神河当時 - レジェンド・ルールの提唱者
2020年4月25日 Magic: The Gathering
『神河物語』10日目のプレビューです。
レジェンド・ルールの変更については、すでに他の日記でも扱っています(※1)。
ここでの新しい情報というと、その変更を提案したのが「ズヴィ・モショウィッツ/Zvi Mowshowitz」だということでしょうか。
※1
神河資料 - レジェンド・ルール
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/202001072218452110/
神河当時 - レジェンド・ルールの変更
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/202004032034023059/
話は1年半ほどさかのぼる。2003年3月23日。イタリアはベネチア。フォーマットはオンスロートブロック構築。プレイヤーはビリー・ジェンセンと、最終的にこのトーナメントを勝ったオシップ・レベドヴィッチ。プロツアー準決勝。ジェンセンは《怒りの天使アクローマ/Akroma, Angel of Wrath》を手札に何枚も抱えたまま、相手の天使の前に沈んでいった。
観客の中にいたマジック開発部の面々はうなり声をあげた。
「レジェンド・ルール」は新しいクリーチャー・タイプ――レジェンドをサポートするために、マジックのかなり初期の段階で生み出されたルールだが、こいつは長いこと開発部の悩みの種だった。そのルールは、イメージ的な側面からはかなりうまくいっている――すでに戦場にいるレジェンドを召喚しようとしても、その呪文は失敗する――のだけれど、イメージではルールほどバスを先に走らせられない。レジェンドが強すぎた上に出すのが簡単すぎる場合、ゲームはしばしばどちらがそれを先に出すかの競争になってしまう。この問題は、メルカディアン・マスクスブロック構築の《果敢な勇士リン・シヴィー/Lin Sivvi, Defiant Hero》ですでに鎌首をもたげていて、最終的にこのカードはブロック構築では禁止になってしまう。我々はそれ以降、軽くて強力なレジェンドを作るのをやめたが、それで問題が無くなったわけではない。実際にプロツアーは、一方が8マナの天使を出して、相手の手札にある同じカードをがんじがらめにしたことで決まったんだ。
解法
その日のこと、イベントが終わった後で、マジックのデザイナーでありプロツアーの顔役のマーク・ローズウォーターは何人かのプレイヤーを連れて、「レジェンド・ルール」とその問題点、特にトーナメントにおける問題について議論しあった。ジャスティン・ゲイリーとズヴィ・モショウィッツはアイデアや有効そうな修正をいくつか出していったが、ローズウォーターはそれら全部にダメ出しをしていった。しかし、ズヴィは金鉱を掘り当てたのさ。
「2枚目のレジェンドが出たら、両方が墓地に置かれるようにしたら?」と彼は尋ねた。
「ほぉ……そいつはすばらしいね。」とローズウォーターは言った。
別な邪魔者
話をさらに、オンスロートの開発までさかのぼろう。そのセットには、《映像の造形者/Imagecrafter》など数多くのクリーチャー・タイプを変更するカードが入っていた。しかし、ほんのいくつかのタイプ――名指しするならレジェンドと壁なんだが――にはルールがくっついているため、我々はそのカードに、プレイヤーがそれらのタイプを選べないようにするためのおまけを付けなくちゃいけなくなった。そのため《映像の造形者》は、「{T}:クリーチャー1体を対象とする。クリーチャー・タイプを1つ選ぶ。ターン終了時まで、そのクリーチャーのクリーチャー・タイプは選ばれたタイプになる。」となる代わりに「{T}:クリーチャー1体を対象とする。レジェンドでも壁でもないクリーチャー・タイプを1つ選ぶ。ターン終了時まで、そのクリーチャーのクリーチャー・タイプは選ばれたタイプになる。」となったんだ。この制限はカードに何回も出てきて本当にうっとうしかった。そんな余計な文章は、この「ルール上の障害」のついているクリーチャー・タイプがあるべきなのかどうかという議論に発展した。
開けたブースターパックから出てきたのがレジェンドだった場合、それが1体しか場に出られないって言うことはすぐにはわからないし、クリーチャー・タイプだけではそのカードが他とどう違うのかわからないだろう。壁も同じだ……第4版の頃、多くのプレイヤーは《人喰い植物/Carnivorous Plant》で攻撃を行っていた。その巨大なクリーチャーが攻撃できないということは直感的ではなかったからだ。我々は壁の問題(の一部)を注釈文をつけることで修正したが、ルールの関係してくるタイプという問題は残ったままだったし、レジェンドもそのままだった。
さらに言えば、“レジェンド”はクリーチャー・タイプだが“伝説の”――“伝説の土地”や“伝説のアーティファクト”などの――は特殊タイプだ。この奇妙さはレジェンド時代から引き継がれてきたもので、現在のシステムでサブタイプや特殊タイプを扱う際に、統合性をもてていない状況だった。
引用元
伝説のルール変更 更新日 Latest Developments on 2004年 9月 10日
https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/latest-developments/%E4%BC%9D%E8%AA%AC%E3%81%AE%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%A4%89%E6%9B%B4-2004-09-10
レジェンド・ルールの変更については、すでに他の日記でも扱っています(※1)。
ここでの新しい情報というと、その変更を提案したのが「ズヴィ・モショウィッツ/Zvi Mowshowitz」だということでしょうか。
※1
神河資料 - レジェンド・ルール
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/202001072218452110/
神河当時 - レジェンド・ルールの変更
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/202004032034023059/
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