神河資料 - 忍術と現出と献身
2020年2月19日 Magic: The Gathering現出のデベロップに関する記事です。
Latest Developments -デベロップ最先端- 2016.7.25 あなたに役立つ小さな変更
https://mtg-jp.com/reading/translated/ld/0017170/
「エムラクールによるクリーチャーの変化」を表す方法が探索されていました。
両面はすでにやっているので、新しいメカニズムとして打ち出すことはできません。過去のメカニズムに注目した時、変異は悪くない動きでしたが、近くのセットで再録したばかりだったので没になりました。
そこで、注目されたのが忍術でした。忍術はメカニズムとしては面白いものですが、この場合には不適切だったようです。
1つには、エルドラージは中~大型であることが多いので、単なる本体火力のようになってしまいます。
もう1つには、クリーチャーが手札に戻ることが、「クリーチャーがエルドラージに変化する」フレイバーにはそぐわないことです。
その結果、攻撃時から唱えるときのメカニズムになり、手札に戻すのではなく生け贄に捧げるメカニズムになりました。つまり、献身のようなものです。
神河のメカニズムから出発して、また神河のメカニズムの亜種へと着地したのは面白いところです。
Latest Developments -デベロップ最先端- 2016.7.25 あなたに役立つ小さな変更
https://mtg-jp.com/reading/translated/ld/0017170/
「エムラクールがイニストラードにやって来る」という見出しはエキサイティングで刺激的ですが、実際にそれを表すのは我々の想定よりも難しいということが判明しました。
もし我々が以前に両面カードをやったことがなかったなら、物事の変化を表す完璧な方法になっていたでしょう。しかしそれを以前やってしまっただけでなく、我々は『イニストラード』ブロックの全部で3つのセットでそれを使っているのです――なので単に無色の怪奇なものに変化するクリーチャーでは不十分なのです。
(中略)
クリエイティブのケリー・ディグズ/Kelly Diggesとジェイムズ・ワイアット/James Wyattと話して、彼らはこのブロックに欠色がないことを好むと、とてもはっきりと表明しました――そして幸運にも私も彼らと同意見でした。しかしながら、私はエルドラージにある種の色の傾向が欲しいことも分かっていたので、それらの全部でなくその一部で焦点を当てられるようにしました。つまり理想的なメカニズムは、これらのカードのどこかで色マナを使って唱えられ、しかしそのカードは無色であるということでした。
このような問題に取り組むとき、私は人と話をつけることが重要だと発見しました。私はこの問題を開発部内の何人かに伝え、彼らの考えを得て我々が過去に行ったことから目標を達成しようとしました。ただ古いメカニズムを使うだけでなく、このメカニズムが存在できるような空間を探すことは――少なくとも良い出発点を得ることになります。変異のようなものは機能しましたが、我々はそれをやったばかりです。エリック・ラウアー/Erik Lauerは両面カードでは表すのに適していない変化を表現する方法として忍術を提案しました。そこで私はそれをやることにしました。
現出の星々
最初期のバージョンの現出は、単に忍術の名前をつけ直しただけのものでした。忍術が「いつか名前を変えて再録したいリスト」のとても上位にあるといっても恐らく驚きには値しないでしょう――我々が神河に戻らないかぎりは忍術を使えないからです。私は色マナで忍術できる無色のエルドラージ・クリーチャーを少数作ることにしました。
これは楽しく(なぜなら忍者は楽しいので)、そして人々がターンごとに複数回誘発させることを心配することなく戦場に出たときの誘発型能力を持たせられる「普通の」忍者と比べて十分に高いマナ・コストを持っていました。もしくは可能なのであれば――コストが10マナという事実はそれを安全にするのに十分でした。
このメカニズムは忍術を思い出させて楽しいのですが、実際のクリーチャーは満足感に欠けました。忍術を持っているクリーチャーはそのほとんどどが小さく、つまりそれらが忍術で出てきただけでは負けません。我々がこれをエルドラージで試したとき、その戦場に出たときの誘発型能力は面白いのですが、問題はほとんどどのクリーチャーが密かに単なる《溶岩の斧》か《焼けつく肉体》だったことでした。面白い効果は面白そうかもしれませんが、対戦相手は面白いことが実際に起こる前に死んでしまいます。
我々がこれをテストしていたとき、クリエイティブ・チームはこれにある不安を抱いていました――特に問題はないが、クリーチャーが手札に戻るのは全く筋が通っていないということです。これはエルドラージがこの世界で行なっていることとは全く違います。そうするのではなく、そのクリーチャーが死ななければならないようにすればよりフレーバー的に筋が通ります。私はこれが現出クリーチャーをさらに強くすることができ、人々が戦場に出したときに常に2対1以上の交換を取られることを心配する場合よりも強力な誘発型能力を与えられるので問題ないと思いました。
「エムラクールによるクリーチャーの変化」を表す方法が探索されていました。
両面はすでにやっているので、新しいメカニズムとして打ち出すことはできません。過去のメカニズムに注目した時、変異は悪くない動きでしたが、近くのセットで再録したばかりだったので没になりました。
そこで、注目されたのが忍術でした。忍術はメカニズムとしては面白いものですが、この場合には不適切だったようです。
1つには、エルドラージは中~大型であることが多いので、単なる本体火力のようになってしまいます。
もう1つには、クリーチャーが手札に戻ることが、「クリーチャーがエルドラージに変化する」フレイバーにはそぐわないことです。
その結果、攻撃時から唱えるときのメカニズムになり、手札に戻すのではなく生け贄に捧げるメカニズムになりました。つまり、献身のようなものです。
神河のメカニズムから出発して、また神河のメカニズムの亜種へと着地したのは面白いところです。
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