神河当時 - 神の乱と住民
2020年4月7日 Magic: The Gathering昨日の記事の続きです。主に次元の概要、定命の住民の様子を説明しています。
神河の各地域・各住人の基本的な設定と、神の乱での動向が描かれています。神の乱で信仰を変えた住人だけでなく、未だに邪神を信仰するもの、それ以前から神と戦う術を持っているものなど、様々です。
また、「竹沼の他に行くところがありません」「他の神河の住人にはほとんど知られざる種族」など、あまり交流が活発でない住人が少なくないのかもしれません。
さて、この世界の話が出ましたので、ちょっとここの次元を覗いてみましょう。時:ミラディンが創造者の漠然とした考えでしかなかった時よりも遥か昔。場所:伝統と精霊に深く根ざした地、神河の世界。人々の記憶よりも遠い過去では、彼らは風や光や成長そのものなど、あらゆる物に宿り力を与えている強力な精霊、神を崇拝していました。神はあらゆる物を生み出し支配することを理解していた人々は、これらの精霊を敬っていました。現実の世界と精霊の世界は、何世代にもわたって協調して生きてきたのです。
しかしその協調は、ある日神の一団が霊都と呼ばれる村に突然襲い掛かったことで崩れてしまいました。村人は皆殺しにされ、そこから精霊とその崇拝者である死すべきものとの戦い、神の乱が始まりました。もちろん、死すべきものの世界にとってすべての情勢はよろしくないですが、かと言って失うものを考えれば、これは絶対に負けられない戦いなのです。その一方で、彼らはそもそもこの乱がなぜ始まったのかを知りません。数年もの間、神は意志を示したり交渉ごとをしたりということにほんの少ししか興味を示していませんでした。ならば、何が彼らをここまで怒らせたのでしょうか? 誰かがそれを、できるだけ早く見つけなければいけないのです。神が死せるものの文明を滅ぼしてしまう前に。
このセットとそこでのストーリーは、最も争いの激しい一地域にスポットを当てています。そこは神河を何世代にも渡って統治し続けている一族、君主今田によって治められています。彼は永岩城の間から、彼が最も信頼する、この地でもっともよく知られた戦士である武野御大将率いる巨大な侍の軍団に命を下しています。しかし、彼の権威や権力でも、この殺戮を止めることは長いことできませんでした。永岩城自体に神の攻撃が届くことは無かったのですが、武野の軍勢は、神の脅威に対しては全力をつくしても効果がありませんでした。多くの屈強の兵士が大名の地を守る中で死んでいきました。
狐人は今田と漠然とした同盟を結んでいて、彼らの武術や霊的力を永岩城の主のためにいつも貸し出していました。落ち着いてはいるものの人の悪い狐は、知恵深い僧侶や腕の立つ戦士を生み出しています。永岩城を囲む薄の野に住む彼らは、城の飽食で華美な貴族たちに比べればシンプルな生活をしていますが、彼らにとってはそれでよかったのです。彼らは神の怒りの根源を捜し求めていて、多くのエネルギーを、なぜ彼らの若者の血が流されるに至ったかを探すことにかけています。
世界で最も大きな川の一部である神滝は、神河で最も学識の高い学者たちの地です。人間の魔導師たちはこの滝の眼前や上に水面院を設立しました。そこは多くの才能あり前途有望な魔道士が世間から離れ、神河で最も大きな書庫で研究をし、秘儀を学ぶ場所です。しかし、その滝にあるのはそればかりではありません。上空の雲には、地上に住む人たちに“月の民”と呼ばれている空民の住んでいる都市があります。彼らは優美で知的な謎に満ちた種族で、どちらかというと自分たちの雲の都市にとどまることを好み、自分たちの怪しげな目的を追っています。神の乱のような真剣な事態でも起こらないかぎり、彼らは自分たちの重厚な故郷からは降りてこなかったでしょう。
竹沼は不名誉が満ちた腐れた場所で、あらゆる堕落した者たちの住処です。身勝手や臆病などで自らの名誉を失った侍は落武者と呼ばれていますが、彼らは大抵竹沼の他に行くところがありません。ネズミの姿をした鼠人は邪悪な魔法と傭兵家業と盗みの中で生きています。しかし、竹沼の最も邪悪な住人は大峨です。乱の始まりから神を見捨てた神河の他の住人とは異なり、大峨はいまだに邪悪や死といった力を操るねじくれた悪魔的な神、鬼を崇拝し続けています。大峨の歩くところ、彼らの主たる鬼の気まぐれを満たすための血が流れていくのです。
霜剣山の頂には、多くの独自の部族が隠れています。悪忌と呼ばれる小太りで甲羅を背負ったゴブリンは、ひどい悪ふざけを好み、その悪ふざけとやらで犠牲者を狩り立て奪い取ることで生きています。強力な頭である伍堂に率いられた人間の山賊も同様に霜剣山をうろついていて、人も神も関係なく襲い掛かっています。熊野という名の魔術師は、神に対して特に有効な魔術や闘う業を心得ている放浪の巫である山伏の中でも、最も強力な一人です。事実、彼は再三にわたって、神を屠る秘密を知っていると噂されています。しかし彼がそれを知っているとしても、それを誰とも分かち合うことは無いでしょう。そしてまた、赤に属する鬼を崇拝する大峨が住む真火砦があります。真火の主の碑出告は、日夜自分の力を増すために動いています。そこには他にも鬼に仕えることを拒んだ大峨が住んでいますが、彼らは霜剣山や竹沼には寄り付こうとしません。
樹海は巨大な密林で、多くの隠された秘密に満ちています。白の僧侶たちを別とすると、樹海の住人は神河すべての神に対して、もっとも近い関係と最も深い信仰を持っていました。それはつまり、彼らが乱により特に手ひどい打撃を受けたことを意味します。道三に率いられた人間の僧は、人里離れた森で平和に暮らし、悟りを求めていました。しかしここにすら神は姿を現し、これまで悟りのためにのみ身体を鍛えてきた僧の業を戦いに向けさせることとなったのです。蛇の姿をした大蛇人は、他の神河の住人にはほとんど知られざる種族で、霊都の虐殺まで数十年の間、樹海の僧以外とは接触したことがありません。しかし、彼らも神の怒りを感じ、短気な若者の中には大蛇と人との間の協定に疑問を感じ始める者もいました。神の怒りの原因は、やはり人間にあるのではなかろうかと……。
このブロックの中心となるストーリーは、これらの神の乱に対する疑問点を、読者として、プレイヤーとして、見つけていく道なのです。物語は神河で最も高い名誉を受けた一族の若き末裔、梅澤俊郎の姿を追っていきます。しかし彼は梅澤家でははみ出し物で、自分以外のことには感心の無い落武者の悪漢であり、傭兵であり、盗賊なのです。しかし、神の乱は彼に、生き残るための戦いを強いることとなりました。偉大なる君主の娘である今田魅知子はもう少し身勝手ではない人物で、この二人が真実への道を求めて闘っていきます。このどちらかが、求めている物を見つけるのでしょうか? 死せるものの世界は、それが向けられるはずの軍勢と戦うための祈りに満ちるのでしょうか? それらは、小説の中で明らかにされていく疑問なのです。
引用元
MTGCOM_FEATURE_227 更新日 Feature on 2004年 8月 30日
https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/feature/mtgcomfeature227-2004-08-30
神河の各地域・各住人の基本的な設定と、神の乱での動向が描かれています。神の乱で信仰を変えた住人だけでなく、未だに邪神を信仰するもの、それ以前から神と戦う術を持っているものなど、様々です。
また、「竹沼の他に行くところがありません」「他の神河の住人にはほとんど知られざる種族」など、あまり交流が活発でない住人が少なくないのかもしれません。
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