神河資料 - 9年待った《春の鼓動/Heartbeat of Spring》
神河資料 - 9年待った《春の鼓動/Heartbeat of Spring》
今回は神河物語に収録された《春の鼓動》を取り上げます。

以下は、アイデアが実際に印刷されたカードになるまでに何年もかかったカードの特集記事です。

Making Magic -マジック開発秘話- 2019.9.3 忍耐
https://mtg-jp.com/reading/mm/0032990/

《春の鼓動》(1995~2004、9年)
『アルファ版』の中で私のお気に入りのうち1枚が、《ほとばしる魔力》である。

私はジョニーなデッキビルダーで、狂ったさまざまなことをするためにマナを出すのが好きだった。《ほとばしる魔力》に関する唯一の不満は、色が間違っていると思えることだった。赤はマナ加速の色ではなく、マナ加速の色は緑なので、私がウィザーズ・オブ・ザ・コーストで働き始めたときの最初の仕事の1つは緑の《ほとばしる魔力》を作ることだった。最初に提案したのは、(私が初めてデベロップ・チームに参加した)『アライアンス』の穴埋めのためのカードとしてだったと思う。選ばれたのは他のカードだった。

その後、『ミラージュ』のデベロップ中にも、穴埋めとして提案した。このときもまた、他のカードが選ばれた。『ビジョンズ』『ウェザーライト』でも挑戦したが功を奏せず、私が初めてデザインのリードを務めた『テンペスト』で採用することにした。最終的にデベロップ中にボツになったが、これは気に入られなかったからではなく、他にこのセットのデザインにおいてもっと重要なカードがあって、このカードは他に入れられる場所がありえたからである。『ウルザズ・サーガ』ブロック、『メルカディアン・マスクス』ブロック、『インベイジョン』ブロック、『オデッセイ』ブロック、『オンスロート』ブロック、『ミラディン』ブロックでも私はこれをセットに入れ続けた。1か月保ったことも、6か月保ったこともあったが、常に何らかの理由によりほかのカードが採用されることになっていったのだ。面白いのは、全員が緑の《ほとばしる魔力》を作りたいということは一致していたが、もっと差し迫ったことのせいでボツになり続けていたことである。

そして、『神河物語』で、私はこれをセットに入れ、そして今度はボツにならなかった。そのセットにふさわしかったからか、それとも他に優先すべきもっと差し迫ったものがなかっただけかは知らない。ただセットに残り、そして印刷に到ったのだった。9年に渡る挑戦を経て、このカードはついに日の目を見ることになった。これは、いつの日か印刷に到るまで挑戦し続けるだけでも意味があることがあるという話である。


収録されたのが神河ブロックだった理由は定かではありません。

ただ、適切な色でリメイクされたことで、違和感なく緑のカラーパイとして定着したと言えます。MTG wikiの《春の鼓動》のページにまとめられている通り、派生カードが何種類も作られているのは、その表れでしょう。

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