受け取っていました。また、我々の新しい世界は日本の“戦国時代”をそこはかとなくモデルにしようと思っていました。
日本には、他の文化と同様に、幽霊や精霊のたくさんいる霊の世界があります。通常はこれは我々が日々過ごす世界は霊の世界とは混じりあうことは無いですけど、時として我々は幽霊をちらりと見ることがあります。しかし我々に必要なのは、人間の住む現実世界に“向こうの世界”の精霊たちが現れることのできる世界なのです。神道によれば、世界中のあらゆる物の中には神様がいるそうです。それじゃ、それらが我々の世界に登場し始めたとしたらどうでしょうか? 我々の夢や悪夢の神が玄関口にと姿を現したとしたらどうでしょうか? こいつは興味をそそられるクリエイティブな挑戦です。
通常の怪物と精霊のクリーチャーをどう見分けていけばいいのでしょうか? 彼らの姿は? 私は、“向こうの世界”の精霊の姿を奇妙なものにして、それらが明らかに“普通の”世界のものとは異なるようにしたいと考えていました。もちろん、アーティストが私を失望させることはありませんでした。彼らが出したアイデアは、我々の世界に現れた精霊は少々不安定で、奇妙なエネルギーの物体を周りに飛ばしているというものでした。神が殺されたり精霊の世界に帰されたりすると、その物体も消えます。このアイデアはなかなかでした。これはビジュアルのきっかけとしては素晴らしいものだったので、我々はそこから行くことにしました。以下の初期の神のコンセプトのスケッチに、そのエネルギーの物体を見ることができます。
初期の神のコンセプト
引用元
舞台裏から:神河世界の創造 更新日 Feature on 2004年 9月 6日
https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/feature/%E8%88%9E%E5%8F%B0%E8%A3%8F%E3%81%8B%E3%82%89%EF%BC%9A%E7%A5%9E%E6%B2%B3%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E5%89%B5%E9%80%A0-2004-09-06
「奇妙なエネルギーの物体を周りに飛ばしている」と書いてあるのを読んで、改めて『神河物語』ブロックのカードギャラリーを眺めてみました。
明神やドラゴンサイクルから、さまようものやずべらに至るまで、確かに神クリーチャーの周りには何かしらの物体が浮いています。
こうしたイラスト上の特徴というと、テーロス次元における、神あるいはその使い達のイラストにニクスの星空が映し出されているのを思い出しました。
『神河物語』カードギャラリー
https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000009/
『神河謀叛』カードギャラリー
https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000007/
『神河救済』カードギャラリー
https://mtg-jp.com/products/card-gallery/0000060/
余談
以下の短い記事では、「奇妙なエネルギーの物体」について書かれているのですが、肝心のイラストが表示されません。
KAMI "ENERGY OBJECTS" Posted in Arcana on September 7, 2004
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/kami-energy-objects-2004-09-07
以下の短い記事では、「奇妙なエネルギーの物体」についてのクイズがあるのですが、一部イラストが表示されません。
NAME THOSE ENERGY OBJECTS Posted in Arcana on November 2, 2004
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/name-those-energy-objects-2004-11-02
ちなみに、正解は以下の記事です。
NINTH EDITION THREATEN ART Posted in Arcana on November 3, 2004
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/ninth-edition-threaten-art-2004-11-03
昨日の流れから、以前書いた友好色のアーキタイプの考察の続きを書きます。
赤緑や緑白の基礎的なアーキタイプは何か?という点を考えてみました。
赤緑については、古典的なものはステロイド、近代的にはランプ系の方が主流でしょうか。前者が高速~中速、後者は中速~低速と言えます。
いずれにせよ、共通しているのは、赤の火力と緑のマナ生成とファッティの組み合わせという点です。白青飛行の「地上を壁で止めて、空から殴る」という言葉になぞらえれば、赤緑は「小型を焼いて、大型で踏みつぶす」と言えるかもしれません。
白青飛行に比べるとリミテッドの定番という印象が薄いのは、火力呪文の強さが時代やセットによって大きく変わりやすいせいでしょうか。また、飛行クリーチャーに比べれば、大型クリーチャーというのは数が少なくなりがちなのも要因かもしれません。白青の飛行や壁はどちらの色にも存在するのに対して、火力は赤にしかないのもネックです。最近になって、緑にも格闘除去が定着してはいますが。
緑白については、ストンピィになるかと思います。あるいは、強化オーラ戦略(緑白呪禁)です。
小型クリーチャーであれば、緑も白も同等にサイズに優れています。また、エンチャントの扱いにも長けた色であり、強化オーラも珍しくありません。《アルマジロの外套》《ひるまぬ勇気》はその典型と言えます。リミテッドでは時々、強化オーラのついたクリーチャーだけで殴り勝つようなこともあります。
以上により、特にメカニズムがない場合は、この2つを戦略として用意できるようにしたいと思います。
参考にした記事
木曜マジック・バラエティ 2011.2.17 浅原晃の「デッキタイムトラベル!」 Part2?赤緑
https://mtg-jp.com/reading/variety/0004497/
翻訳記事その他 2011.1.20 ドラフトサウルス・レックス
https://mtg-jp.com/reading/translated/0003923/
行弘賢のよくわかる!リミテッド講座 2018.8.16 第30回:『基本セット2019』ドラフト 答え合わせ編
https://mtg-jp.com/reading/yukuhirolimited/0030950/
行弘賢のよくわかる!リミテッド講座 2019.8.2 第36回:『基本セット2020』ドラフト攻略
https://mtg-jp.com/reading/yukuhirolimited/0032823/
行弘賢のよくわかる!リミテッド講座 2020.2.7 第39回:『テーロス還魂記』ドラフト攻略
https://mtg-jp.com/reading/yukuhirolimited/0033794/
ここで、「ほとんどのリミテッド環境において、白青飛行ビート、青黒コントロール、赤黒除去はアーキタイプとして確立している」とあります。
これら3つはすべて友好色です。「白青は飛行が多い」「青黒はアドバンテージを取りやすい」「赤黒は除去が多い」といった色の役割、そして友好色だとそれが似てきやすいことを考えると、自然なことでしょう(赤緑や緑白はないのか、疑問ですが)。
引用元
神河自作 - 考察:友好色と対抗色における、リミテッドのアーキタイプ
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/202003232138137049/
赤緑や緑白の基礎的なアーキタイプは何か?という点を考えてみました。
赤緑については、古典的なものはステロイド、近代的にはランプ系の方が主流でしょうか。前者が高速~中速、後者は中速~低速と言えます。
いずれにせよ、共通しているのは、赤の火力と緑のマナ生成とファッティの組み合わせという点です。白青飛行の「地上を壁で止めて、空から殴る」という言葉になぞらえれば、赤緑は「小型を焼いて、大型で踏みつぶす」と言えるかもしれません。
白青飛行に比べるとリミテッドの定番という印象が薄いのは、火力呪文の強さが時代やセットによって大きく変わりやすいせいでしょうか。また、飛行クリーチャーに比べれば、大型クリーチャーというのは数が少なくなりがちなのも要因かもしれません。白青の飛行や壁はどちらの色にも存在するのに対して、火力は赤にしかないのもネックです。最近になって、緑にも格闘除去が定着してはいますが。
緑白については、ストンピィになるかと思います。あるいは、強化オーラ戦略(緑白呪禁)です。
小型クリーチャーであれば、緑も白も同等にサイズに優れています。また、エンチャントの扱いにも長けた色であり、強化オーラも珍しくありません。《アルマジロの外套》《ひるまぬ勇気》はその典型と言えます。リミテッドでは時々、強化オーラのついたクリーチャーだけで殴り勝つようなこともあります。
以上により、特にメカニズムがない場合は、この2つを戦略として用意できるようにしたいと思います。
参考にした記事
木曜マジック・バラエティ 2011.2.17 浅原晃の「デッキタイムトラベル!」 Part2?赤緑
https://mtg-jp.com/reading/variety/0004497/
翻訳記事その他 2011.1.20 ドラフトサウルス・レックス
https://mtg-jp.com/reading/translated/0003923/
行弘賢のよくわかる!リミテッド講座 2018.8.16 第30回:『基本セット2019』ドラフト 答え合わせ編
https://mtg-jp.com/reading/yukuhirolimited/0030950/
行弘賢のよくわかる!リミテッド講座 2019.8.2 第36回:『基本セット2020』ドラフト攻略
https://mtg-jp.com/reading/yukuhirolimited/0032823/
行弘賢のよくわかる!リミテッド講座 2020.2.7 第39回:『テーロス還魂記』ドラフト攻略
https://mtg-jp.com/reading/yukuhirolimited/0033794/
神河当時 - 一徳氏の起用
2020年4月16日 Magic: The Gathering
今回はアート・世界観についての記事です。
単に日本風の世界というだけでなく、日本人にも受け入れられるものを目指したとのことです。そうしたこともあってか、日本人アーティストの一徳氏がコンセプトアートを手掛けることになりました。
『神河物語』ブロックで一徳氏がイラストを描いたカードは《巻物の君、あざみ》《大水招き》《霊光の略奪者》《御霊の復讐》《潮の星、京河》《煙女》《崇敬》《一掃》《空民の雨刻み》《精霊の学び手》《風の達人、鳶太》《血塗られた悪姥》です。スタンダードだけでなく、下環境でも構築実績のあるカードが含まれているので、現在でもそのイラストを目にしたことがある人は珍しくないでしょう。
それは 2003 年の冬の話で、開発部のクリエイティブチームは長い議論の末、“アース”と呼ばれていたマジックの新しいエキスパンションのために新しい次元を作ることを決めました。今回、ゲームデザインとしてレジェンドをたくさん入れることが決まっていて、ぜひともアラビアン・ナイトのような世界を生み出そうという話で盛り上がっていました。実際の話、リチャードが今すぐ東洋世界に行きたくないというのはわかってはいましたが、アラビアン・ナイトの発売からはもう10年もたっているのですし、日本文化を基準とした次元を創り出すのにいいタイミングなんじゃないかと思ったのです。
開発の初期の段階では、ブレイディ・ドマーマスと私は調査に時間を費やしました。我々は日本の市場でも受け入れられる日本をベースとしたファンタジーの舞台を創らなければなりません。それは我々がまったく見たことの無いものでなければならず、しかも100%マジックである必要があるのです。この仕事は我々にはぴったりです。そこで我々はこの仕事をやり遂げるために、コンセプト・イラストのオールスターチームを集めました。オーガのような大型クリーチャーはヒュー・ジャクソン、新しい環境はロブ・アレクサンダーに任せました。アンソニー・ウォーターズは多くのとんでもない神という名のスピリットを生み出しました。
物事はうまく行っているようでしたが、このパズルには決定的な一ピースが足りませんでした。コンセプトアートを引っ張る日本人アーティストが必要だったのです。私はこの仕事をアメリカ人だけで流行りたくありませんでしたし、日本人のアーティストはこの新しいマジックの世界に本物の感覚をもたらしてくれるでしょう。そんなときに、私は一徳を見つけました。毎日イラストの仕事にかかる前に、彼は一時間ほど剣を振って創造力を高めるのだそうです。彼が言うに、剣は自分の精神を鉛筆に集中させてくれるんだとか。アーティストが剣を振るう様を見れば、そこから多くを見て取ることができるという話ですね。他の人は、まあ腕立て伏せで一日を始めるんですがね。
引用元
舞台裏から:神河世界の創造 更新日 Feature on 2004年 9月 6日
https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/feature/%E8%88%9E%E5%8F%B0%E8%A3%8F%E3%81%8B%E3%82%89%EF%BC%9A%E7%A5%9E%E6%B2%B3%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E5%89%B5%E9%80%A0-2004-09-06
単に日本風の世界というだけでなく、日本人にも受け入れられるものを目指したとのことです。そうしたこともあってか、日本人アーティストの一徳氏がコンセプトアートを手掛けることになりました。
『神河物語』ブロックで一徳氏がイラストを描いたカードは《巻物の君、あざみ》《大水招き》《霊光の略奪者》《御霊の復讐》《潮の星、京河》《煙女》《崇敬》《一掃》《空民の雨刻み》《精霊の学び手》《風の達人、鳶太》《血塗られた悪姥》です。スタンダードだけでなく、下環境でも構築実績のあるカードが含まれているので、現在でもそのイラストを目にしたことがある人は珍しくないでしょう。
昨日書いたことの補足です。
あれこれ箇条書きにしたことを、(雑を承知で)まとめると「多様なアーキタイプが成立すること」と言えるかもしれません。
多様性が、色であったり、速度であったり、(アーキタイプというよりは勝ち筋ですが)爆弾レアであったり、各方面で成り立つ事が必要と言えます。
これに失敗したのが、黒が弱い『アヴァシンの帰還』、速い戦略が弱い『エルドラージ覚醒』、遅い戦略が弱い『ギルド門侵犯』、爆弾レアが単調な『ミラディンの傷跡』、ということです。
そのためにはアーキタイプの中心となるカードを用意するのは当然です。加えて、デッキに入らないほど弱いカードを減らすべきでしょう。使えるカードが少なければ、作れるアーキタイプも自然と減ってしまうからです。『アヴァシンの帰還』はこれも失敗しました。
また、アーキタイプへの解答、特に(リミテッドで中心となるため)クリーチャーへの除去も十分強いものを用意します。相手の脅威に対処して、自分のアーキタイプが本領発揮する場面を増やせるからです。『アヴァシンの帰還』(以下略)
リミテッドが低評価の『アヴァシンの帰還』が発売された2012年のリミテッド総括記事でも、アンケートの結果から同様の考察がされています。
「多様なアーキタイプ」
これ1つさえ守っていれば、リミテッドが面白くなるとまでは言えません。ただ、最低限目指すべき水準とは言えるでしょう。
失敗から学ぶリミテッドの教訓としては、まずここを意識してみます。
余談
プロゲーマーの梅原大吾選手は、「バランスがとれていることよりも、好きなキャラで強みを生かした戦い方できて、それでワンチャンあれば納得できる。ヴァンパイアは酷いバランスだったが楽しかった。」といった趣旨のことを話していたそうです。TCGとは全く別の格闘ゲームの話にはなりますが、「面白さ」の本質的な部分は共通しているのかもしれません。
あれこれ箇条書きにしたことを、(雑を承知で)まとめると「多様なアーキタイプが成立すること」と言えるかもしれません。
多様性が、色であったり、速度であったり、(アーキタイプというよりは勝ち筋ですが)爆弾レアであったり、各方面で成り立つ事が必要と言えます。
これに失敗したのが、黒が弱い『アヴァシンの帰還』、速い戦略が弱い『エルドラージ覚醒』、遅い戦略が弱い『ギルド門侵犯』、爆弾レアが単調な『ミラディンの傷跡』、ということです。
そのためにはアーキタイプの中心となるカードを用意するのは当然です。加えて、デッキに入らないほど弱いカードを減らすべきでしょう。使えるカードが少なければ、作れるアーキタイプも自然と減ってしまうからです。『アヴァシンの帰還』はこれも失敗しました。
また、アーキタイプへの解答、特に(リミテッドで中心となるため)クリーチャーへの除去も十分強いものを用意します。相手の脅威に対処して、自分のアーキタイプが本領発揮する場面を増やせるからです。『アヴァシンの帰還』(以下略)
リミテッドが低評価の『アヴァシンの帰還』が発売された2012年のリミテッド総括記事でも、アンケートの結果から同様の考察がされています。
どうやらプレイヤーたちが重要視するのは豊富なアーキタイプとデッキに入らないほど弱いカードが全ての色において少ないことのようだ。
引用元
【翻訳】Josh Silvestriによる2012年のリミテッド総括 その1/Silvestri Says - 2012 Limited Breakdown, Part 1【CFB】
https://regiant.diarynote.jp/201212310903532334/
「多様なアーキタイプ」
これ1つさえ守っていれば、リミテッドが面白くなるとまでは言えません。ただ、最低限目指すべき水準とは言えるでしょう。
失敗から学ぶリミテッドの教訓としては、まずここを意識してみます。
余談
プロゲーマーの梅原大吾選手は、「バランスがとれていることよりも、好きなキャラで強みを生かした戦い方できて、それでワンチャンあれば納得できる。ヴァンパイアは酷いバランスだったが楽しかった。」といった趣旨のことを話していたそうです。TCGとは全く別の格闘ゲームの話にはなりますが、「面白さ」の本質的な部分は共通しているのかもしれません。
昨日の記事の続きです。
転生については、ルール的な説明をするのみです。秘儀やスピリットクラフトに比べ、淡々としています。他の記事も検索はしてみたのですが、開発の経緯が分かるような記事は今のところ見つかりません。
プレビューカードである《希望の盗人》ですが、(同記事のこれ以前の部分で述べた)スピリットクラフトと転生を合わせ持つカードなので、この記事のプレビューとしてふさわしいです。
また、《希望の盗人》は、転生カードの中では比較的軽いということもあって、活躍したカードです。マローの「希望」通りと言えるでしょう。
何たるカード
そして、この流れで、今回のプレビューカードへ行こうと思う。それをお見せする前に、まずは別なカードについて手っ取り早く説明しておこう。神河物語では、転生というキーワード能力が登場する。転生はクリーチャーの誘発型能力で、クリーチャーが場から墓地に置かれたときに誘発する。これが起こったら、そのクリーチャーのコントローラーはその墓地のスピリット・カードのうち、点数で見たマナ・コストが転生の数値以下のものを1枚選んで手札に戻すことができる(転生の値は常にそのクリーチャーの点数で見たマナ・コストよりも1低い)。しかし、私の言葉で語るより、以下の公式総合ルールから引用したほうが早いだろう。502.39.転生
502.39a 転生は誘発型能力である。「転生 X/Soulshift X」は、「このパーマネントが場から墓地に置かれたとき、あなたの墓地にある点数で見たマナ・コストがX以下のスピリット・カードを1枚対象とする。あなたはそれをあなたの手札に戻してもよい。」を意味する。
502.39b 1つのパーマネントに複数の転生能力がある場合、それぞれは別々に誘発する。
* 転生の数値は、対象に取れるスピリット・カードの点数で見たマナ・コストの最大値を意味する。
* 対象に取ったクリーチャー・カードを戻すかどうかは、能力の解決時に決める。
まあ、余談はこのぐらいにして、今日のプレビューカードといこう。
気に入ってくれるのが希望だね。前回の私のプレビューカードほどは驚きの表情にならないかもしれないけど、君もすでにいくつかの使い道を見つけているだろう。
来週は、なぜ我々がチャンピオン勇士なのかを説明していこうと思う。
それでは、またお会いするときまで。それまでの間、君の未来が過去に隠れていたのを発見することを祈念しつつ。
マーク・ローズウォーター
引用元
秘儀的才能 更新日 Making Magic on 2004年 9月 6日
https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/making-magic/%E7%A7%98%E5%84%80%E7%9A%84%E6%89%8D%E8%83%BD-2004-09-06
転生については、ルール的な説明をするのみです。秘儀やスピリットクラフトに比べ、淡々としています。他の記事も検索はしてみたのですが、開発の経緯が分かるような記事は今のところ見つかりません。
プレビューカードである《希望の盗人》ですが、(同記事のこれ以前の部分で述べた)スピリットクラフトと転生を合わせ持つカードなので、この記事のプレビューとしてふさわしいです。
また、《希望の盗人》は、転生カードの中では比較的軽いということもあって、活躍したカードです。マローの「希望」通りと言えるでしょう。
神河自作 - 考察:リミテッドの教訓
2020年4月14日 Magic: The Gathering
昨日の続きです。
これまでのリミテッドの失敗要素、あるいは教訓をまとめました。
『エルドラージ覚醒』
基本的な戦略もそのセットで推したい戦略も、どちらも成立させる。
『ミラディンの傷跡』ブロック
感染のカードプールが限られているため、少数のプレイヤーだけがドラフトしないと成立しない。
爆弾レアがよく似たカードだった。
『アヴァシンの帰還』
コモンのカード・パワーに差がありすぎた。
結魂に注目を集めるため、除去を減らし過ぎた。
善なるものの団体vs悪なるものの個体を強調しすぎて、黒が弱くなった。
シナジーを強調しすぎた。
選択可能なアーキタイプが少なすぎる。
デッキに入らないほどに弱いカードが多すぎる。
『ギルド門侵犯』
環境を速くし過ぎて、遅いギルドを使うのが難しくなった(リミテッドの選択肢を減らした)。
色同士のシナジーに強弱の差があった。
『イクサラン』ブロック
コモンが単純すぎて、リミテッドに深みがなくなった。
不均等な(そして4つだけの)陣営が色々な問題を生んだ。
サイクルを非常に作りにくくした。
3色を主なテーマにしていないセットで3色を志向するようにした。
『ラヴニカの献身』
『ラヴニカのギルド』ほどの深みがなかった。
『灯争大戦』
レアや神話レアの爆弾カードが多すぎた。
『モダンホライゾン』
罠にはまりやすすぎた。
どれぐらい活かせるかどうかは分かりませんが、意識しておきます。
これまでのリミテッドの失敗要素、あるいは教訓をまとめました。
『エルドラージ覚醒』
基本的な戦略もそのセットで推したい戦略も、どちらも成立させる。
『ミラディンの傷跡』ブロック
感染のカードプールが限られているため、少数のプレイヤーだけがドラフトしないと成立しない。
爆弾レアがよく似たカードだった。
『アヴァシンの帰還』
コモンのカード・パワーに差がありすぎた。
結魂に注目を集めるため、除去を減らし過ぎた。
善なるものの団体vs悪なるものの個体を強調しすぎて、黒が弱くなった。
シナジーを強調しすぎた。
選択可能なアーキタイプが少なすぎる。
デッキに入らないほどに弱いカードが多すぎる。
『ギルド門侵犯』
環境を速くし過ぎて、遅いギルドを使うのが難しくなった(リミテッドの選択肢を減らした)。
色同士のシナジーに強弱の差があった。
『イクサラン』ブロック
コモンが単純すぎて、リミテッドに深みがなくなった。
不均等な(そして4つだけの)陣営が色々な問題を生んだ。
サイクルを非常に作りにくくした。
3色を主なテーマにしていないセットで3色を志向するようにした。
『ラヴニカの献身』
『ラヴニカのギルド』ほどの深みがなかった。
『灯争大戦』
レアや神話レアの爆弾カードが多すぎた。
『モダンホライゾン』
罠にはまりやすすぎた。
どれぐらい活かせるかどうかは分かりませんが、意識しておきます。
神河当時 - スピリットクラフトの誕生
2020年4月14日 Magic: The Gathering
昨日の記事の続きです。
ここで挙げられているカードの内容は※1に書いています。
呪文のサブタイプ「秘儀」が完成した後は、それをゲームにどう活かすか、を決めることになりました。秘儀=「神(スピリット)が使う呪文」というフレイバー付けのため、特に効果は統一性がありません。そのため、秘儀であることを参照することになります。
「秘儀を対象とする」「秘儀が必要条件になる」などの能力を一通り試した結果、一番面白かったのとデザイン空間の広さから「秘儀を唱えるたび」が選ばれました。秘儀は呪文なので、特に「対象にする」ような能力はそうとう限られるでしょう。その点、唱えることを誘発条件とするならば、あとは好きな効果を付けられます。
ここでは「たたり」、俗に言う「スピリットクラフト」をキーワード能力とはしませんでした。この手の能力はキーワードと言うよりは能力語ですが。ただ、能力語は『神河救済』の魂力と掃引で初めて登場するものです(※2)。
もしそれ以前にも能力語が登場していれば、数の多さから言っても、間違いなく能力語として名前を与えられたでしょう。そうした場合の名前はどうなっていたでしょうか。仮称である「たたり」や、神河救済のFAQ(※3)での訳語「精霊術」などが候補になるのかもしれません。
※1
※2
『コンフラックス』で版図が登場したことにより、インベイジョン・ブロックのカードにも版図がつけられました。そういったものは除けば、初ということです。
※3
秘儀鉄食らわせて
さて、神河物語のデザインチームは精霊たちに、当初は“神秘”と呼んでいた独自のブランドの魔法を持たせることにした。次の大きな一歩は、それをどう適切なものにしていくかということだ。そのやり方はいくつも見つかった (話をわかりやすくするために、色だとどうなるかの対応を例として示していこう)。第一は、特定のサブタイプにのみ影響する呪文(《非業の死/Perish》)。第二は、プレイするなり場に残るなりするために、特定のサブタイプの存在が必要な呪文(《Jihad》)。第さんは、特定のサブタイプのカードにボーナスを与える呪文(《十字軍》)。そして第四が、特定のサブタイプの呪文がプレイされたときに誘発するカードだ(《鉄の星/Iron Star》)。
テストプレイの結果、第四のカテゴリーが融通が利く点においてもデザイン空間の広さからも一番だったし、何よりも面白かった。内部的には、我々はその呪文を“たたり呪文”と呼んでいたよ(正直言って、私は“たたり”が何を意味するのかまったく知らないんだけどね)。一方で、我々はスピリットに対して同様のカードを作っていた。しかし、あるカードが秘儀呪文のプレイに誘発する一方で、もう片方がスピリットのプレイに誘発するというのは混乱の元だったので、デザインチームはこの二つのカテゴリーを一つにまとめることにした。いまや、“たたり呪文”は秘儀呪文かスピリットのプレイ時に誘発することになったんだ。我々は“たたり”をキーワード化することも考えたけど、最終的にその必要はないことに決定した。
最後に、神河物語はいくつかの異なった秘儀マーカーの使い方をしている。最も多くのカードは第四カテゴリーに属しているけど、秘儀がらみではデザイナーが他にも様々なやり方を作り出している(そして、あるメカニズムは全体で秘儀呪文にしか働かない――これもまた、別なコラムの話だ)。
引用元
秘儀的才能 更新日 Making Magic on 2004年 9月 6日
https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/making-magic/%E7%A7%98%E5%84%80%E7%9A%84%E6%89%8D%E8%83%BD-2004-09-06
ここで挙げられているカードの内容は※1に書いています。
呪文のサブタイプ「秘儀」が完成した後は、それをゲームにどう活かすか、を決めることになりました。秘儀=「神(スピリット)が使う呪文」というフレイバー付けのため、特に効果は統一性がありません。そのため、秘儀であることを参照することになります。
「秘儀を対象とする」「秘儀が必要条件になる」などの能力を一通り試した結果、一番面白かったのとデザイン空間の広さから「秘儀を唱えるたび」が選ばれました。秘儀は呪文なので、特に「対象にする」ような能力はそうとう限られるでしょう。その点、唱えることを誘発条件とするならば、あとは好きな効果を付けられます。
ここでは「たたり」、俗に言う「スピリットクラフト」をキーワード能力とはしませんでした。この手の能力はキーワードと言うよりは能力語ですが。ただ、能力語は『神河救済』の魂力と掃引で初めて登場するものです(※2)。
もしそれ以前にも能力語が登場していれば、数の多さから言っても、間違いなく能力語として名前を与えられたでしょう。そうした場合の名前はどうなっていたでしょうか。仮称である「たたり」や、神河救済のFAQ(※3)での訳語「精霊術」などが候補になるのかもしれません。
※1
非業の死/Perish (2)(黒)
ソーサリー
すべての緑のクリーチャーを破壊する。それらは再生できない。
Jihad (白)(白)(白)
エンチャント
Jihadが戦場に出るに際し、色1色と対戦相手1人を選ぶ。
選ばれたプレイヤーが選ばれた色のトークンでないパーマネントをコントロールしているかぎり、白のクリーチャーは+2/+1の修整を受ける。
選ばれたプレイヤーが選ばれた色のトークンでないパーマネントをコントロールしていないとき、Jihadを生け贄に捧げる。
十字軍/Crusade (白)(白)
エンチャント
白のクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
鉄の星/Iron Star (1)
アーティファクト
プレイヤー1人が赤の呪文を唱えるたび、あなたは(1)を支払ってもよい。そうした場合、あなたは1点のライフを得る。
※2
『コンフラックス』で版図が登場したことにより、インベイジョン・ブロックのカードにも版図がつけられました。そういったものは除けば、初ということです。
※3
“麒麟”
“麒麟”は伝説のクリーチャーのサイクルである。それぞれは“精霊術”の能力を持つが、その内容は能力を誘発させたスピリット呪文や秘儀呪文の点数で見たマナ・コストに依存する。
引用元
神河救済FAQ(よくある質問集)
https://mjmj.info/data/obsolete/faq/faq_sok_j.html
神河自作 - 考察:失敗から学ぶリミテッドの基準
2020年4月13日 Magic: The Gathering
先日の日記(※1)で考えた、リミテッドの基準についての続きです。
どれかのセットをお手本にしようと考えましたが、どのセットかは決定できませんでした。
そこで、逆にリミテッドでダメだったセットを教訓としてはどうかと考えています。
そもそも、リミテッドが好評だった場合、記事で触れていても「人気だった」「成功した」程度の評価で、マネしようにも具体性に欠けます。
その点、失敗した場合は、より具体的に語られている場合が少なくありません(※1)。特に、『アヴァシンの帰還』については、公式記事でも個人ブログや掲示板などでも悪評をよく聞きます。
『神河物語』の失敗から多くの教訓が得られた(※2)ように、そうした失敗から学ぶのも悪くないと思います。
※1
神河自作 - 考察:リミテッドの基準
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/202004082221463961/
※2
シリーズ「神河教訓」
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912011749408292/
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912020954324054/
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912031451373418/
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912041254571245/
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912052133285463/
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912061829517801/
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912072038378132/
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912081239061397/
どれかのセットをお手本にしようと考えましたが、どのセットかは決定できませんでした。
そこで、逆にリミテッドでダメだったセットを教訓としてはどうかと考えています。
そもそも、リミテッドが好評だった場合、記事で触れていても「人気だった」「成功した」程度の評価で、マネしようにも具体性に欠けます。
その点、失敗した場合は、より具体的に語られている場合が少なくありません(※1)。特に、『アヴァシンの帰還』については、公式記事でも個人ブログや掲示板などでも悪評をよく聞きます。
『神河物語』の失敗から多くの教訓が得られた(※2)ように、そうした失敗から学ぶのも悪くないと思います。
失敗を犯したために死ぬ運命を負わされた者どもは、すぐに助言を与えてくれる。失敗から得た知識に耳を傾けぬ手はないだろう?
――― アーボーグのラタドラビック
引用元《下僕の呟き/Minions’ Murmurs》
※1
神河自作 - 考察:リミテッドの基準
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/202004082221463961/
※2
シリーズ「神河教訓」
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912011749408292/
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912020954324054/
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912031451373418/
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912041254571245/
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912052133285463/
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912061829517801/
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912072038378132/
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912081239061397/
『神河物語』5日目のプレビューです。
呪文にサブタイプを持たせた、最初の例が「秘儀」です。現在でも、呪文タイプは「秘儀」「罠」「出来事」の3つしかなく、貴重な存在です。
エンチャントのサブタイプ「オーラ」(当時はエンチャント(~))やアーティファクトのサブタイプ「装備品」とは異なり、呪文のサブタイプ「秘儀」には特別なルールを設けていません。その点では、クリーチャー・タイプとほぼ同じ扱いでしょう。「神々の使う呪文」というフレイバーを表すだけのものです。
もし、「秘儀」も特殊なルールを持たせていた場合、どうなっていたかは興味深い所です。「もしMTGをやり直せるなら、伝説は単なるマーカーにしたい」(※1)と述べていますが、それと同じ評価になっていたのでしょうか。
※1
神河資料 - レジェンド・ルール
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/202001072218452110/
私が受ける最も一般的な質問に、「アイデアが品切れになってしまうのが怖くないですか?」というものがある。一言で言えば、ノーだ。だけど、私のコラムが一言で終わったことがあったかい? 長めの回答をすることは、君たちみんなをちょっとした秘密へと招待することになる (我々だけの秘密だよ)。デザイナーは、一年に実際商品となるよりも多くのアイデアを生み出している。我々はアイデアの品切れどころか、実際にアイデアを溜め込んでいるのさ。
どうしてそんなことができるのかって? では、例としてフィフス・ドーンを取り上げよう。私がフィフス・ドーンのデザインをあれこれやっていたとき、私はメカニズムXを思いついた。私はカードを何枚か作って、それでちょっと遊んでみた。メカニズムXは非常に面白かった。そこで私は、それを組み込む場所を探し始めた。しかし、それは我々が現在埋めようとしているどの穴にもはまらなかったんだ。何か他のものを除いてこいつをはめることもできたけど、そっちはデザイン上極めて欠くことのできないものだった。そこで、私は今回のメカニズムを未来のデザインのために取っておいたのさ。こんなことはしょっちゅうだ。事実、神河物語のキーワードの一つが、このメカニズムX(少なくともその修正版)だ。しかし、それはまた別なコラムでの話ということにしよう。
今回は、違った種類のデザインの余剰分の話をしよう。私が“肉付きのいい血管”と呼んでるやつだ。ご存知の通り、ここ数年間、開発部は様々なデザインの領域を開拓してきた。その時々に渡って、デザインチームは色々な道を調べては、それがうまく動くかどうかを調べてきたんだ。たまには成功を収めるやつも歩けど、この手の進軍のほとんどは行き止まりで終わる。だからといって、デザイナーがそれで挑戦をやめるわけじゃない。今回のコラムは、そんな旅のうち、最終的に成功を収めたものの話だ。そのちょっとしたものは“秘儀”と呼ばれている。
秘儀の腕輪
まずは、そもそも秘儀とは何かを説明するところから始めたほうがいいだろうね。新しいキーワードつきメカニズム? いや。新しいクリーチャー・タイプ? いや。使命を帯びた登場人物で、全世界に渡る戦争を勃発だか停戦だかさせる人のこと? いや。秘儀は新しいサブタイプだ。インスタントとソーサリー用のね。それ自身の目新しさもそうだけど、最も興味深いのは秘儀が何をするか、というか何をしないかだ。
だが、話を現在に持ってくる前に、まずは過去を尋ねるところから始めようかと思う。最初のサブタイプはアルファ版においてリチャード・ガーフィールドによって生み出された。君たちもその名を十分知っているだろう――クリーチャー・タイプだ。以来数年にわたり、開発部はあらゆる種類のカードにサブタイプをつけてきた。アーティファクトには“装備品”ができた。土地には“神座”とか“ウルザの”とかがついた。エンチャントにも、エンチャント(クリーチャー)なんてサブタイプがある(事実、時としてこれがサブタイプとなることもある――ところで神河物語では新しいエンチャントのサブタイプが登場するけど、それもこのコラムで語る話じゃないね)
開発部は、いつかはインスタントやソーサリーにもサブタイプがつくことを知っていたね。そして、その日がやってきたんだ。でも、インスタントやソーサリーについたサブタイプということが、秘儀の興味深い点じゃない。秘儀に関して整えられたデザイン空間の本当に興味深いところは、それが何もしないことにある。それは、何のルール上の面倒も持たないサブタイプなのさ。はぁ? 装備品とか、基本地形とか、エンチャント(クリーチャー)はすべて共通の重要な事項がある。それらはルール上の何かを抱えてることだ。装備品であることは、ルール上で何らかの意味を持っていた。それじゃ秘儀は? 秘儀のついた呪文は特別なことを行わない。まあ、秘儀がなくったって何も変わりはしないってことだ。
それじゃ、私は開発部がメカニズムに賭けているサブタイプを作った事実をインチキ臭く言いふらしているってことなんだろうか? まあね。それじゃ、何が興味深いんだろうか? その理由は、我々がサブタイプをマーカーとして使っていることにある。マーカーとは何か? マーカーとは、カードについた特別の情報で、そこに存在する以外に何の目的も持たない何かを意味する用語だ。面倒くさいかい? それじゃ、他のタイプのマーカーに使用例を取り上げてみよう。例えば、色。おわかりかと思うが、色はそれ単独では特に何も意味しない。マナ・コストにどの色マナが存在しているかを示していることを除けば、色は単なる特性に過ぎない。しかし、リチャード・ガーフィールドが《十字軍/Crusade》や《青霊破/Blue Elemental Blast》なんてカードを作った瞬間、色はメカニズムと関わることになったのさ。
存在秘儀
サブタイプを単純なマーカーとして使うというアイデアは、ここ数年にわたってみんなの頭の中にあった。しかし、それを思いつくたびに、当時のデザインチームはそれを入れる場所を見つけそこねてきたのさ。ただ、それも神河物語までの話だ。勇敢なデザイナーの一団は、神河ブロックの舞台背景に、このセットのメカニズムの元となるアイデアを発見したんだ。世界は“腐敗した神道”の世界となり、人々は自分たちの“神”が自分に宣戦布告してきたのを見つけた (なぜかって? それは是非とも神河物語の小説をチェックしてみて欲しい)。それはつまり、そこには二つの陣営(精霊と人類)の定義が必要だということだ――特に精霊側は、アーティストが非常に面白いビジュアル的なアイデアを盛り込んでくれたので、なおさらだ。
そしてある時、ブライアン・ティンズマン(かビル・ローズかマイク・エリオットかブレイディ・ドマーマス――私はチームのメンバーじゃないから、例としてチームリーダーを使っておこう)が、精霊には自分たち独自の魔法が必要だということを思いついたんだ。彼らには自身専用のサブタイプが必要だった。おそらく、今こそがサブタイプの領域に新たな一歩を踏み込むタイミングなんだろう。
引用元
秘儀的才能 更新日 Making Magic on 2004年 9月 6日
https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/making-magic/%E7%A7%98%E5%84%80%E7%9A%84%E6%89%8D%E8%83%BD-2004-09-06
呪文にサブタイプを持たせた、最初の例が「秘儀」です。現在でも、呪文タイプは「秘儀」「罠」「出来事」の3つしかなく、貴重な存在です。
エンチャントのサブタイプ「オーラ」(当時はエンチャント(~))やアーティファクトのサブタイプ「装備品」とは異なり、呪文のサブタイプ「秘儀」には特別なルールを設けていません。その点では、クリーチャー・タイプとほぼ同じ扱いでしょう。「神々の使う呪文」というフレイバーを表すだけのものです。
もし、「秘儀」も特殊なルールを持たせていた場合、どうなっていたかは興味深い所です。「もしMTGをやり直せるなら、伝説は単なるマーカーにしたい」(※1)と述べていますが、それと同じ評価になっていたのでしょうか。
※1
神河資料 - レジェンド・ルール
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/202001072218452110/
神河自作 - 考察:部族の枚数
2020年4月12日 Magic: The Gathering最近考察している、2色部族5種類、という点から『イニストラード』を例にとってみます。ここでは特に、コモンに注目します。
コモンクリーチャーの中での、主要部族(人間、スピリット、ゾンビ、吸血鬼、狼男)の枚数は以下の通りです。ただし、狼男は表面では人間でもありますが、ここでは別物とします。
白:スピリット2枚、人間7枚、その他3枚
青:スピリット1枚、ゾンビ3枚、その他5枚(人間3枚)
黒:ゾンビ3枚、吸血鬼3枚、その他3枚(人間0枚)
赤:吸血鬼3枚、狼男2枚、その他5枚(人間0枚)
緑:狼男2枚、人間2枚、その他7枚
クリーチャー数の1/3から2/3まで、割と幅があります。
また、部族を参照する(~でない、という形式も含む)コモンの枚数は、以下の通りです。
人間6枚:《アヴァシン教の僧侶》《信仰の縛め》《上座の聖戦士》《月霧》《夜の歓楽者》《邪悪の排除》
スピリット1枚:《緊急の除霊》
ゾンビ5枚:《グール呼びの詠唱》《グール起こし》《墓所の茨》《夜の犠牲》《猛火の松明》
吸血鬼3枚:《木の杭》《夜の犠牲》《猛火の松明》
狼男2枚:《月霧》《夜の犠牲》
これも、ずいぶん幅があります。スピリットは1枚だけですし、その1枚も除去対象としての参照です。スピリットで固める意義は薄いでしょう。
一方、人間は最多の6枚です。また、人間自体が、コモンクリーチャー52枚中12枚で約1/4であり、最多です。ホラーの被害者役として、ある意味では中心的部族と言えるからでしょうか。「人間でない」と言った参照も複数あり、「人間vs怪物」という構造を描いています。
神河で言うなら、中心的部族はやはりスピリットでしょう。かつてはクリーチャーの1/2がスピリットでしたが、「神の乱」「世界の帳が弱体化」という特殊な状況なので、普段はもっと少ないでしょう。そこで、『イニストラード』の人間に倣うならば、1/4が目安ということになります。
『イニストラード』はホラーがメインであり、部族(や墓地利用)はサブの要素です。『神河物語』も部族要素はメインではありません。それでも「スピリット」という種族は特別な意味を持ちますので、枚数の目安ぐらいは考えておくことにしました。
コモンクリーチャーの中での、主要部族(人間、スピリット、ゾンビ、吸血鬼、狼男)の枚数は以下の通りです。ただし、狼男は表面では人間でもありますが、ここでは別物とします。
白:スピリット2枚、人間7枚、その他3枚
青:スピリット1枚、ゾンビ3枚、その他5枚(人間3枚)
黒:ゾンビ3枚、吸血鬼3枚、その他3枚(人間0枚)
赤:吸血鬼3枚、狼男2枚、その他5枚(人間0枚)
緑:狼男2枚、人間2枚、その他7枚
クリーチャー数の1/3から2/3まで、割と幅があります。
また、部族を参照する(~でない、という形式も含む)コモンの枚数は、以下の通りです。
人間6枚:《アヴァシン教の僧侶》《信仰の縛め》《上座の聖戦士》《月霧》《夜の歓楽者》《邪悪の排除》
スピリット1枚:《緊急の除霊》
ゾンビ5枚:《グール呼びの詠唱》《グール起こし》《墓所の茨》《夜の犠牲》《猛火の松明》
吸血鬼3枚:《木の杭》《夜の犠牲》《猛火の松明》
狼男2枚:《月霧》《夜の犠牲》
これも、ずいぶん幅があります。スピリットは1枚だけですし、その1枚も除去対象としての参照です。スピリットで固める意義は薄いでしょう。
一方、人間は最多の6枚です。また、人間自体が、コモンクリーチャー52枚中12枚で約1/4であり、最多です。ホラーの被害者役として、ある意味では中心的部族と言えるからでしょうか。「人間でない」と言った参照も複数あり、「人間vs怪物」という構造を描いています。
神河で言うなら、中心的部族はやはりスピリットでしょう。かつてはクリーチャーの1/2がスピリットでしたが、「神の乱」「世界の帳が弱体化」という特殊な状況なので、普段はもっと少ないでしょう。そこで、『イニストラード』の人間に倣うならば、1/4が目安ということになります。
『イニストラード』はホラーがメインであり、部族(や墓地利用)はサブの要素です。『神河物語』も部族要素はメインではありません。それでも「スピリット」という種族は特別な意味を持ちますので、枚数の目安ぐらいは考えておくことにしました。
『神河物語』4日目のプレビューです。
これ以降は、《死者の嘆き、崩老卑》を活かすために、起動型能力を持ったクリーチャーなどを入れたデッキが紹介されています(詳細は実際に記事を読んでください)。
最近は、プラスの効果は自分のパーマネントのみを対象にし、逆にマイナスの効果は対戦相手のパーマネントのみを対象にする傾向にあります。当時はそうした方針がなかったので、ダメージ軽減やパンプ能力を対戦相手のクリーチャーに使い、《死者の嘆き、崩老卑》とのコンボで除去する、ということは今よりもやりやすいでしょう。
今日の“お手軽デッキ”は、ちょっと先の未来を見てみようと思う。今回も普段どおりにデッキを組むけれど、普段と違うのは神河物語のプレビューカードを使うことだ……おまけにカード4枚が費用ゼロだしね!
どうしてゼロかって?まあ、単に Magic Online のトレードルームで探してて、結果がゼロだっただけなんだけどね。
かつて、あるプレイヤーは絶大な信頼を置き、他のプレイヤーは一笑に付していた2体のクリーチャーがあった。どちらもかつては笑いものになったものの、構築デッキにも入ってきたこともある。ルールがまだきちんと整備されていなかった頃、この2体のクリーチャーに対して何百万もの「これできるの?」なんて質問が飛び、ジャッジは頭痛を抱えたもんだ。その2体のクリーチャーとは、《卑屈な幽霊/Skulking Ghost》と《卑屈な脱走者/Skulking Fugitive》だ。
それでは、この卑屈軍団の長老の登場といこう……。
4マナ4/4飛行は一笑に付すわけにはいかないだろうけど、そこには能力がついている。えーと、能力だね。パルメザン抜きのピザなんて考えられないだろう? この能力は嬉しくなっちゃうぐらい対称的で、君も相手もその呪いを被るのさ。まあ、いい面から見れば、こいつは何の弱点もないと言えるかもね。なにせ、相手もそれを食らうんだから。別な面から見れば、このクリーチャーはアドバンテージを持っているとも言える。君は自分のデッキをそこを回避するように組める一方で、相手はまあ……何と言うか……卑屈になっちゃうんだから。
引用元
お手軽デッキ:崩老卑の軍団 更新日 Building on a Budget on 2004年 9月 3日
https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/building-budget/%E3%81%8A%E6%89%8B%E8%BB%BD%E3%83%87%E3%83%83%E3%82%AD%EF%BC%9A%E5%B4%A9%E8%80%81%E5%8D%91%E3%81%AE%E8%BB%8D%E5%9B%A3-2004-09-03
これ以降は、《死者の嘆き、崩老卑》を活かすために、起動型能力を持ったクリーチャーなどを入れたデッキが紹介されています(詳細は実際に記事を読んでください)。
最近は、プラスの効果は自分のパーマネントのみを対象にし、逆にマイナスの効果は対戦相手のパーマネントのみを対象にする傾向にあります。当時はそうした方針がなかったので、ダメージ軽減やパンプ能力を対戦相手のクリーチャーに使い、《死者の嘆き、崩老卑》とのコンボで除去する、ということは今よりもやりやすいでしょう。
神河自作 - 考察:陣営の色分けアイデア
2020年4月11日 Magic: The Gathering神河において、5通りの2色部族というものを考えてみます。
白赤:侍
青黒:忍者
黒赤:デーモン(スピリット)
白緑:スピリット
青緑:ウィザード
スピリットはイニストラードだと白青ですが、ここでは白緑です。イニストラードでは赤黒の吸血鬼がイクサランでは白黒、ローウィンでは青黒のマーフォークがイクサランでは青緑だったように、必ずしも固定的なものではないと考えています。
また、黒赤はデーモンとの複合ですが、スピリットの第二陣営のように扱います。
青緑をウィザードにしたのは、《大蛇の大魔導師、かせ斗》が蛇・ウィザードであることからそうしました。蛇だと青緑の色には相応しいのですが、5つある人型部族のうち、蛇だけを別格扱いにするのはおかしい話です。また、侍や忍者は職業なので、蛇という種族が混じるのも違和感があります。かといって、緑はウィザードのイメージが薄いのが難点なのですが。
スピリットは一旦置いて、職業のみで分けるとするならば、以下のような分け方も考えられます。
白赤:侍
青白:ウィザード
黒青:忍者
赤緑:シャーマン
緑黒:戦士
白黒:侍
青赤:ウィザード
黒青:忍者
赤緑:シャーマン
緑白:モンク
あるいは、単色だった種族を2色に拡張するならば、以下が候補です。
白赤:狐
青白:ムーンフォーク
黒緑:ネズミ
赤黒:ゴブリン
緑青:蛇
白黒:狐
青白:ムーンフォーク
黒赤:ネズミ
赤緑:ゴブリン
緑青:蛇
変則的ですが、種族・職業の複合を陣営とするのも考えられます。
白黒:狐・忍者
青赤:ムーンフォーク・シャーマン
黒緑:ネズミ・モンク
赤白:ゴブリン・侍
緑青:蛇・ウィザード
ただ、さすがにややこしさは否めません。どちらかといえば、「楔3色5通りのテーマから、1テーマ戦略5通り、2テーマ両立戦略5通りを作る」の、後者のような立ち位置になるでしょう。
白赤:侍
青黒:忍者
黒赤:デーモン(スピリット)
白緑:スピリット
青緑:ウィザード
スピリットはイニストラードだと白青ですが、ここでは白緑です。イニストラードでは赤黒の吸血鬼がイクサランでは白黒、ローウィンでは青黒のマーフォークがイクサランでは青緑だったように、必ずしも固定的なものではないと考えています。
また、黒赤はデーモンとの複合ですが、スピリットの第二陣営のように扱います。
青緑をウィザードにしたのは、《大蛇の大魔導師、かせ斗》が蛇・ウィザードであることからそうしました。蛇だと青緑の色には相応しいのですが、5つある人型部族のうち、蛇だけを別格扱いにするのはおかしい話です。また、侍や忍者は職業なので、蛇という種族が混じるのも違和感があります。かといって、緑はウィザードのイメージが薄いのが難点なのですが。
スピリットは一旦置いて、職業のみで分けるとするならば、以下のような分け方も考えられます。
白赤:侍
青白:ウィザード
黒青:忍者
赤緑:シャーマン
緑黒:戦士
白黒:侍
青赤:ウィザード
黒青:忍者
赤緑:シャーマン
緑白:モンク
あるいは、単色だった種族を2色に拡張するならば、以下が候補です。
白赤:狐
青白:ムーンフォーク
黒緑:ネズミ
赤黒:ゴブリン
緑青:蛇
白黒:狐
青白:ムーンフォーク
黒赤:ネズミ
赤緑:ゴブリン
緑青:蛇
変則的ですが、種族・職業の複合を陣営とするのも考えられます。
白黒:狐・忍者
青赤:ムーンフォーク・シャーマン
黒緑:ネズミ・モンク
赤白:ゴブリン・侍
緑青:蛇・ウィザード
ただ、さすがにややこしさは否めません。どちらかといえば、「楔3色5通りのテーマから、1テーマ戦略5通り、2テーマ両立戦略5通りを作る」の、後者のような立ち位置になるでしょう。
『神河物語』4日目のプレビューです。
MTGにおける初のレアであるネズミが《骨齧り》でした。現時点でさえ、レアのネズミはわずかに4体で、《群れネズミ》以外はすべて神河ブロックです。神河における黒の主要部族がネズミであり、他の次元でネズミが主要部族になることがないせいでしょう。強いて言えば、ラヴニカは都市次元であることから少しネズミに注目しているようで、先述の《群れネズミ》以外にも、ネズミ・トークンを出す《オーガの貧王》のようなカードもあります。
能力も、ネズミ算式でトークンを増やせる、実にネズミらしいものです。さらに、これはストーリー上の能力を反映したものとなっています。
また、今年はネズミ年です。年始の記事では、統率者デッキが公式で紹介されていました。
伝説のネズミは《鼠の短牙》や《鬼の下僕、墨目》もいます。しかし、それらはネズミ部族能力を持ちません。《骨齧り》が統率者に選ばれるのも当然です。
こうしたことから、初のネズミのレアとして充分に相応しい一枚と言えるでしょう。
かつて黒特集の時の僕の記事で、僕は「世の中にレアのネズミなんてものは存在しない」なんて文章を書いた(ああ、はいはい、《霧衣の究極体/Mistform Ultimus》ね。でも言いたいことはわかるだろうさ)。しかしどうやら、神河物語のデザイナーは僕をバカみたいな感じにしようとしてるみたいだね。ああ、どうやらこいつは、今後何ヶ月もの間僕を虜にするために登場してきたみたいだよ。他にどんな理由があって、こいつは毎日僕に向かって「やあ」なんて語りかけてくるんだい? こいつは陰謀だね。他にどんな理由があって、ブライアン・ティンズマンが夜に僕の部屋に忍び込んで、僕の豚さん貯金箱の中身を入れ替えるなんて事があるんだい? 絶対やつがやったんだ。他にどんな理由があって、僕がビル・ローズに僕の考えを盗まれないように、夜寝るときにアルミ箔の帽子をかぶっている件について、彼がなんのコメントをしないなんてことがあるんだい? 彼はそいつを出し抜く方法を見つけたからさ。他にどんな理由があって、神河物語にこのカードが入ったんだい?
幸いなことに、僕の黒特集の時のコラムに対して送られてきたコメントの多くは「そんなことするなんてあるわけが無いじゃん」とか「ほとんどが強制で捨て札させるんだけどね」とか「げげっ」とかで、そいつらはみんな正解さ。
さてさてさて。こちらをごろうじろーーネズミの親分の登場だ! ついに、マジックの歴史上の13体のネズミ(+《実験用ネズミ/Lab Rats》)(はいはい、+《霧衣の究極体》ね)のリーダーの登場さ。ちょっと奇妙に見えるかい? おそらく……単に推測だけど……ネズミは神河ブロックにおいて黒のメジャーな種族なんじゃないかと。おそらくは神河物語だけでも他に5体はいるんじゃないかなあと。でも、親分だけプレビューして、それと絡む他のクリーチャーを紹介しないってのは、あんまり意味がないよね。こいつはデッキのコラムなんだから、《骨齧り/Marrow-Gnawer》と関係する他のネズミも出す必要があるし、そこで彼がどんなことができるかを示さなきゃいけないだろう。今日は皆さんラッキーだよ――1回で6枚のプレビューだ! まずは《鼠のfdskmぇrしうあdhkっじぇwあっち行けjksdfcbんskyjスコットlbZLXDjwぇtるdvhckぁrbきSDfあうあうあうあうあうあうkjんtれrkじゃbc耳がwせdrftgyふじこlpんsjkdfgひzxkcjrんgkjわかったわかった、ちょっと予定を変えよう。今回は《骨齧り》のプレビューだけにするよ。
引用元
ネズミの年 更新日 Feature on 2004年 9月 2日
https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/feature/%E3%83%8D%E3%82%BA%E3%83%9F%E3%81%AE%E5%B9%B4-2004-09-02
MTGにおける初のレアであるネズミが《骨齧り》でした。現時点でさえ、レアのネズミはわずかに4体で、《群れネズミ》以外はすべて神河ブロックです。神河における黒の主要部族がネズミであり、他の次元でネズミが主要部族になることがないせいでしょう。強いて言えば、ラヴニカは都市次元であることから少しネズミに注目しているようで、先述の《群れネズミ》以外にも、ネズミ・トークンを出す《オーガの貧王》のようなカードもあります。
能力も、ネズミ算式でトークンを増やせる、実にネズミらしいものです。さらに、これはストーリー上の能力を反映したものとなっています。
ストーリー
骨齧り/Marrow-Gnawerは神河物語に登場する、鼠人の長。もとは凡庸な戦士の一人であったが、ある日突然神/Kamiが憑依したような変貌を遂げ、指導者階級であった実兄を含む三匹の鼠人/Ratfolkを殺した。その後、竹沼/Takenuma Swanp最大の鼠戦士の支配者となり、また長としての才覚を発揮する。
骨齧りは一夜にして三つの鼠の群れの長を屠り、彼らを一つにした。いまや彼は最初の主君と呼ばれている。(骨齧り/Marrow-Gnawer・フレイバー・テキストより)
彼は鼠人の戦力不足を自身から補う方法をとり、自ら600もの子孫を残した。当然カードの能力はそのストーリー設定に基づいたものであるが、ゲーム中に600体までトークンが増えることは多分ないだろう。
彼は小説無頼の徒/Outlaw:Champions of Kamigawaと、その続編Heretic:Betrayers of Kamigawaにも登場している。梅澤俊郎/Toshiro Umezawaにはからかわれ、沼居の顔役である浦紋の頭や切苦にあごでこき使われるなどいいところがない。
鼠人の長としての才覚を見せる以前の出来事なのだと思われる。
引用元
http://mtgwiki.com/wiki/%E9%AA%A8%E9%BD%A7%E3%82%8A/Marrow-Gnawer
また、今年はネズミ年です。年始の記事では、統率者デッキが公式で紹介されていました。
今年の干支は子(ねずみ)。十二支のトップバッターであるネズミは小さな動物だが、多元宇宙のありとあらゆるところに生息する生命力の象徴とも言える存在だ。大型クリーチャーはいないのだが、軽量で扱いやすいもの・対戦相手を妨害することに長けたもの・群れで戦うものと、一癖も二癖もある良いカードを多数擁している。
黒の部族の1つであるネズミに注目してデッキを組もう! できる限り多くのネズミ・カードを取り上げることで読者の皆に知らなかったカードと出会ってもらおう! そんな思いからフォーマットは自然と統率者に。
伝説のネズミなんていたのか、と思われる方もいることだろう。神河次元には知性ある二足歩行のネズミのヒューマノイドがおり、伝説的な存在となっているものも多数おるのです!
それじゃあ早速リストを見てもらおう、《骨齧り》デッキだ!
引用元
岩SHOWの「デイリー・デッキ」 2020.1.1 謹賀新年! マジックはじめは《骨齧り》で!?(統率者戦)
https://mtg-jp.com/reading/iwashowdeck/0033608/
伝説のネズミは《鼠の短牙》や《鬼の下僕、墨目》もいます。しかし、それらはネズミ部族能力を持ちません。《骨齧り》が統率者に選ばれるのも当然です。
こうしたことから、初のネズミのレアとして充分に相応しい一枚と言えるでしょう。
『神河新生』では、3色にまたがる陣営が3つあります。
赤白黒 侍
黒赤緑 シャーマン
黒緑青 忍者
この3色の勢力の中でも、色によって特徴を持たせようとしたのですが、
侍は1色ごとの特徴。
シャーマンも1色ごとの特徴。ただし、同じ色のスピリットとのシナジー。
忍者は2色ごとの特徴。
といったバラバラのやり方になりました。
今にして思えば、どれも2色ごとに特徴づけた方が、リミテッドでの2色の戦略を作り易かったかもしれません。
この場合は赤黒が侍とシャーマン(とスピリット)の両立、黒緑が忍者とシャーマン(とスピリット)の両立、ということになります。昨日考察したように、2色の戦略を2つのテーマの両立にすることも1つの手です。
その両立戦略が、スピリットと住民とのつながりも表すようなものにできていれば、なお良かったかもしれません。例えば、白黒緑(『神河物語』で転生をもつ色)でスピリットのテーマを持たせ、白黒の侍とのシナジー、黒緑のシャーマンとのシナジー、をそれぞれ持たせるといった具合です。
赤白黒 侍
黒赤緑 シャーマン
黒緑青 忍者
この3色の勢力の中でも、色によって特徴を持たせようとしたのですが、
侍は1色ごとの特徴。
シャーマンも1色ごとの特徴。ただし、同じ色のスピリットとのシナジー。
忍者は2色ごとの特徴。
といったバラバラのやり方になりました。
今にして思えば、どれも2色ごとに特徴づけた方が、リミテッドでの2色の戦略を作り易かったかもしれません。
この場合は赤黒が侍とシャーマン(とスピリット)の両立、黒緑が忍者とシャーマン(とスピリット)の両立、ということになります。昨日考察したように、2色の戦略を2つのテーマの両立にすることも1つの手です。
その両立戦略が、スピリットと住民とのつながりも表すようなものにできていれば、なお良かったかもしれません。例えば、白黒緑(『神河物語』で転生をもつ色)でスピリットのテーマを持たせ、白黒の侍とのシナジー、黒緑のシャーマンとのシナジー、をそれぞれ持たせるといった具合です。
『神河物語』3日目のプレビューです。
これ以降の文章は省略します。
「ターンを終了する」というのは、シンプルな文章です。しかし、新しい効果であり、厳密に処理するために総合ルールに新しく「ターンを終了する」という項目が追加されました。
神河のフレイバーやメカニズムに合わせたというよりは、新しいデザインに挑戦したカード、ということでしょうか。
なお、実戦においては、神河ブロック構築の明神フレアやヤソコンなどで数枚採用されていたようです。
余談
翌日にイラストについての記事が書かれました。イラストがリンク切れなので、これ以上は特に言及しません。
SKETCHES: TIME STOP Posted in Arcana on September 2, 2004
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/sketches-time-stop-2004-09-02
トーナメントプレイヤーの皆さん、このカードは注目ですよ。
ワーオ。マジで。ワーオ。もう一回見て見ましょうかね。
このカードは本気で面白いし、やる気が出ますし、新しいですね。この手の形容詞(特に最後のやつ)のついた多くのカードに似ず、《時間停止/Time Stop》は非常に強力でもあります。
あるカードが《時間停止》ほど興味深く新しいカードであったとして、我々の第一感はまずそれを既存のカードと比べることでしょう。昔ながらのカードで言えば、もちろんパワーナインの中核である《Time Walk》でしょう。《Time Walk》があるとしたら、《時間停止》は非常に弱いカードです。誰もこれの機能的には再版といえるカードがで出るとは思ってないでしょうが、一方で《Time Walk》から生まれた《時間のねじれ/Time Warp》は《時間停止》より1マナ軽い呪文です。確かに、1マナ分の代わりにソーサリーからインスタントになってはいますが、この手のスピードの格上げは、相手のエンドステップにプレイすることをメインに考えられていて、その方向だと《時間停止》は恩恵を受けられません。もうすぐ終わるはずのターンを停止させてしまうことに利点があるとは思えないですからね。それじゃ、このカードを強い《Time Walk》としてプレイできる最良のタイミングはいつなのでしょう?
《時間停止》を全力で(《Time Walk》として)使うということは、これを相手がカードを引く前に使うということです。つまり、この呪文を相手の開始フェイズに使うわけですね。相手が青でなければ、《時間停止》を相手のアップキープに使っても問題にはならないでしょう。赤い敵があなたに止めを刺す最後の焼き呪文を引かせないこともできますし、多くの緑や黒や白を選択した魔法使いのクリーチャーやソーサリーベースの作戦を台無しにしてしまいます。基本的に相手はマナをアンタップしてしまいます(ご存知の通り、これは重要なことです)が、相手にとって可能なことは非常に制限されてしまいます。こうすることで、我々はドローや攻撃を奪ってしまうことができるのですね。私たちの手札に、インスタントでないカードは何枚残そうがかまわないでしょう。《時間停止》といった大型呪文は、コントロール相手の場合でもアップキープにプレイするのがいいタイミングでしょう。彼らはしばしば、《永遠のドラゴン/Eternal Dragon》といった大型呪文をプレイするためのマナを確保するのに全力をつくしているからです。
しかし、《時間停止》は単なる重い《Time Walk》ではありません。それは面白いパーミション呪文でもあります。通常、呪文を有効に打ち消すためには、打ち消そうとする呪文よりコストが軽い必要があるでしょう。現在のスタンダードで使われている打消し呪文を見てみてください……《マナ漏出/Mana Leak》は筆頭ですが、ゲームが進むに連れパンチ力を失っていきます。《紛糾/Complicate》はまあまあですが、ゲームが進むとやっぱり使えなくなってきます。《巻き直し/Rewind》や《最後の言葉/Last Word》には興味深い追加効果がありますが、これらが使われるのは、現在のフォーマットには確定カウンターが多くないことが理由です……とにかく、《対抗呪文/Counterspell》も、それより格落ちの《堂々巡り/Circular Logic》も失われてしまっているのですから。
引用元
時の終わり 更新日 Feature on 2004年 9月 1日
https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/feature/%E6%99%82%E3%81%AE%E7%B5%82%E3%82%8F%E3%82%8A-2004-09-01
これ以降の文章は省略します。
「ターンを終了する」というのは、シンプルな文章です。しかし、新しい効果であり、厳密に処理するために総合ルールに新しく「ターンを終了する」という項目が追加されました。
神河のフレイバーやメカニズムに合わせたというよりは、新しいデザインに挑戦したカード、ということでしょうか。
なお、実戦においては、神河ブロック構築の明神フレアやヤソコンなどで数枚採用されていたようです。
余談
翌日にイラストについての記事が書かれました。イラストがリンク切れなので、これ以上は特に言及しません。
SKETCHES: TIME STOP Posted in Arcana on September 2, 2004
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/sketches-time-stop-2004-09-02
昨日の続きです(昨日の記事は編集してあります)。ここ最近のセットでは『基本セット2020』のリミテッドが評価されているそうです。
この点から、基本セット2020のドラフトのデザインについてコラムを読んでいました。
2色10通りの戦略で、2つの戦略にまたがるカードを作るのは難しい場合があります。
それを解決するため、楔3色5通りのテーマを用意したそうです。
青赤白 飛行
緑青赤 エレメンタル
白黒緑 横並べ
赤白黒 アグロ
黒緑青 ETBコントロール
すると、友好2色は1つのテーマが戦略、対抗2色は2つのテーマを両立させたものが戦略になります。こうすると、自然と2つの戦略にまたがるカードが用意できます。
例えば白の飛行は、青白飛行であり、赤白飛行&アグロの両方に関係することになります。
さらに、従来のやり方で2色ごとに10通りのテーマを作る場合、各色には4つのテーマを入れる必要があります。一方、楔3色で5つのテーマを作る場合、各色に入れる必要があるテーマは3つだけに減ります。変わったデッキを組むための基柱になるカードをデザインする余裕があったのも納得です。
もちろん、従来通り、複数のテーマに使えるカードを作ることもできます。エレメンタル+飛行は分かり易いでしょう。
また、楔3色でなく弧3色の場合でも同様のテーマ作りは可能でしょう。その場合、対抗色の戦略がテーマ1つで、友好色の戦略がテーマ2つの両立になります。
もっとも、こうしたテーマの分け方をそのまま基本でないセットに応用できるかは分かりません。こうした方法もあると覚えておけば、それをひねった形であれ活かせる可能性があります。
『基本セット2020』
良かったところ
このセットのドラフトは非常に上手くいった
『基本セット2020』に関して届いた最大の称賛の声は、ドラフトして本当に楽しいセットだというものだった。ヨニ・スコルニク/Yoni Skolnik率いるデザイン・チームは、面白いドラフトの選択肢と、基礎的な基本セットとしての働きを両立するような基本セットを作るためにかなりの時間を費やしたのだ。そしてそれは成功したようだ。
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2019.8.27 デザイン演説2019
https://mtg-jp.com/reading/mm/0032977/
この点から、基本セット2020のドラフトのデザインについてコラムを読んでいました。
ドラフトにて
『基本セット2020』のデザイン・チームが向上させようと考えた一番大きな部分は、リミテッドとドラフトの体験だった。『基本セット2019』は、2色の組み合わせ10組のドラフト・アーキタイプを基柱としていた。その中には、白青の「アーティファクト関連」テーマや緑白の「オーラ関連」テーマのように、非常に辺境で隣接するドラフト・テーマと組み合わせるのが難しいものがいくつかあった。その結果、カードのパワーレベル的位置づけにプレイデザイン上の問題が生じたのである。強くしすぎれば、そのアーキタイプをドラフトするプレイヤーが1人しかいなかったとき、(他の参加者はそれらのカードを選ぶ理由がないので)強くなりすぎる。また、弱くしすぎれば、誰もそのアーキタイプをドラフトしなくなってしまうのだ。基本セット以外のセットでは、必要な色の組み合わせで重複するテーマを作る助けとなる新メカニズムを利用することができる(例えば、青赤のドラフトを強化したければ、この2色を新メカニズムの主な色にすることができる)。しかし常盤木キーワードしか扱えない基本セットには、そのような道具は存在しない。
『マスターズ25th』と『アルティメットマスターズ』のセットデザインのリードを務めてドラフトのアーキタイプを作った(再録カードだけからなるマスターズ・セットでは、既存の要素だけからドラフト環境を作るという非常に独特な技術が必要とされる。)経験のあるヨニは、この問題を解決するための斬新な手法を思いついた。このセットを、3色の組み合わせを基柱にしたらどうだろうか。
『基本セット2019』には、「弧」3色(1色とその友好色2色)の伝説のドラゴンのサイクルがあった。これらは基柱とするためのフレイバーに富んだカードとしてデザインされており、セットに統率者戦で興奮させるものを加えていた。『基本セット2020』を『基本セット2019』と差別化するため、ヨニは「楔」3色(1色とその敵対色2色)の伝説のクリーチャーに注目するというアイデアを面白いと考えたのだ。そうなると、彼のドラフトの3色は楔(赤白黒、緑青赤、白黒緑、青赤白、黒緑青)になる。
楔の組み合わせを使うことを選んだので、ヨニ率いるチームは、それぞれの楔に含まれる友好色の組み合わせ(楔の中にはそれぞれ友好色の組み合わせが1組だけ存在する)に濃くテーマを持たせ、同じテーマを敵対色にはやや薄く持たせることに決めた。こうすれば、友好色2色でそのテーマのドラフトをすることも、敵対色を加えて3色でプレイすることもできるのだ。展開されるテーマは次の通り。
(中略)
また、このセットには5つしかテーマが存在しないので、ヨニ率いるチームは、経験のあるドラフト・プレイヤーがこのセットでもっと変わったデッキをドラフトできるように、基柱になるカードを、大抵はアンコモンに、デザインする余裕があった。
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2019.6.17 重点への『基本』
https://mtg-jp.com/reading/mm/0032616/
2色10通りの戦略で、2つの戦略にまたがるカードを作るのは難しい場合があります。
それを解決するため、楔3色5通りのテーマを用意したそうです。
青赤白 飛行
緑青赤 エレメンタル
白黒緑 横並べ
赤白黒 アグロ
黒緑青 ETBコントロール
すると、友好2色は1つのテーマが戦略、対抗2色は2つのテーマを両立させたものが戦略になります。こうすると、自然と2つの戦略にまたがるカードが用意できます。
例えば白の飛行は、青白飛行であり、赤白飛行&アグロの両方に関係することになります。
さらに、従来のやり方で2色ごとに10通りのテーマを作る場合、各色には4つのテーマを入れる必要があります。一方、楔3色で5つのテーマを作る場合、各色に入れる必要があるテーマは3つだけに減ります。変わったデッキを組むための基柱になるカードをデザインする余裕があったのも納得です。
もちろん、従来通り、複数のテーマに使えるカードを作ることもできます。エレメンタル+飛行は分かり易いでしょう。
また、楔3色でなく弧3色の場合でも同様のテーマ作りは可能でしょう。その場合、対抗色の戦略がテーマ1つで、友好色の戦略がテーマ2つの両立になります。
もっとも、こうしたテーマの分け方をそのまま基本でないセットに応用できるかは分かりません。こうした方法もあると覚えておけば、それをひねった形であれ活かせる可能性があります。
『神河物語』2日目のプレビューです。今回は、最初から新カードの紹介です。
以下、このカードの使い道を色々挙げているのですが、そこは省略します。
このカードは、メカニズムあるいはフレイバーという点からではなく、デッキ構築という点(これを中心としたデッキを組みたくなる)から作られたカードのように見えます。あるいは、過去のカード《高潔のあかし》の派生カードという扱いでしょうか。
ただ、結果的にはブロック限定の武士道7を与えているような挙動になっているのは面白いです。
余談
以下の神河の記事は、画像が表示されませんでしたので、飛ばします。
THE ARABA: KAMIGAWA’S CRATER PLAINS Posted in Arcana on August 31, 2004
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/araba-kamigawas-crater-plains-2004-08-31
時には、戦いの正しい側にいることもあるだろう。
そうなったら、相手に偉大なる《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》がいて、こっちにはちっぽけな《入り江の鷹/Bay Falcon》しかいなくたってかまわない。相手にトランプルのついた 6/6 のワームのトリオが揃ってて、こっちにリス・トークンが若干いるなんて事態でも知ったこっちゃない。事実、そもそも戦闘なんか関係ないだろう。
何せ君らは高潔な側にいるんだからな。
このゲームのベテランなら、このカードは《高潔のあかし/Righteousness》のやりたい放題バージョンだと感じるだろう。
俺が神河物語の《戦線維持/Hold the Line》を最初に見た印象は、こいつはエンペラー戦ドラフトで強烈な一枚になるだろうなってことだった。俺たちのグループがこの新しいフォーマットについて数か月検討した結果、皇帝がしばしば求めるのは、副官があまり使えない強くて強烈で使い勝手のいいカードだってことだ。副官も理論的にはこのカードを使えるが、来たパックにはもっとおいしそうなカード――クリーチャーそのものとか――があるだろうし、白が強いと思っている皇帝にとっては取りがいのあるカードだろう。
で、俺がこのカードを見たときの第二印象は、エンペラードラフトなんかやらない magicthegathering.com の読者諸君は、俺のコラムから別なものを読み取んなきゃいけないだろうなってことだった。いいじゃないか、好き嫌いの激しいご友人殿。だからって、俺がいつもの多人数ゲーム寄りのコラムから遠く離れるなんて思うなよ!
《戦線維持》は、俺が“蜘蛛”って読んでるグループのカードだーーこいつはデッキにわなを仕掛け、それによりカードアドバンテージを得るってやつさ。理想的なシナリオはこんな感じになるだろう。
引用元
高潔なる驚き 更新日 Serious Fun on 2004年 8月 31日
https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/serious-fun/%E9%AB%98%E6%BD%94%E3%81%AA%E3%82%8B%E9%A9%9A%E3%81%8D-2004-08-31
以下、このカードの使い道を色々挙げているのですが、そこは省略します。
このカードは、メカニズムあるいはフレイバーという点からではなく、デッキ構築という点(これを中心としたデッキを組みたくなる)から作られたカードのように見えます。あるいは、過去のカード《高潔のあかし》の派生カードという扱いでしょうか。
ただ、結果的にはブロック限定の武士道7を与えているような挙動になっているのは面白いです。
余談
以下の神河の記事は、画像が表示されませんでしたので、飛ばします。
THE ARABA: KAMIGAWA’S CRATER PLAINS Posted in Arcana on August 31, 2004
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/araba-kamigawas-crater-plains-2004-08-31
神河自作 - 考察:リミテッドの基準
2020年4月8日 Magic: The Gathering
オリジナルエキスパンションを作るにあたり、リミテッドで評価が高いセット『エルドラージ覚醒』を参考にしようかと考えていました。公式記事でそのような評価を目にした記憶があったからです。
ただ、後の記事では賛否両論になりました。
最近の記事では、大半のプレイヤーから不評、ということになっています。
その他で言うと、『イニストラード』も評価が高いとされています。上記のような撤回があるので、どこまで信用していいかは不明ですが。
『コンスピラシー』も評価は高いですが、特殊セットなので参考にはしにくい所です。
それに、リミテッドについては反省点として挙げられることの方も少なくありません。
公式でも度々、こうなるのですから、オリジナルエキスパンションでリミテッドのバランスが多少おかしくても気にする必要はないかもしれません。
参考
イニストラードについて
https://delete.diarynote.jp/201109262112058152/
https://delete.diarynote.jp/201109211852334155/
https://delete.diarynote.jp/201112302056088754/
https://delete.diarynote.jp/201109251937433490/
アヴァシンの帰還について
https://delete.diarynote.jp/201205060042362137/
https://delete.diarynote.jp/201205030031211065/
ROEが面白い理由とAVRがつまらない理由、M13の評価など
https://www.logsoku.com/r/2ch.net/tcg/1332051575/489-500
https://www.logsoku.com/r/2ch.net/tcg/1341820590/484-492
https://www.logsoku.com/r/2ch.net/tcg/1381199093/182-198
http://mtg.bigmagic.net/article/2016/11/アンデッドの処刑人/今日の1枚/アンデッドの処刑人.html
エルドラージ覚醒・ドラフト環境の解説
http://grgr.sitemix.jp/draft_strategy06.html
http://grgr.sitemix.jp/draft_roe_apercu.html
https://driftking.diarynote.jp/201004201832297418/
エルドラージ覚醒
ブライアンは箱の外で遊ぶことが好きなことで知られている。私見ではあるが、エルドラージ覚醒は彼の現時点で最高のデザインだった。リミテッドに関しては賞賛の声しか聞こえてこないし、チームはすべての目標を達成したと思う。それにも増して、彼らはマジックの世界に新しい、そしていずれ再び現れるであろう大敵を劇的に導入してくれたのだ。
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2010.10.11 デザイン演説2010
https://mtg-jp.com/reading/mm/0030977/
マジックの歴史上最も評価の高いリミテッド環境のひとつが、『エルドラージ覚醒』だ。環境を理解するのにちょっと難しいところがあるものの、ひとたび把握してしまえばどんなことでも可能になる。
この環境には、手が届く夢がいっぱいに詰まっている。その中でも最高なのは、やはりゲームを長引かせてエルドラージの一族を唱え、ゆっくりと対戦相手の盤面を削いでいく戦略だろう。
引用元
モダンマスターズ2015 EPISODE 02 エルドラージの逆襲
https://mtg-jp.com/reading/special/mm2/0014888/
https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/reconstructed/ja_rc_20150505
『エルドラージ覚醒』は、奥深く興味深いドラフト環境で素晴らしい印象を残している
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2016.8.30 デザイン演説2016
https://mtg-jp.com/reading/mm/0017420/
ただ、後の記事では賛否両論になりました。
最終的には、他の何とも似ていないリミテッド環境ができあがることになった。何が起こっているのかを把握できていれば、あらゆる特殊なゲームプレイがあり得た。把握できていなければ、デッキを組み上げることすらできないような罠がそこかしこに潜んだリミテッドとなったのだ。2マナ2/2クリーチャーのような単純なものをデッキに入れるのは普通なら有効だが、駄目なのだ。これらの結果、『エルドラージ覚醒』に関するプレイヤーの評価は見事に二分した。リミテッドが大好きなプレイヤーは、このセットが大好きになった。違っていて、予測不能で、技術が活かせるのだ。リミテッドがそれほど好きでないプレイヤーは、このセットを大嫌いになった。何がどうなっているのか理解できず、いつでもこれっぽっちも楽しくない局面に追い込まれて負けてしまうのだ。
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2015.9.8 戦乱に向けて その1
https://mtg-jp.com/reading/mm/0015692/
最近の記事では、大半のプレイヤーから不評、ということになっています。
この手法の問題は、1つ(これについては後述する)以外のあらゆる指標で見て『エルドラージ覚醒』はプレイヤーに不人気だったということである。購入量は少なく、プレイ数は少なく、市場調査の結果は悪かった。しかもこれは、同じゼンディカーを舞台にした人気セット2つの直後のセットだったのだ。例外だった1つとは、熱心なドラフト集団だった。通常の戦略が成立せず、どうプレイするかを再考しなければならないという事実は、ドラフト・フォーマットを彼らには好評なものにしたのだ。それと対照的に、そう熱心でない集団は1~2回プレイして、通常の手法が成立しないことで理由も理解できずに混乱することになり、楽しくないのでプレイを止めてしまっていた。
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2020.4.6 『イコリア』に出会う以上に
https://mtg-jp.com/reading/mm/0033923/
その他で言うと、『イニストラード』も評価が高いとされています。上記のような撤回があるので、どこまで信用していいかは不明ですが。
イニストラード
私はマジックの過去の成功の多くに関与しているが、このセットほどのホームランは見たことがない。イニストラードは、セットが気に入るあらゆる理由に基づいて愛された。リミテッドは大成功を収め、トッププロの何人かは史上最高のリミテッド環境だと呼んでいる。
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2012.9.6 デザイン演説2012
https://mtg-jp.com/reading/mm/0004195/
『コンスピラシー』も評価は高いですが、特殊セットなので参考にはしにくい所です。
ショーン・メイン/Shawn Mainは、ドラフトして多人数戦をするための、そしてドラフトに影響を及ぼすリミテッド用商品という非常に突飛な商品の構想を持っていた。
そして、『コンスピラシー』は大々成功を収めた。永遠にこのような商品をプレイすることはないだろうと思われていたプレイヤーからさえ、多くの好評を受けたのだ。私は、マジックが常に進化し続けることが好きで、『コンスピラシー』はまだまだ素晴らしいアイデアが眠っていることを示す完璧な一例である。
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2014.8.19 デザイン演説2014
https://mtg-jp.com/reading/mm/0011020/
それに、リミテッドについては反省点として挙げられることの方も少なくありません。
2010/2011年の教訓
プレイヤーを、相競い合う2つの陣営に分けるということは全体的には成功だったが、特にミラディンの傷跡だけでのドラフトで明らかになった、デザイン上の問題が1つあった。
引用元
翻訳記事その他 2011.8.31 デザイン演説2011
https://mtg-jp.com/reading/translated/0003990/
イニストラードのリミテッドに基準を置かなければならない
アヴァシンの帰還に人気があると言っても、全てが正しかったわけではない。最大の問題点は、リミテッドのゲームにあると言える。
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2012.9.6 デザイン演説2012
https://mtg-jp.com/reading/mm/0004195/
『ギルド門侵犯』のリミテッド
これはいろいろな問題があった。まず、『ギルド門侵犯』を『ドラゴンの迷路』と差別化するために、『ギルド門侵犯』の環境を速くするという判断をした。速くしすぎたのだ。遅いギルドを使うのが難しいほどに速くなり、リミテッドをプレイする上での選択肢を減らしてしまった。また、速すぎて面白いことが起こる間もなかったこともしばしばだった。これによって、リミテッドを楽しめなかったプレイヤーもいたと思う。
2つめの問題は、1つめとも関連するが、色同士のシナジーに強弱の差があった。ここから、色、そしてギルドのプレイ上のバランスが失われていた。
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2013.9.4 デザイン演説2013
https://mtg-jp.com/reading/mm/0004241/
『イクサラン』ブロック(『イクサラン』『イクサランの相克』)
・単純さを重視しすぎた
前回と前々回のデザイン演説の記事で、「デザイン全体」の項目で挙げた教訓の1つが「複雑すぎた」であった。この問題を解消しようという欲求から、我々は逆の方向に振りすぎてしまったのだ。我々はコモンに(「パワーやタフネスを変えるコモンのクリーチャーは正方でなければならない」など)新しい規則をいくつか作ったが、そのせいでデベロップ・チームがリミテッドに深みを持たせることは非常に難しくなった。(それ以降、我々はそれらの新しい規則の多くを撤回した。)
・不均等な(そして4つだけの)陣営は、我々が予想していた以上にシステムに負荷をかけるものだった
3/3/2/2色にしたことには充分な説得力のある理由があった。翌年に来ることがわかっていた『ラヴニカ』と同じカタチにならないような陣営のセットを作ることが必要で、そして注目を集めることになる新しい部族(恐竜と海賊)に重点を置く必要があったのだ。新しいコモンの単純さの規定とまったく同じように、我々は、その不均等な部族が生み出すデベロップ上の問題を完全には理解していなかったのだ。それはバランスの問題を生み出し、サイクルを非常に作りにくくし、そして一般に公開されてからは、このリミテッドで3色を主なテーマにしていないセットであまりにも多くのプレイヤーが3色を志向するようにしたのだ。このような色の割り振りをもう一度するかどうかはわからないが、もしするのであれば、その代償についてずっとよく考えることになるだろう。
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2018.8.21 デザイン演説2018
https://mtg-jp.com/reading/mm/0030991/
『ラヴニカのギルド』と『ラヴニカの献身』
・『ラヴニカの献身』のリミテッド環境は『ラヴニカのギルド』ほどの深みがなかった
これもまた、ドラフト・プレイヤーから受けたよくある苦情の1つである。『ラヴニカのギルド』は、ドラフトを繰り返せるように作られており、多くのプレイヤーが『ラヴニカの献身』もそうあってほしいと願っていた。
『灯争大戦』
・レアや神話レアの爆弾カードが多すぎた
このセットに関して耳にした不満の中で最も多かったのはこれである。プレイヤーは一般に今回のリミテッドのゲームプレイが大好きだったが、永遠神を筆頭にしたコモンやアンコモンでほぼ対策できないレアや神話レアの多さは嫌っていた。この問題は、リミテッドで強力なレアや神話レアを減らすのではなく、低レアリティの対策カードを増やすことで解決できた可能性がある。
『モダンホライゾン』
・このセットでのドラフトは、罠にはまりやすすぎた
このセットの複雑な性質から、さまざまなことが起こっていた。これは、誰かがあるカードを初期にピックし、ドラフトするのに充分な量の補助がないテーマを暗示していると思い込むようなドラフトではよく起こる問題になった。これは、このセットの奇妙で1枚限りという性質がかなりの部分で特徴であるので、簡単に解決できる問題ではない。おそらく、もう少し時間をかけて、何がドラフトで成立して何が成立しないのかをドラフト・プレイヤーに知らせることはできたのではないだろうか。
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2019.8.27 デザイン演説2019
https://mtg-jp.com/reading/mm/0032977/
公式でも度々、こうなるのですから、オリジナルエキスパンションでリミテッドのバランスが多少おかしくても気にする必要はないかもしれません。
参考
イニストラードについて
https://delete.diarynote.jp/201109262112058152/
https://delete.diarynote.jp/201109211852334155/
https://delete.diarynote.jp/201112302056088754/
https://delete.diarynote.jp/201109251937433490/
アヴァシンの帰還について
https://delete.diarynote.jp/201205060042362137/
https://delete.diarynote.jp/201205030031211065/
ROEが面白い理由とAVRがつまらない理由、M13の評価など
https://www.logsoku.com/r/2ch.net/tcg/1332051575/489-500
https://www.logsoku.com/r/2ch.net/tcg/1341820590/484-492
https://www.logsoku.com/r/2ch.net/tcg/1381199093/182-198
http://mtg.bigmagic.net/article/2016/11/アンデッドの処刑人/今日の1枚/アンデッドの処刑人.html
エルドラージ覚醒・ドラフト環境の解説
http://grgr.sitemix.jp/draft_strategy06.html
http://grgr.sitemix.jp/draft_roe_apercu.html
https://driftking.diarynote.jp/201004201832297418/