神河当時 - 一徳氏の起用
神河当時 - 一徳氏の起用
神河当時 - 一徳氏の起用
今回はアート・世界観についての記事です。

それは 2003 年の冬の話で、開発部のクリエイティブチームは長い議論の末、“アース”と呼ばれていたマジックの新しいエキスパンションのために新しい次元を作ることを決めました。今回、ゲームデザインとしてレジェンドをたくさん入れることが決まっていて、ぜひともアラビアン・ナイトのような世界を生み出そうという話で盛り上がっていました。実際の話、リチャードが今すぐ東洋世界に行きたくないというのはわかってはいましたが、アラビアン・ナイトの発売からはもう10年もたっているのですし、日本文化を基準とした次元を創り出すのにいいタイミングなんじゃないかと思ったのです。

開発の初期の段階では、ブレイディ・ドマーマスと私は調査に時間を費やしました。我々は日本の市場でも受け入れられる日本をベースとしたファンタジーの舞台を創らなければなりません。それは我々がまったく見たことの無いものでなければならず、しかも100%マジックである必要があるのです。この仕事は我々にはぴったりです。そこで我々はこの仕事をやり遂げるために、コンセプト・イラストのオールスターチームを集めました。オーガのような大型クリーチャーはヒュー・ジャクソン、新しい環境はロブ・アレクサンダーに任せました。アンソニー・ウォーターズは多くのとんでもない神という名のスピリットを生み出しました。

物事はうまく行っているようでしたが、このパズルには決定的な一ピースが足りませんでした。コンセプトアートを引っ張る日本人アーティストが必要だったのです。私はこの仕事をアメリカ人だけで流行りたくありませんでしたし、日本人のアーティストはこの新しいマジックの世界に本物の感覚をもたらしてくれるでしょう。そんなときに、私は一徳を見つけました。毎日イラストの仕事にかかる前に、彼は一時間ほど剣を振って創造力を高めるのだそうです。彼が言うに、剣は自分の精神を鉛筆に集中させてくれるんだとか。アーティストが剣を振るう様を見れば、そこから多くを見て取ることができるという話ですね。他の人は、まあ腕立て伏せで一日を始めるんですがね。

引用元
舞台裏から:神河世界の創造 更新日 Feature on 2004年 9月 6日
https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/feature/%E8%88%9E%E5%8F%B0%E8%A3%8F%E3%81%8B%E3%82%89%EF%BC%9A%E7%A5%9E%E6%B2%B3%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E5%89%B5%E9%80%A0-2004-09-06


単に日本風の世界というだけでなく、日本人にも受け入れられるものを目指したとのことです。そうしたこともあってか、日本人アーティストの一徳氏がコンセプトアートを手掛けることになりました。

『神河物語』ブロックで一徳氏がイラストを描いたカードは《巻物の君、あざみ》《大水招き》《霊光の略奪者》《御霊の復讐》《潮の星、京河》《煙女》《崇敬》《一掃》《空民の雨刻み》《精霊の学び手》《風の達人、鳶太》《血塗られた悪姥》です。スタンダードだけでなく、下環境でも構築実績のあるカードが含まれているので、現在でもそのイラストを目にしたことがある人は珍しくないでしょう。

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