神河現代 - 公式ストーリー第18章
神河現代 - 公式ストーリー第18章
神河現代 - 公式ストーリー第18章
公式サイトで、ネオ神河のストーリー記事が公開されました。
昨日と同様、統率者デッキのパッケージを飾る《天才操縦士、コトリ》のサイドストーリーです。

 カツマサは今も空の上、大田原にいる。いずれにせよ、この任務の顛末を知ることになるだろう。もし今すぐに自首すれば、自分の経歴はそこまで傷つかないかもしれない。不安定な接続によるもの、そう言い訳をして幾らか評価を取り戻せるかもしれない。

 けれど大田原に戻ったならこのメカは間違いなく解体され、勝利械は始末されるか別の実験に転用されるだろう。何故か、有馬の顔が心に浮かび上がった。困惑と罪悪感に流されそうになるのをコトリは感じた。沢山の人を殺してしまった。神を見殺しにしようとした。

「どうしよう、勝利械」

 何か力強いものがメカの内にうねった、まるで岩に打ち付ける波のような。『我々自身の道を行こう』

 崩れた部屋をコトリは見渡した。破れた障子戸から涼しい風が流れ込んだ。強化された視覚で、彼女は壁の先を見た。取り囲む建物は、母聖樹の巨大で節くれだった枝を灯篭のように照らし出していた。

 逃亡は永続的な解決策ではない、それはわかっていた。逃げることはできる、けれど逃げたなら戦いが待っているだろう。当然の報い。けれど少なくとも、起こってしまった物事を考え、情報を集め、次なる行動を決めるだけの時間は持てるだろう。

 定命と神、ふたりの意志は、水が下流へと流れるかのようにたやすく融和した。

「そうしようか」

 血と埃が渦巻く統合の歪みからコトリは――勝利械は離れた。触れると、木の扉は崩れ去った。外に出ると、夜明けを告げるかすかな光が母聖樹の大枝を縁取るのが見え、けれどその根の下には絶えることのない影が横たわっていた。

 密閉の幕を起動し、コトリは――勝利械は兵団の隠れ家を離れ、闇の中へと足を踏み入れた。

引用元
神河:輝ける世界 EPISODE 18
サイドストーリー:新紀元機関
https://mtg-jp.com/reading/ur/NEO/0035778/


ある日コトリは、師匠である《命を与える者、カツマサ》が開発した新型のロボ《開闢機関、勝利械》の操縦士として選ばれたところから話は始まります。
昨日のとは対照的に、神ではなく機械がメインの話か、と思って読み進めていました。
しかし、そのロボの中に神がパーツとして組み込まれていること、カツマサに利用されていたこと、が明らかになります。
秘密を知ったコトリは大田原には戻らず、勝利械、その中の神と共に独自の道を歩むことを決意する、という顛末です。

ここで思い出すのが、第1章「魁渡・起源の物語」です。
定命と精霊の領域の統合から神を守る手段として、タメシは神と機械との融合を研究していました。
研究は中断したものの、彼は「神はいずれ自ら機械との融合を選ぶ」と考えていました。
カツマサの開発した勝利械は、神と機械の融合とは言えますが、およそ神の意志を尊重したものとは言い難い代物です。
こうした技術の行く末がどうなるのか、気になります。
ネオ神河に再訪した際、定命と精霊の領域の統合がストーリーの軸になるならば、勝利械がまた登場するような展開もあり得るのでは、と想像が膨らみます。

※1
神河現代 - 公式ストーリー第1章
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/202112172006063894/


その他の情報です。

Kamigawa: A Visual Novel
https://yrstruly.itch.io/kamigawa-a-visual-novel

コメント

nophoto
Sin
2022年2月10日21:09

やっぱり2ブロック使ってストーリーをじっくり描いた方が良かった気がしますね。

折角丁寧にバックストーリーを作ったのにメインストーリーでそれに対して触れずに終了というのは勿体無い。

研究者
2022年2月10日23:27

確かに、ストーリーをもっと描いて欲しかったですね。
特に、現地人の活躍を見たかったので。
不人気次元への再訪、という初の試みなので、2セット使うのは躊躇われたのかもしれません。
ラヴニカやイニストラードのように人気が確立していればまた違ったのでしょうが。

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