神河当時 - ASK WIZARDS 新ずべらが2枚の理由
神河当時 - ASK WIZARDS 新ずべらが2枚の理由
June 29, 2005
Q: "In Saviors of Kamigawa why only make two new Zuberas instead of five as you did in Champions of Kamigawa?"
--Alexander
Copenhagen, Denmark

A: From Brian Tinsman, Magic R&D:
"Alexander,
"Early in the design of the entire Kamigawa block we played around with an unconventional set structure. One aspect of this structure was that we radically decreased the level of five-card cycles and increased the levels of ’pairs.’ Many of the cycles you see throughout the Kamigawa block were originally just two opposite-color pairs instead of five cards in five colors. One example is the Kirin, which were originally just the white and black versions. In the end we decided that this structure felt too strange and hindered our focus on the more important set themes. But some of the pairs we liked enough to keep just as they were, and thus we kept Iname, Life Aspect / Iname, Death Aspect, Hand of Honor / Hand of Cruelty, and Rushing-Tide Zubera / Burning-Eye Zubera, among others."

引用元
ASK WIZARDS - JUNE, 2005 Posted in Feature on June 1, 2005
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/ask-wizards-june-2005-2005-06-01


WotCに送られた質問に答える記事"ASK WIZARDS"の2005年6月分です。

この中から取り上げるのは、「なぜ『神河救済』の新しいずべらは5枚サイクルでなく2枚だけなのか?」という質問です。
元々、神河ブロック全体で型破りな構造にしようという発想がありました。
その1つが、5枚サイクルを減らして、対抗色2枚ペアを増やそう、というものです。
最終的には、違和感が大きくなったため、5枚サイクルにされました。
例えば、麒麟サイクルは元々は白と黒の2枚ペアだったそうです。
一方で、2枚ペアのまま残ったカードもあります。
《死相の否命/Iname, Death Aspect》《生相の否命/Iname, Life Aspect》や《名誉の手/Hand of Honor》《残虐の手/Hand of Cruelty》などがそうであり、《寄せる潮のずべら/Rushing-Tide Zubera》《燃える眼のずべら/Burning-Eye Zubera》もその1組という訳です。

対抗色2枚ペアのカードというのは時折みられます。
先述の《名誉の手》《残虐の手》の元祖である《白騎士/White Knight》《黒騎士/Black Knight》はその典型でしょう。
ずべらにしても、最初から2枚ペアで登場しているならともかく、先に5枚サイクルが出ただけに、違和感を覚えるのも無理はありません。


補足
神河のことではありませんが、同記事の質問で興味があったものを載せます。

2005年6月28日の質問
Q.色付きアーティファクトを作ることは考えないのか?
A.やらないと決めている。エンチャントと差がなくなる。

2005年6月20日 補足:部族・人間は作られるか?
Q.人間のロードは作られないのか?
A.わからない。開発部内でも賛否両論。

当時と今とで考えが変わっていく様子が伺えるのも、過去の記事を見る意義です。

コメント

レベラー
2021年10月9日22:14

この記事を読むまで、ずべらについて調べたことが無かったのですが、
テーロスのゾンビと少し似た感じの、面白い設定ですね!

作らない方針で合った有色アーティファクトが、現在、多く作られている点も興味深いです。
(それだけ、無色カードのバランスをとるのは難しかったということでしょう?)

研究者
2021年10月10日7:11

有色アーティファクトを多く作るようになったことやその理由については、例えば以下の記事に書かれています。
どの色でも使える、無色であることがアーティファクトの特徴ですが、同時に問題の温床であると考えられたようです。
基本セットですら入るようになったのですから、これからも次元を問わずに登場するでしょう。

Making Magic -マジック開発秘話- 2019.6.24 目に見えるよりもっと『基本』
https://mtg-jp.com/reading/mm/0032647/
『カラデシュ』がスタンダードに与えたひどい影響から生じた結果の1つに、開発部がアーティファクトを深く検証したということが挙げられる。
歴史的に、大量のアーティファクトをプレイすることに焦点を当てたセットのほとんどではプレイデザイン上の問題が生じ、禁止につながることも多かった。
市場調査の結果からプレイヤーたちがアーティファクトを大好きだということがわかっていたので、我々はそれを続ける方法を見つける必要があったが、それによって生じ続けている問題に対処する方法も必要だったのだ。
この問題について研究した結果、カラー・ホイールを組み込むようにすることが必要だということが明らかになった。
壊れたアーティファクトがほとんどどんなデッキにも入るという事実が、通常の強力すぎるカードに比べてアーティファクトでの失敗をはるかに問題の大きなものにしているのだ。

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