神河資料 - 平行デザイン
平行デザインの記事を見てみます。
平行デザインというのは、「まったく違うところから始まったのに、結果的に同じデザインに至る」ことのようです。平行デザインが起こる状況の一例を説明する中で、神河の『魂力』を取り上げています。

Making Magic -マジック開発秘話- 2015.4.21 平行デザイン
https://mtg-jp.com/reading/mm/0014807/

平行デザイン#4-異なる手段
今週は濫用特集なので、濫用メカニズムの作られ方について語るのにはまさにもってこいだろう。まず、濫用の元になった2つの別々のデザインについて見ていこう。1つめが作られたのは2000年、我々が『オンスロート』に取り組んでいた時期のことだ。『オンスロート』ブロックのデザインにはかなりの紆余曲折があったが(このことについてはいつか記事にしたいと思っている。Podcastではすでに公開している(リンク先は英語・音声ファイル)ので、興味があれば聞いてみてくれたまえ)、今回重要なのは私がそのブロックで部族テーマを強く推していたことである。

部族がテーマとして成立するということが証明されるより前のことなので、プレイヤーが部族を楽しむだろうと信じている理由について説明しなければならなかった。その説明の中で、部族が成立すると示すのに十分な量のカードやメカニズムをデザインする必要があったのだ。私は最初に、既存の方法をすべて掘り下げていくことから始めた。クリーチャーのロードを作り、特定のクリーチャー・タイプを対象とするカードを作り、特定のクリーチャー・タイプが一定数必要なカードを作った。数多くのクールなデザインを作ったが、作っている効果が複雑になりすぎているということに気がついたのだ。

たとえば、呪文が特定のクリーチャー・タイプの枚数を数えるものであったり、特定のクリーチャー・タイプだけを対象にするものであったり、単純に文章が長いものだったりした。私は部族という環境下で、単純で基本的な効果をもたらせるようなメカニズムを必死で探した。そしてあるとき、私は新しい方法論に気づいたのだ。分割カードで、半分がインスタントやソーサリー、残り半分がそのクリーチャー・タイプのクリーチャー。これでゾンビかゾンビ系呪文、というものを作ることができる。あとの小さな問題は、分割カードではパーマネントを扱えないということだけだった。

ルール上不可能な発想が出てきたのだから、それをなんとかして実現できる方法を探すことになる。必要なのは、クリーチャーとしても呪文としても使えるようなカードだ。モードを持つ呪文で、そのモードの1つでトークンを作る、という方法もあるが、それではそのメカニズムのできることは大きく損なわれてしまう。私は、マナを支払って捨てることで効果を生み出せるクリーチャー・カードを掘り下げていった。この部分には『神河救済』の「魂力」メカニズムが存在していたが、私自身その出来に満足していなかったのだ。


「クリーチャーとしても呪文としても使えるカード」の一例として、魂力が引き合いに出されています。残念ながら評価は芳しくないようですが。

ここでは濫用というメカニズムに至っていますが、濫用は正確には呪文ではなく能力です。さらに後には、文句なく「クリーチャーとしても呪文としても使えるカード」と言えるカードが登場します。その時にも魂力について触れられていますが、後日に話します。

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