トップダウン・デザインにおける、元ネタに忠実なカードの話です。
翻訳記事その他 2013.9.10 公正な話
https://mtg-jp.com/reading/translated/0004064/
以前に以下の日記で書いた通り、「元ネタではなく、プレイヤーのイメージに忠実であるべき」というのが神河ブロックの失敗から得られた教訓でした。
神河教訓 - トップダウン・デザインの手法
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912061829517801/
では、元ネタに忠実なカードは入らないのか?というとそうではなく、高いレアリティにするべきだ、ということです。その典型例が百手巨人で、他の記事でも何度か触れられています(上の日記でも引用しています)。
もっとも神河の場合、元ネタに忠実と言えるかどうかには疑問もあるようです。日本と言うより中国が混じっているのではないか?ということは幾らか指摘されています。この点は後で取り上げるかもしれません。
翻訳記事その他 2013.9.10 公正な話
https://mtg-jp.com/reading/translated/0004064/
元ネタの物語では、百手巨人は原初の巨人で、50の頭と100の腕を持ち、タイタンやサイクロプスと同種の存在だった。これらのクリーチャーはオリンピアの神々が誕生するよりも前に存在していたのだ。ゼウスが彼の暴虐な父にしてタイタンの指導者たるクロノスに反逆したとき、彼は強力な百手巨人とサイクロプスの助力を受けたのだ。
百手巨人は神話の怪物の中でも私のお気に入りの1つなので、私はそれをこのセットに入れたいと思っていた。早いうちに、私は自分で満足できるような百手巨人のカードをデザインした。それはさらに99体のクリーチャーをブロックできるもので、つまり合計100体、手1本あたり1体をブロックできるのだ。マークはそれをセットに入れて、後にケン・ネーグル/Ken Nagleが怪物化メカニズムを作った時に、我々はこの百手巨人を怪物的にして、他の大型クリーチャー群と似合うようにしたのだ。
『テーロス』のデザイン中に、我々は神河ブロックの失敗に非常に注意を払っていた。神河ブロックには、マジックのプレイヤーのほとんどにとっては意味のわからない存在である神道由来のクリーチャーを表すカードが大量に入っていたのだ(訳注:当時イーサンはまだ開発部に所属していなかったので、この部分は伝聞によると考えられます)。芳醇たろうとして作られたこれらのカードは、実際のところ、ほとんどのプレイヤーにとっては芳醇ではなかったのだ。『テーロス』は、マジックのプレイヤーの多くが神道の神話よりも親しんでいるギリシャ神話を使っているという利点があるが、それでも古典神話に対して平均的な馴染みを持つだけのほとんどの人々にとって理解できない、本当に些細なことをテーロスに取り入れてしまい「掘り下げすぎ」になる可能性はやはり高いのだ。
私たちは必要以上にこれを直そうとは思っていない。プレイヤーの中にいる神話マニアを喜ばせるような、比較的些細な参照はある程度必要である。そこで我々はブロックの中に、高いレアリティにそれらを散らばらせることにした。この程度の露出なら、人々はそれらに出会って楽しんでくれるだろうし、このセット全体が理解できないものになってしまうことはないだろう。
以前に以下の日記で書いた通り、「元ネタではなく、プレイヤーのイメージに忠実であるべき」というのが神河ブロックの失敗から得られた教訓でした。
神河教訓 - トップダウン・デザインの手法
https://researchofkamigawa.diarynote.jp/201912061829517801/
まとめるなら、「元ネタではなく、プレイヤーのイメージに忠実であるべき」と言えます。これは他のコラムでも繰り返し述べられているからです。
では、元ネタに忠実なカードは入らないのか?というとそうではなく、高いレアリティにするべきだ、ということです。その典型例が百手巨人で、他の記事でも何度か触れられています(上の日記でも引用しています)。
もっとも神河の場合、元ネタに忠実と言えるかどうかには疑問もあるようです。日本と言うより中国が混じっているのではないか?ということは幾らか指摘されています。この点は後で取り上げるかもしれません。
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