神河当時 - 《輝く群れ/Shining Shoal》とピッチスペル
神河当時 - 《輝く群れ/Shining Shoal》とピッチスペル
神河当時 - 《輝く群れ/Shining Shoal》とピッチスペル
マジックの開発部は、時にはBASFの企業に似ている。「私たちが作ったのは『(お好きな物の名前をどうぞ)』ではありません。もっと素晴らしいものです」ってところか。 神河謀叛では、かつての人気サイクルに新たなひねりを加えることは、過去の改良と言うものの一例となるだろう。

かの黄金時代、開発部のスカッフ・エライアスやジム・リンといった面々は一緒に「アライアンス」というちょっとばかりアツいセットをまとめたんだけど、その中には後に伝説となる呪文のサイクルがあった——「ピッチスペル」だ。これらは全部通常は5マナのカードでだけど、それぞれが同じ色のカードをゲームから取り除く(ついでに1ライフ支払うこともある)ことで、マナ無しでプレイすることができる。まあ、確かに伝説となったのは《Force of Will》——このサイクル最強カード——だけかもしれないけど、その「無料っぽさ」はゲームの歴史上最強カードの一角となった。

ピッチスペルはそれ以降何度も帰ってきた(メルカディアン・マスクスの《誤った指図/Misdirection》や《落盤/Cave-In》を思い出すね……私の名前がベン・ブライワイスだったら、君の楽しみのために全カードのリストを作るんだけどね)。そして、神河謀叛のリード・デザイナーのマイク・エリオットは新たなピッチスペルのサイクルを作った。そして、彼が袋から取り出したのは、“X”の文字だったんだ。

X印
マイクが考えたのは、取り除いたカードのコストに関連するカードのサイクルだ。それぞれは通常の呪文としても使えるX呪文だけど、適切な色のカードを取り除くことでマナ抜きでプレイした場合、Xは取り除いたカードの点数で見たマナ・コストに設定されるんだ。このアイデアは素晴らしくエレガントで、調整中もほとんど触られることはなかった。

これは、考えてみれば恐ろしいことかもね。

開発部の“タダでプレイ”カードの正当性とバランスの伝統を引き継ぐカード、《輝く群れ/Shining Shoal》をご紹介しよう。

《輝く群れ/Shining Shoal》

(日本語版訂正:2つ目の能力の表記が「あなたに与えるX点のダメージは、~」となっているが、これは誤りである。「あなたかあなたがコントロールするいずれかのクリーチャーに与えるX点のダメージは、~」と読み替える。)

こんなのは初めて見るだろう。でも、今後数ヶ月の間に、君の相手は間違いなくこいつを君に叩きつけてきて、君は間違いなく痛い目に遭うだろうね。マジックの調整リーダーのブライアン・シュナイダーの台詞を借りよう。

Bs 4/29: […]このカードはいつか大変なことになる[…]

引用元
輝きにご注意 更新日 Latest Developments on 2005年 1月 21日
https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/latest-developments/%E8%BC%9D%E3%81%8D%E3%81%AB%E3%81%94%E6%B3%A8%E6%84%8F-2005-01-21


《輝く群れ/Shining Shoal》のプレビューです。

ピッチスペルは、というよりもその1つの《意志の力/Force of Will》が人気が高いがゆえに、それまでも何度か帰ってきていました。そして、この『神河謀叛』でも帰ってきたというわけです。なぜこのタイミングなのかまでは定かではありませんが。

単純に再登場するだけではなく、新しいメカニズムを、ということで「取り除いたカードのコストに関連するX呪文」というアイデアが採用された、ということです。

ピッチスペルは不要なカードをマナ・コストの支払いにあてられるのが強みなので、序盤に引いた重いカードや、終盤に引いた軽いカードが処理できると嬉しいでしょう。そう考えると、カードのコストで効果が左右されるのは、若干その強みを消してしまっているとも言えます。普通X呪文のXは多ければ多いほど良いのですから。

その点、《撹乱する群れ/Disrupting Shoal》は少し変わっています。Xが大きいほど良いわけではなく、相手の呪文に合わせる必要があるからです。構築においては概ね軽いカードが好まれますし、余程極端なマナカーブをしていなければ、ピッチコストで打てるチャンスはそれなりにあるでしょう。このサイクルの中では、バランス調整が良い方だと思います。

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