神河自作 - 考察:リミテッドの基準
2020年4月8日 Magic: The Gathering
オリジナルエキスパンションを作るにあたり、リミテッドで評価が高いセット『エルドラージ覚醒』を参考にしようかと考えていました。公式記事でそのような評価を目にした記憶があったからです。
ただ、後の記事では賛否両論になりました。
最近の記事では、大半のプレイヤーから不評、ということになっています。
その他で言うと、『イニストラード』も評価が高いとされています。上記のような撤回があるので、どこまで信用していいかは不明ですが。
『コンスピラシー』も評価は高いですが、特殊セットなので参考にはしにくい所です。
それに、リミテッドについては反省点として挙げられることの方も少なくありません。
公式でも度々、こうなるのですから、オリジナルエキスパンションでリミテッドのバランスが多少おかしくても気にする必要はないかもしれません。
参考
イニストラードについて
https://delete.diarynote.jp/201109262112058152/
https://delete.diarynote.jp/201109211852334155/
https://delete.diarynote.jp/201112302056088754/
https://delete.diarynote.jp/201109251937433490/
アヴァシンの帰還について
https://delete.diarynote.jp/201205060042362137/
https://delete.diarynote.jp/201205030031211065/
ROEが面白い理由とAVRがつまらない理由、M13の評価など
https://www.logsoku.com/r/2ch.net/tcg/1332051575/489-500
https://www.logsoku.com/r/2ch.net/tcg/1341820590/484-492
https://www.logsoku.com/r/2ch.net/tcg/1381199093/182-198
http://mtg.bigmagic.net/article/2016/11/アンデッドの処刑人/今日の1枚/アンデッドの処刑人.html
エルドラージ覚醒・ドラフト環境の解説
http://grgr.sitemix.jp/draft_strategy06.html
http://grgr.sitemix.jp/draft_roe_apercu.html
https://driftking.diarynote.jp/201004201832297418/
エルドラージ覚醒
ブライアンは箱の外で遊ぶことが好きなことで知られている。私見ではあるが、エルドラージ覚醒は彼の現時点で最高のデザインだった。リミテッドに関しては賞賛の声しか聞こえてこないし、チームはすべての目標を達成したと思う。それにも増して、彼らはマジックの世界に新しい、そしていずれ再び現れるであろう大敵を劇的に導入してくれたのだ。
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2010.10.11 デザイン演説2010
https://mtg-jp.com/reading/mm/0030977/
マジックの歴史上最も評価の高いリミテッド環境のひとつが、『エルドラージ覚醒』だ。環境を理解するのにちょっと難しいところがあるものの、ひとたび把握してしまえばどんなことでも可能になる。
この環境には、手が届く夢がいっぱいに詰まっている。その中でも最高なのは、やはりゲームを長引かせてエルドラージの一族を唱え、ゆっくりと対戦相手の盤面を削いでいく戦略だろう。
引用元
モダンマスターズ2015 EPISODE 02 エルドラージの逆襲
https://mtg-jp.com/reading/special/mm2/0014888/
https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/reconstructed/ja_rc_20150505
『エルドラージ覚醒』は、奥深く興味深いドラフト環境で素晴らしい印象を残している
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2016.8.30 デザイン演説2016
https://mtg-jp.com/reading/mm/0017420/
ただ、後の記事では賛否両論になりました。
最終的には、他の何とも似ていないリミテッド環境ができあがることになった。何が起こっているのかを把握できていれば、あらゆる特殊なゲームプレイがあり得た。把握できていなければ、デッキを組み上げることすらできないような罠がそこかしこに潜んだリミテッドとなったのだ。2マナ2/2クリーチャーのような単純なものをデッキに入れるのは普通なら有効だが、駄目なのだ。これらの結果、『エルドラージ覚醒』に関するプレイヤーの評価は見事に二分した。リミテッドが大好きなプレイヤーは、このセットが大好きになった。違っていて、予測不能で、技術が活かせるのだ。リミテッドがそれほど好きでないプレイヤーは、このセットを大嫌いになった。何がどうなっているのか理解できず、いつでもこれっぽっちも楽しくない局面に追い込まれて負けてしまうのだ。
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2015.9.8 戦乱に向けて その1
https://mtg-jp.com/reading/mm/0015692/
最近の記事では、大半のプレイヤーから不評、ということになっています。
この手法の問題は、1つ(これについては後述する)以外のあらゆる指標で見て『エルドラージ覚醒』はプレイヤーに不人気だったということである。購入量は少なく、プレイ数は少なく、市場調査の結果は悪かった。しかもこれは、同じゼンディカーを舞台にした人気セット2つの直後のセットだったのだ。例外だった1つとは、熱心なドラフト集団だった。通常の戦略が成立せず、どうプレイするかを再考しなければならないという事実は、ドラフト・フォーマットを彼らには好評なものにしたのだ。それと対照的に、そう熱心でない集団は1~2回プレイして、通常の手法が成立しないことで理由も理解できずに混乱することになり、楽しくないのでプレイを止めてしまっていた。
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2020.4.6 『イコリア』に出会う以上に
https://mtg-jp.com/reading/mm/0033923/
その他で言うと、『イニストラード』も評価が高いとされています。上記のような撤回があるので、どこまで信用していいかは不明ですが。
イニストラード
私はマジックの過去の成功の多くに関与しているが、このセットほどのホームランは見たことがない。イニストラードは、セットが気に入るあらゆる理由に基づいて愛された。リミテッドは大成功を収め、トッププロの何人かは史上最高のリミテッド環境だと呼んでいる。
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2012.9.6 デザイン演説2012
https://mtg-jp.com/reading/mm/0004195/
『コンスピラシー』も評価は高いですが、特殊セットなので参考にはしにくい所です。
ショーン・メイン/Shawn Mainは、ドラフトして多人数戦をするための、そしてドラフトに影響を及ぼすリミテッド用商品という非常に突飛な商品の構想を持っていた。
そして、『コンスピラシー』は大々成功を収めた。永遠にこのような商品をプレイすることはないだろうと思われていたプレイヤーからさえ、多くの好評を受けたのだ。私は、マジックが常に進化し続けることが好きで、『コンスピラシー』はまだまだ素晴らしいアイデアが眠っていることを示す完璧な一例である。
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2014.8.19 デザイン演説2014
https://mtg-jp.com/reading/mm/0011020/
それに、リミテッドについては反省点として挙げられることの方も少なくありません。
2010/2011年の教訓
プレイヤーを、相競い合う2つの陣営に分けるということは全体的には成功だったが、特にミラディンの傷跡だけでのドラフトで明らかになった、デザイン上の問題が1つあった。
引用元
翻訳記事その他 2011.8.31 デザイン演説2011
https://mtg-jp.com/reading/translated/0003990/
イニストラードのリミテッドに基準を置かなければならない
アヴァシンの帰還に人気があると言っても、全てが正しかったわけではない。最大の問題点は、リミテッドのゲームにあると言える。
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2012.9.6 デザイン演説2012
https://mtg-jp.com/reading/mm/0004195/
『ギルド門侵犯』のリミテッド
これはいろいろな問題があった。まず、『ギルド門侵犯』を『ドラゴンの迷路』と差別化するために、『ギルド門侵犯』の環境を速くするという判断をした。速くしすぎたのだ。遅いギルドを使うのが難しいほどに速くなり、リミテッドをプレイする上での選択肢を減らしてしまった。また、速すぎて面白いことが起こる間もなかったこともしばしばだった。これによって、リミテッドを楽しめなかったプレイヤーもいたと思う。
2つめの問題は、1つめとも関連するが、色同士のシナジーに強弱の差があった。ここから、色、そしてギルドのプレイ上のバランスが失われていた。
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2013.9.4 デザイン演説2013
https://mtg-jp.com/reading/mm/0004241/
『イクサラン』ブロック(『イクサラン』『イクサランの相克』)
・単純さを重視しすぎた
前回と前々回のデザイン演説の記事で、「デザイン全体」の項目で挙げた教訓の1つが「複雑すぎた」であった。この問題を解消しようという欲求から、我々は逆の方向に振りすぎてしまったのだ。我々はコモンに(「パワーやタフネスを変えるコモンのクリーチャーは正方でなければならない」など)新しい規則をいくつか作ったが、そのせいでデベロップ・チームがリミテッドに深みを持たせることは非常に難しくなった。(それ以降、我々はそれらの新しい規則の多くを撤回した。)
・不均等な(そして4つだけの)陣営は、我々が予想していた以上にシステムに負荷をかけるものだった
3/3/2/2色にしたことには充分な説得力のある理由があった。翌年に来ることがわかっていた『ラヴニカ』と同じカタチにならないような陣営のセットを作ることが必要で、そして注目を集めることになる新しい部族(恐竜と海賊)に重点を置く必要があったのだ。新しいコモンの単純さの規定とまったく同じように、我々は、その不均等な部族が生み出すデベロップ上の問題を完全には理解していなかったのだ。それはバランスの問題を生み出し、サイクルを非常に作りにくくし、そして一般に公開されてからは、このリミテッドで3色を主なテーマにしていないセットであまりにも多くのプレイヤーが3色を志向するようにしたのだ。このような色の割り振りをもう一度するかどうかはわからないが、もしするのであれば、その代償についてずっとよく考えることになるだろう。
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2018.8.21 デザイン演説2018
https://mtg-jp.com/reading/mm/0030991/
『ラヴニカのギルド』と『ラヴニカの献身』
・『ラヴニカの献身』のリミテッド環境は『ラヴニカのギルド』ほどの深みがなかった
これもまた、ドラフト・プレイヤーから受けたよくある苦情の1つである。『ラヴニカのギルド』は、ドラフトを繰り返せるように作られており、多くのプレイヤーが『ラヴニカの献身』もそうあってほしいと願っていた。
『灯争大戦』
・レアや神話レアの爆弾カードが多すぎた
このセットに関して耳にした不満の中で最も多かったのはこれである。プレイヤーは一般に今回のリミテッドのゲームプレイが大好きだったが、永遠神を筆頭にしたコモンやアンコモンでほぼ対策できないレアや神話レアの多さは嫌っていた。この問題は、リミテッドで強力なレアや神話レアを減らすのではなく、低レアリティの対策カードを増やすことで解決できた可能性がある。
『モダンホライゾン』
・このセットでのドラフトは、罠にはまりやすすぎた
このセットの複雑な性質から、さまざまなことが起こっていた。これは、誰かがあるカードを初期にピックし、ドラフトするのに充分な量の補助がないテーマを暗示していると思い込むようなドラフトではよく起こる問題になった。これは、このセットの奇妙で1枚限りという性質がかなりの部分で特徴であるので、簡単に解決できる問題ではない。おそらく、もう少し時間をかけて、何がドラフトで成立して何が成立しないのかをドラフト・プレイヤーに知らせることはできたのではないだろうか。
引用元
Making Magic -マジック開発秘話- 2019.8.27 デザイン演説2019
https://mtg-jp.com/reading/mm/0032977/
公式でも度々、こうなるのですから、オリジナルエキスパンションでリミテッドのバランスが多少おかしくても気にする必要はないかもしれません。
参考
イニストラードについて
https://delete.diarynote.jp/201109262112058152/
https://delete.diarynote.jp/201109211852334155/
https://delete.diarynote.jp/201112302056088754/
https://delete.diarynote.jp/201109251937433490/
アヴァシンの帰還について
https://delete.diarynote.jp/201205060042362137/
https://delete.diarynote.jp/201205030031211065/
ROEが面白い理由とAVRがつまらない理由、M13の評価など
https://www.logsoku.com/r/2ch.net/tcg/1332051575/489-500
https://www.logsoku.com/r/2ch.net/tcg/1341820590/484-492
https://www.logsoku.com/r/2ch.net/tcg/1381199093/182-198
http://mtg.bigmagic.net/article/2016/11/アンデッドの処刑人/今日の1枚/アンデッドの処刑人.html
エルドラージ覚醒・ドラフト環境の解説
http://grgr.sitemix.jp/draft_strategy06.html
http://grgr.sitemix.jp/draft_roe_apercu.html
https://driftking.diarynote.jp/201004201832297418/
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