神河資料 - 現出の元ネタ
今回は現出の元ネタになった神河のメカニズムについてです。

Making Magic -マジック開発秘話- 2016.7.5 月を超えて その2
https://mtg-jp.com/reading/mm/0017112/

より正確に言えば、『神河謀叛』の忍術メカニズムである。私は、忍者の不意打ちっぷりを表すメカニズムとして忍術をデザインした。忍者は隠蔽の達人で、気づかれることなく攻撃してくるのだ。『異界月』のリード・デベロッパーを務めたサム・ストッダート/Sam Stoddardは忍術の大ファンで、これが解決のカギを握るかもしれないと考えたのだ。新しいメカニズムは「現出」と命名された。

彼が最初にこの能力に加えた変更は、生け贄をコストとして加えたことだった(一方、忍術はクリーチャーを手札に戻していた)。これによってエイリアンの寄生獣っぽさ、つまり変質したクリーチャーがもとのクリーチャーの中から飛び出してくるという感じが出るようになった。もともとは、現出は忍術と同じように作用しており、攻撃クリーチャーにしか使えなかったが、これはあまりにも制限がキツすぎるということになり、クリーチャーを唱えられるときならいつでも起動できるように変更された。

起動コストを有色にしたのは、「欠色を使わない」問題を解決する鍵となった。現出を持つクリーチャーは無色だが、有色マナと生け贄を使うことで唱えるのに必要なマナが1マナ減ることになる。これによって、これらのカードはどのデッキでもプレイできるが、色が合っているのが望ましいということになるのだ。現出能力は、青、黒、緑にだけ存在している。


Making Magic -マジック開発秘話- 2016.7.26 こぼれ話:『異界月』 その1
https://mtg-jp.com/reading/mm/0017172/

Q.現出は、献身(クリーチャー〕の見直しとしてデザインされたんですか?
A.現出は古いメカニズムから着想を得たものではあるが、興味深いことに元ネタは献身ではない。元ネタとなったのは『神河謀叛』の忍者のメカニズム、忍術だった。そのアイデアは、戦闘中に新しい形に変態することで相手を驚かせるメカニズムを作る、というものだったのだ。クリーチャー戦にすることは結局うまくいかなかったので、デベロップ・チーム(このメカニズムはデベロップ中に作られたものだ)はいろいろな調整を試み、現在の献身に近い形に落ち着いたのだった。


現出はイニストラードの生物がエルドラージに変化する様子を表したものです。そういう意味では、「忍術」も変身のフレイバーを持つため、元ネタになるのは自然なことでしょう。しかし、変化するタイミングが攻撃が通った後に限定されるため、付随する効果(特に唱えた時に~の類)のデザイン空間は狭くなってしまいます。調整するうちに、通常の召喚と同様のタイミングになっていったのも納得です。

最終的には献身をリメイクしたかのような、類似したメカニズムが出来上がりました。反転と両面カード、魂力と出来事、歴伝と伝説のソーサリーのように、神河のメカニズムと類似性したものがあったり、拡張した連繋が再登場したりしたのは、神河のメカニズムがただダメな点ばかりではなかったことの表れではないかと思います。

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