神河資料 - 中国混じりの世界
神河資料 - 中国混じりの世界
神河は日本神話、和風ファンタジーの世界です。ただ、一部に中国の要素が混じっていることが指摘されています。

迷える探求者、梓/Azusa, Lost but Seeking
http://mtgwiki.com/wiki/%E8%BF%B7%E3%81%88%E3%82%8B%E6%8E%A2%E6%B1%82%E8%80%85%E3%80%81%E6%A2%93/Azusa,_Lost_but_Seeking
もと神主なのだが、衣服は古代中国風。


季節の導き、節貴/Sekki, Seasons’ Guide
http://mtgwiki.com/wiki/%E5%AD%A3%E7%AF%80%E3%81%AE%E5%B0%8E%E3%81%8D%E3%80%81%E7%AF%80%E8%B2%B4/Sekki%2C_Seasons%27_Guide
名前の由来は、一年を四季に応じて分けた歴法である節気(二十四節気)からだろう。
元々は古代中国の文化である。日本は長きに渡って中国から暦を輸入して使っていたため、日本にも定着してはいたものの、日本の季節とは微妙に噛み合わないところもあるとされる。
中国の影響が比較的薄い、日本独自の「季節の変わり目」を示す言葉を探すなら、「節会(せちえ)」や「節句(せっく)」のほうがふさわしかったかもしれない。


水辺の学舎、水面院/Minamo, School at Water’s Edge
http://mtgwiki.com/wiki/%E6%B0%B4%E8%BE%BA%E3%81%AE%E5%AD%A6%E8%88%8E%E3%80%81%E6%B0%B4%E9%9D%A2%E9%99%A2/Minamo,_School_at_Water%27s_Edge
水面院関連のイラストを見ると解るが、日本の戦国時代を基にした神河のうちにあって、水面院だけはどう見ても中国の戦国時代である。


麒麟
http://mtgwiki.com/wiki/%E9%BA%92%E9%BA%9F
実際にアフリカなどに生息する首の長い哺乳類のことではなく、牛の尾と馬の蹄と鹿の角を持つ想像上の動物。
元々は古代中国の伝説上の聖獣で、龍などと共に日本に伝わった。頭に肉に包まれた一本の角があり、体の毛は黄色、背には五彩の毛がある。徳が高いため殺生を好まず、生草は踏まず生物は食わないという。乱世の終わりに聖人が王道を成すときに現れると言い伝えられる。このことから転じて、乱世を鎮めるほどの才気を持つ者を「麒麟児」と呼んだ。
ただ、あくまで「日本に伝わった」ものであって、日本の神道とは関係のない生き物である。神河/Kamigawaは日本の神話世界を基にしているのだが、中国由来のものと日本独自のものの区別をつけ切れていない部分があるようだ。
Global Series: Jiang Yanggu & Mu Yanlingの舞台となる次元/Planeにも麒麟が登場する。カード名やフレイバー・テキストでは、中国語の発音に合わせてQilinの表記が使われている(クリーチャー・タイプでは依然としてKirinである)。


反転カード/Flip Card(MTG)
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/39055.html
なに、「神河ブロック自体が不人気」?聞こえんな*3
*3 明らかに古代中国と混ざっている世界観、当の日本人でも読めない名前の当て字、禁止カードを連発するほどのインフレだった1つ前のミラディン・ブロックの反動からカードパワーが弱め、伝説や秘儀など他のテーマ・システムにも問題があったなど、反転カード以外にも反省点はたくさんあったブロックであった


以前の日記とそのコメント欄(※1)でも触れたことですが、中国由来のものは日本では少なからずあります。当の日本人である私自身、なにが中国由来でなにが日本独自かは、ハッキリと区別できない(あるいはそもそも気にしていない)ことも多いです。開発部がそこを混同してしまったことは、責める気になれません。

それに、中国由来のものでも、日本流にアレンジされた上で定着したようなものもあります。ラーメンやギョーザはその一例です。こうしたものは「日本発祥」ではなくても、「日本らしい」ものとしてイメージが定着していれば、和風世界の物語で採用することは考えられます。

以前の日記(※2)でも述べた通り、正確な由来がどうこうよりもプレイヤーのイメージに合うことの方が重要なのです。




余談
むしろ、こうした「日本っぽいけど日本じゃない」のが良い、という意見もあります。

岩SHOWの「デイリー・デッキ」 2018.9.18 ザ・ニンジャ(レガシー)
https://mtg-jp.com/reading/iwashowdeck/0031105/
海外の作品で出てくる、日本っぽいけど日本じゃない、違うアジアの文化とか混ざった変な日本。僕、これが結構好きで。侍なのに中国風の髪型だったり、見たこともない装束の忍者が出てきたり、日本の街の風景も意味不明なネオンサインが多数あったり……いいよね、謎のワクワク感がある。日本というかジャパンだね。絶妙なズレ加減がなんとも味わい深く、正しい侍はこうだ!なんて無粋なことは言わずに楽しもうと思っている。

マジックにおいても、あるじゃないか神河が。戦国時代、鎧兜に身を包んだ侍がいたころと古来より伝わる妖怪・八百万の神々が住まう日本をベースにしているものの、なんだかちょっと「違う」。完全な日本ではなく、多元宇宙のひとつである神河であるということだ。個人的にはこれほど再訪してほしい次元もない。

実は『神河物語』の時代というのは多元宇宙的にはとてもとても古い時代であり、となると今現在の神河はどうなっているのか?ネオンサインが輝く夜の街でサイバーパンクなニンジャが壁走りしているのか?妄想が膨らんでしょうがない。


※1
神河資料 - 元ネタに忠実なカード
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/202001081854568200/

※2
神河教訓 - トップダウン・デザインの手法
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912061829517801/

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