神河資料 - 暗号と刻印と連繋
神河資料 - 暗号と刻印と連繋
神河資料 - 暗号と刻印と連繋
ギルド門侵犯・プレビュー、ボロスとディミーアの記事と、ディミーアのデザインの記事です。

Making Magic -マジック開発秘話- 2013.1.16 パーティー侵犯 その2
https://mtg-jp.com/reading/mm/0004212/

デザイン中の仕事の1つに、各ギルドに第1、第2の2つの勝利手段を与えることがある。当初、ディミーアの第1の手段はライブラリー破壊で、第2の手段は回避能力を使ってこっそりととどめを刺すような遅いコントロール・デッキであった。そのため、ディミーアにはセット内の他のギルドに比べて少し多くの回避能力が与えられていた。元々青や黒には回避能力が多いので、これは簡単なことだった。研磨をキーワード能力でなくす前に、我々はこの第1と第2を入れ替えることに同意していた。つまり、ディミーアには強力な回避テーマが与えられるということだ。これに有利を与える方法はあるだろうか?

私ははっとミラディンのデザイン、そして刻印を思い出した(旧ミラディンのことであり、ミラディンの傷跡のことではない)。私がデザインしたカードの中に、インスタントやソーサリーを手札から刻印できるクリーチャー・カードがあった。その後、そのクリーチャーが戦闘ダメージを与えるたび、刻印された呪文が発射されるのだ。このカードがなぜ印刷されなかったかは覚えていないが、このデザインはずっと気に入っていた。そして、私は同じようなものを作ろうと思ったのだった。

しかし、私は別の方向から始めた。クリーチャーに呪文を刻印できる能力を与えるのではなく、呪文のほうに戦闘ダメージを誘発条件として自分自身をクリーチャーに刻印できる能力を与えたらどうなるだろうか? 私は神河ブロックで連繋メカニズムを作った時に同じような空間を探っていた。連繋メカニズムは(秘儀というサブタイプを持つ)インスタントやソーサリーに自身を埋め込むものだった。今回、私は呪文をクリーチャーに埋め込もうと思った。つまり、刻印と連繋の合わせ技みたいなものである。


Making Magic -マジック開発秘話- 2013.3.27 ディミーアのデザイン
https://mtg-jp.com/reading/mm/0004222/

ここで取り上げたのは、私の移植愛が無数のメカニズムをデザインさせてくれたからである。もっとも有名なものを2つ挙げるなら、ミラディンの刻印と、神河物語の連繋である(「連繋(秘儀)」だ)。

これら2つのメカニズムから、暗号が生まれたと言っても過言ではない。説明しよう。ギルド門侵犯のデザインが始まったとき、私は「研磨」というプレイテスト名のライブラリー破壊メカニズムを強く推していた。研磨がセットにあった間に、私たちはディミーアのキーワードにふさわしい他のメカニズムが必要だと判断し、私は新しい代替品を考えることになった(研磨の創造と、ギルド・キーワードからの消滅についての細かい話は既に記事にまとめている)。


神河ブロックの連繋が、暗号の発想の元になっていた、という話でした。

連繋は「それ自身を他のカードに埋め込ませる」性質の能力であり、暗号も同様です。

ただし、連繋は呪文に呪文を埋め込むものです。暗号はクリーチャーに呪文を埋め込むものなので、その点は刻印に近いと言えるでしょう。というか、《呪文縛りの杖》という、ほぼ同様の挙動ができる装備品があります。

もっとも、埋め込まれるものと、埋め込むものと、どちら側に持たせるメカニズムか、というのもパワーバランスの点において重要な事です。埋め込むものは繰り返し使うことが出来る、というのが恩恵である以上は、そちらに合わせてバランスをとるべきであり、埋め込むものの方にメカニズムをあてる、連繋方式が無難でしょう。

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