神河自作 - 英雄譚の再録
最近、公式で英雄譚を再録するのに必要なことが記事で言及されていました。

Making Magic -マジック開発秘話- 2020.1.7 死の扉にて その2
https://mtg-jp.com/reading/mm/0033613/

英雄譚
デザインの話の次の章に移る前に、初代『テーロス』ブロックからですらないもう1つの再録メカニズムについて語るべきだろう。英雄譚は『ドミナリア』で初登場した、特別なカード枠と物語というフレイバーを表す独自のルールを持った、エンチャントの新しいサブタイプだった。英雄譚は『ドミナリア』での大当たりで、これを(できればドミナリアを再訪する前に)再録する場所を探していたのだ。英雄譚を成立させるために必要だと考えていた条件はこうである。

物語を持つ世界
英雄譚は物語を表すものなので、語るべき物語がある世界でこそ意味がある。これは最終的に2つに分類される。1つ目が、再訪している世界。そこにはかつてのマジックの物語が存在する。2つ目が、ユーザーがすでに知っている物語がある元ネタを使ったトップダウン・デザインで作られた世界だ。

エンチャントを入れる余地があるセット
英雄譚は全体エンチャントである。ほとんどのセットには、全体エンチャントを大量に入れる余地はない。つまり、そのセットにはセット内の適当なカードであるという以上にそれらを入れる必要がなければならない。

絵画的世界
この最後の条件はそれほど重要ではないが、『ドミナリア』では描写されている物語がその世界の絵画性を通して語られるという英雄譚の絵画性を確立した。つまり、英雄譚は定義された絵画性を持つ世界でもっともうまくいくのだ。

開発部で最近流行りの冗談に、デザイン・リードはそのセットがなぜ英雄譚に最もふさわしいのかという理由を考え出すものだ、というものがある。『ラヴニカのギルド』や『ラヴニカの献身』は3回目の訪問なのですでに語ってきた物語が大量にあり、またギルド英雄譚のサイクルというのは素晴らしいだろう。『灯争大戦』は長大な物語のクライマックスで、渦中のプレインズウォーカーにはそれぞれ背景となる物語がある。『エルドレインの王権』はトップダウンのおとぎ話世界であり、文字通り有名な物語を元にして作られた世界である。しかし、『テーロス還魂記』はあらゆる提案の中で最高のものだった。

エンチャントを元にしたメカニズム的特徴があり、独特の絵画性で知られる文化に焦点を当てている、既知の物語を元にしたトップダウンの世界への再訪なのだ。どのセットにも英雄譚を採用するいい理由はあるが、『テーロス還魂記』ほどのものは存在しなかった。英雄譚を入れるべきだということは明らかだった。


これらを基に、神河を再訪した場合、英雄譚を再録するのは相応しいかを考えてみたいと思います。

エンチャントを入れる余地があるかは疑問です。特別、エンチャントにスポットを当てたようなセットでもありません。ただ、『ドミナリア』もエンチャントテーマではありませんが、エンチャントテーマの『テーロス還魂記』よりも、英雄譚の収録枚数は多いです(前者が14枚、後者が10枚)。

トップダウンのおとぎ話世界『エルドレインの王権』と同様に、日本神話・伝承・童話モチーフの神河も、モチーフにできる物語は豊富にあります。

神河物語は『ドミナリア』と同様に、伝説にスポットを当てたセットです。歴史的というルール用語の再登場と共に再録することで、伝説テーマに再挑戦することは可能でしょう。

また、現在のストーリーにおける、貴重な神河要素であるタミヨウが英雄譚と相性がいいです。彼女は物語が綴られた巻物を大量に所持しており、それを広げることで魔法を発動します。これは英雄譚そのものと言えるでしょう。

このように考えると、テーロスとはまた違った理由で英雄譚を入れることが出来ると言えます。

例えば、桃太郎を基にすれば以下のようなカードが考えられます。単純に作ると、トークンだらけになるのが難点ではありますが。


桃太郎伝説  (4)(白)(緑)
エンチャント ― 英雄譚 レア
I ― 先制攻撃を持つ白の2/2の人間・クリーチャー・トークンを1体と、警戒を持つ白の2/2の猟犬・クリーチャー・トークンを1体と、トランプルを持つ緑の3/3の類人猿・クリーチャー・トークンを1体と、飛行を持つ白の1/1の鳥・クリーチャー・トークンを1体生成する。
II ― 対戦相手がコントロールするクリーチャー1体を対象とする。あなたがコントロールするクリーチャーはそれにそれぞれ1点のダメージを与える。
III ― 宝物・トークンをX個生成する。Xはすべての対戦相手の墓地にあるクリーチャー・カードの枚数に等しい。


トークンを並べるのは再現性が高いですが、種類が多すぎます。その点を変えるため、別のバージョンも考えました。


桃太郎伝説  (3)(白)(緑)
エンチャント ― 英雄譚 レア
I ― 先制攻撃を持つ白の2/2の人間・クリーチャー・トークンを1体を生成する。あなたは3点のライフを得る。
II - あなたのライブラリーのカードを上から5枚見る。あなたはそれらの中からクリーチャー・カードを1枚公開し、それをあなたの手札に加えてもよい。残りをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。この手順を2回繰り返す。
III ― あなたがコントロールしているクリーチャー1体と、あなたがコントロールしていないクリーチャー1体を対象とする。その前者はその後者に、自身のパワーに等しい点数のダメージを与える。
IV ― 宝物・トークンをX個生成する。Xはすべての対戦相手の墓地にあるクリーチャー・カードの枚数に等しい。


カードは作成しましたが、今回のオリジナルエキスパンションにおいては、採用はしません。

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