神河当時 - 《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》のプレビュー
昨日の記事の続きです。

ストーリーも決まったところで、いよいよプレビューカードです。

私のドラゴンを引きずらないで

さて、いよいよ最初のプレビューカードのお目見えだ。デザインチームが徹底したレジェンドをテーマにすえた時、すぐに伝説のドラゴンのサイクルを入れなくちゃいけないことが明らかになった (何よりも、これまでレジェンドとインベイジョンの二回しかそれをやってないんだしね)。しかしブレイディは、日本の神話におけるドラゴンは、非常に精霊的であることを指摘してきた。我々が精霊との戦争を取り上げる計画があるなら、ドラゴンは精霊側にいなくちゃいけない。そこにデザインチームとともに編集を訪れ、こんな率直な質問をした。「『伝説のクリーチャー — ドラゴン・スピリット』って表記は、カードのタイプ行に収まるかい?」

その答が「イエス」だったことが確認された後、チームはドラゴンのサイクルに関する面白いメカニズムを考え始めた。彼らはこんな質問を自分たちにした。プレイヤーはドラゴンで何がしたいのだろうか? 答えは簡単だーーそいつで殴りたいのさ。しかし、レジェンドやインベイジョンの伝説のドラゴンのサイクルは、クリーチャーがダメージを与えた時に起こる効果でそれを使っていた(レジェンドの場合はそういうのもあった程度だったけど)。

そこでデザインチームは別な質問をした。プレイヤーがドラゴンを使っていて、もっとも嫌なことはなんだろう? この答えも明らかだーーいっぱいいっぱいマナを使ってクリーチャーを出して、そいつが2マナ呪文で打ち落とされるのを見ることだ。それじゃ、チームはこの点をどう補うのか? クリーチャーを死にづらくするんだろうか? いや、それは別な(デザイン時には“ザ・ゴッド”の名で呼ばれていた)サイクルですでに使っている。その時、創意にあふれたアイデアが出た。破壊されたドラゴンが強い能力を誘発するのはどうだろうか? 相手のドラゴンを倒すことと、相手のドラゴンと向き合うことが、同じぐらいに大変なことだったらどうだろうか? こいつを出すことで、対戦相手がどっちにせよ負けな状況に追い込まれるとしたらどうだろうか?

チームはこのアイデアを気に入った。チームは 5/5 で飛行のドラゴンを作り、それに「このカードが場から墓地に置かれたとき」の誘発型能力をつけた。それも強いやつだ。めちゃくちゃ強いやつだよ。他の色は簡単だったけど、白が一番難しかった。ご存知の通り、開発部は色の分割に関するバランスを調整しつづけている。新しい白の領域において、ドラゴンが死んだ時にどんな壊滅的なことができるだろうか? そして、《明けの星、陽星/Yosei, the Morning Star》が生まれたんだ。

ご覧の通り、このカードは非常に強力だよ。

引用元
さらに一味のイメージを 更新日 Making Magic on 2004年 8月 30日
https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/making-magic/%E3%81%95%E3%82%89%E3%81%AB%E4%B8%80%E5%91%B3%E3%81%AE%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%92-2004-08-30


レジェンドをテーマにしたことから、ドラゴンのサイクルが入ることが決まったようです。

そしてカンタンに除去されることが嫌だから、という点から死亡誘発型能力になりました。単純な除去耐性では、さらに上位のスピリットである明神サイクルと被るためです。

白である《明けの星、陽星》のデザインは難しかった、というのは、私も新しい陽星のオリカを作っていて実感しました。

《明けの星、陽星》は、その苦労に見合うだけの活躍はできたと言えます。開発者としては嬉しいところでしょう。もっとも、相手に除去を使わせにくくするどころか、むしろ自分で生け贄に捧げることが多かったのはなんとも皮肉ですが。

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