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待機(当時の名前は「遅延/Delay」)は、本来『神河救済』のためにデザインされたものである。『神河物語』ブロックには伝説のテーマがあり、ブライアン・ティンスマン/Brian Tinsman率いるデザイン・チームはレアの伝説の呪文のサイクルをデザインすることを決めていた。彼らはさまざまなものを試し、そして唱えるためのコストが軽い代わりに解決するのに時間がかかる、大型で派手な呪文が一番心躍らせるものだと見つけたのだ。ブライアンがそのメカニズムを私に見せてきたとき、私は、それは非常にクールだが、サイクル1個にはあまりにも大きすぎるメカニズムだと言った。ブロック全体の軸となるようなメカニズムなので、検討を続けるように言ったのだ。私は彼に、おそらく『神河救済』以外になるが、そのメカニズムの居場所を見つけると約束した。そのサイクルは最終的に、歴伝メカニズムを導入することになる。
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2021.3.9 『時のらせん』ブロックについて諸君が知らない27のこと
https://mtg-jp.com/reading/mm/0034841/
『時のらせんリマスター』の登場にあたり、『時のらせん』ブロックの小ネタを語る記事です。
「待機/Suspend」は、もともとは「伝説の呪文サイクル」というデザインで設計されたものでした。ただ、サイクルだけで終わらせるにはもったいないということで、『時のらせん』ブロック全体で登場する主要メカニズムとなりました。そして、「伝説の呪文サイクル」には「歴伝」が作られることになりました。
『時のらせん』ブロックでは「待機」は伝説の呪文というフレイバーはありません。ただ、その舞台を再訪した『ドミナリア』では、「伝説のソーサリー」というメカニズムが登場しています。
神河とドミナリアが、「伝説の呪文」メカニズムで繋がっているというのは面白い因縁です。
余談
引用した記事のタイトルには「諸君が知らない27のこと」とありますが、待機が『神河救済』のメカニズムだったということは、15年前の記事で取り上げられています。それだけ昔の記事であれば、知らない(忘れている)読者の方が大半でしょうが。
TIME SPIRAL Q&A Posted in Latest Developments on November 10, 2006
https://magic.wizards.com/en/articles/archive/latest-developments/time-spiral-qa-2006-11-10
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